
「市が担う公共の役割の再構築や学校給食・里親制度等」質問原稿|武蔵野市議会レポート
こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 2025年第1回定例会でも、一般質問を行いました。まずはその読み原稿を掲載します。今回は7000字近くとなりました。 以下原稿です。 ワクワクはたらくの本多夏帆です。今回は大きく4つ、市が担う公共の役割の再構築や、学校給食、里親制度、そして市民からの質問意見について質問します。冒頭、少し代表質問のようになりますが、年頭の議会ということで、全体的な議論をさせていただきたいと思っております。 1 武蔵野市が担うべき「公共の役割」について(1) 公共の役割を問い直す時期に来ているのではないかということについて昨今、社会保障制度をどのように考えていくべきなのか、国政における議論が過熱しています。少子高齢社会が進み、働く世代の負担がますます重くなるとされる中において、年金制度の賦課方式とそもそもの仕組みや、社会保険料の増額についての反発が高まっています。 その一方で高額療養費制度については最後の砦であるという意味合いも強く、こうしたところについては社会保障の取り組みが奏功しており、必要性を認識している国民が多くいるのではないかと感じています。 昨日、衆議院における予算審議でもこの件が取り上げられており、ちょうど武蔵野市選出の福田かおる議員が質疑されていたので、中継動画を今朝追って拝見しました。厚生労働省、そして財務省としても、どうやってこの仕組みを持続可能なものにしていくかという観点に依っており、さまざま模索しているもののいかんせんプロセスが見えにくいことから、今回のように唐突な印象を与えてしまっていること、そして1つひとつの制度だけを見るのではなく全体感を持って考えていかなくては、私たち自身も矛盾した意見を出してしまう可能性もあるなと感じた次第です。 ①このようなことは「公共が担う役割」を再構築するものと考えるが、市としてはこうした国民のうねりに対し、どのような見解を持っているか伺います。②市としてもこれまでと異なる考え方、価値観を模索していく必要性があるとも考えるがいかがか伺います。 (2) 長期計画と公共施設等総合管理計画について第六期長期計画・二次調整計画の策定が完了し、次は第七期長期計画の策定準備へと向かう期間に突入します。 昨年、令和6年第2回定例会においても、地域偏在の現状認識について伺いました。その際の小美濃市長の答弁は「行政サービスを提供する手段が、公共施設の場合、本市ではこれまで3層構造の考え方を基本としつつ、提供すべきサービスの性質や内容に応じて、どの程度のエリアの範囲を考えて整備すべきか、整理をしてまいりました。例えば3駅圏ごとにあるべき図書館や市政センターなどは、各エリアに均等に整備されております。またより身近なエリアでは、コミュニティセンターのほか、子育てひろば、こどもクラブなど、地域偏在が少なくなるよう、各エリアへ整備を進めております。 様々なサービスや機能の地域偏在は難しい問題ではありますが、既存施設の改修や改築のタイミングを捉え、エリアで求められるサービスや機能を充足する複合化や多機能化を実施したり、身近な地域の多目的施設であるコミセンを拠点として展開することのほか、地域生活環境指標などで、サービスや機能の地域偏在を見える化することが大切であると考えております。(中略)いずれにいたしましても、行政サービスとして提供する必要など、長期計画や個別計画の策定や既存施設の改修や更新を捉えて、市民の皆様の声を伺いながら考えてまいります。 再質問の答弁においても「またそれを見える化していくということも非常に大事なことでございますので、どういうふうにそれを示していくのかというのは今後の議論になってくると思いますが、これから公共施設の整備をしていくわけでありますけれども、そういう中にはそういう視点はぜひ入れていかなくてはならない、また議論もしていかなくてはならないと思っています。」 さらには再々質問の答弁で「最終的には策定委員の先生方が、どういう論点、テーマでやるかというのを決めていただけるのですが、そういうところもぜひ議論していただければなというふうに思っておりますので、今おっしゃったことを庁内でも議論させていただいて、策定委員の皆さんにもその旨はお伝えさせていただき、その議論が七調に結びつけられるようにしていければなというふうに考えています。」 とまでおっしゃっていただいています。私がもう一声とお願いしたシーンなのですが、ここまでおっしゃっていただいているので、私としてはこれから具体的な取組がなされると考えているわけです。その後この議論がどうなっているのか、教えていただきたいと思います。 今のやりとりは私と小美濃市長によるものですので、実際庁内ではどのように動くことになるのかというヒントについても触れておきます。令和4年度決算特別委員会での総合政策部長の答弁があります。 私の同様の問題提起についての答弁で「かなり全般的なというか、広範な部分なので、難しい部分もあるのですが、お話しいただいた公共施設という視点で見た場合は公共施設等総合管理計画。例えば大規模改修ですとか、更新、さらなる延命化をするのかといったときには、その劣化状況をいわゆる機能的劣化。その機能的というのは、今の社会状況に、例えばバリアフリーなんかも違いますし、使われ方。今で言えばIT系とかそういうものも含めて見る。 そういう基準を公共のほうで──資産活用課が主管課ですが──全庁で議論して示した上で、その施設、施設をどう見るかというのは、分野の計画の中で大体包含されている場合が多いですが、個別の分野別で見ていく形になります。また、当然各分野の計画をするときには、長計にひもづいてですけれども、その各計画の進捗の中で新たなニーズを見直しのときには入れて、そういう視点で。 ただおっしゃっていただいた、この間一般質問で出た、民間のサービスまで出てくるというと、まだ今後課題の部分もあるかなと思いますが、全庁的な今の進め方としては、今御説明したとおりかなと思います。」 ということでした。ここからすると、庁内としては担当課だけでなく他の分野のところが意見を出せるフェーズがあるということなのだと思うのですが、実際どうなっているんでしょうか。 また、私自身議員になる前に空き家対策の計画策定の市民委員をやったことがあるのですが(当時は議員になるとは思ってもいませんでしたが)策定のプロセスというのはやはりほとんどが出されたものを微調整していくもので、大枠はすでに決まっています。そうなるとやはりこの前段階、大きな方針を検討する場において、この施設をどうするのか、このエリアをどうするのかという戦略的な議論が必要で、それができるのは経営層そして長期計画策定の段階だと思うのです。 先日の第二次調整計画の全員協議会の場でも、長期計画の抽象度レベルについて問題提起をしました。ある種、武蔵野市における経営的な議論というのは長期計画議論の場で行うものですから、ここのやり方を変えないといけないと思いますし、また現在の公共施設等総合管理計画においてはこうした議論を仕掛ける点において不足があると考えています。 ただ、一応書いてはあるんです。第二期公共施設等総合管理計画、私は本当はこれ大好きなんです。でもその通りに進んでいないんですよ。基本方針にこうあります、 「公共施設等は、まちの魅力や都市文化を醸成する重要な要素であるため、個々の施設の維持・更新に留まらず、施設整備や管理の適正化、サービスの提供主体の最適化に取り組む必要がある。そのため、公共施設等のあり方、道路や公園、未利用市有地の有効活用などについて、従来の考え方にとらわれることなく様々な工夫を行い、武蔵野市の将来像を見据えた大きな視点を持って、施設の再構築を図るとともに、必要な投資は行いながら新しい価値を創造していく。」 私がこの短い期間で同じことを何度も何度もしつこく質疑しているのは、もう時間がないと考えているからです。このままずるずるいくと、公共施設がこれまでと同じようにリニューアルされ、公共課題は埋もれて解決に至らず、少子化の波の中で手放さなくてはならない資産が多数出てくることになろうかと思います。あるいは問題を50年後に先送りするだけです。市長にはこれまでのやり方を変えるのだというご決断をいただきたいと思っています。前向きに留まらず具合的な答弁をお願いし、以下質問いたします。 ①これまで何度も議論してきたサービスや機能の地域偏在について、横断的なプロジェクトにおいて再検討を要望するが見解を伺います。②また、関連する公共施設等総合管理計画について現在捉えている課題を伺います。③そしてこの 2 つの計画の関係性と今後の策定スケジュールについて伺います。 2 学校給食の質や量、食事の取り方について(1) 学校給食無償化の影響について質や量ともに影響は出ていないということでよいか、状況を伺います。物価高の影響で、他の自治体の例を調べるとやはり量が足りていないという声が出ていたり、規定の栄養量が足りていなかったという事態が発生したりしているようです。また、そうした困難な状況において、事業者が突然に閉鎖となり、急に給食が提供されなくなるといったことも起きています。武蔵野市においてはそのような状況が起こっていないのか、確認したいと思います。 (2) 量についてこれまで質の議論は多くしてきたと思うが、量についてはどのように考えているのか、文科省の通知や市の資料も見たが、市内の実態がわからないため伺います。量においては個人差があるためにその配慮を行うことになっていると思うが、どのように調整がなされているのかについても伺います。 (3) 食事の取り方について食事が足りないという声があり、その原因についてさまざま調べてみると、単純に量が不足していることだけでなく、例えば食べる時間が短いことやその環境等によっても満腹感が左右されるようです。こうした点についての見解、課題、工夫を伺います。 実際に私の周りにいるこどもたちに給食について聞いてみたところ、学年もさまざまですが、中学年高学年からは足りないという声が多く出ました。私の息子は1年生ですが、低学年ではあまりそのようには感じていないようです。一方、幅広く出たのは、やはり時間が短いということです。食べ終わらないということもあるし、急いで食べることによって満足感を得難い状態にあるのではないかということも推察されます。また自校調理ではないために、全体的にぬるいという声もありました。質を上げるというのは食材の話だけではないのではないでしょうか。ぜひ多角的な検討をお願いしたいと思い、今回の質問を行いました。 3 里親制度の啓発について先日、武蔵野プレイスで行われた、里親制度の啓発イベントに参加しました。里親となった方が実際の体験談をお話されたり、いただいた冊子にも里親の方々の事例が生の声として掲載されていて、本当に貴重なお話を伺うことができたなと感じています。 里親というと身元を引き受けてずっと一緒に暮らしていくというイメージが強いですが、都の施策においては普段施設で暮らすこどもを週末や長期休みだけ預かるというフレンドホーム制度というものもあるようです。週末だけということについてはどういうことなのだろうと思っていたのですが、施設で暮らすこどもが家庭での生活を体験するという意味があるそうです。 例えば、お父さん、男性が髭を剃る、ということは施設では目の当たりにしないまま大人になる可能性があるということで、確かに生活するメンバー、状態によっても、どのようなことを知りながら大人になっていくかというのは異なるなと感じました。公園へ行ったり、外食をしたり、そういった1つひとつが経験になるということです。こうした取組の重要性を知ることができ、私自身も大変興味深く、当事者意識を持ってこのテーマについて関心を寄せているところであります。 (1)啓発・広報について市として行っている活動について伺います。(2)都との連携について今後市内にできることになっている児童相談所との連携も合わせて伺います。(3)多様なこどもたちが存在していることについて制度の広報だけでなく、身の回りに多様な状況のこどもたちがいるということ自体を私たちが理解し、行動する必要があると考えるが、市の見解を伺います。 先日、児童養護施設で働く方々とお話する機会があり、そこで、地域の人にどんなことをしてもらいたいですかという話がありました。そこで、避けたりせずに挨拶をしてほしいと言われたんですね。その事業者さんの養護施設は、中古の戸建てなんかを活用しているものが多く、住宅街の中にある、溶け込んでいるようなところにあるとのことです。複数のこどもたちがそこで生活していて、職員さんは泊まり込みでかわるがわる生活のサポートをしている。保護者会なんかにも行くそうです。 そうした家庭環境がある、そこで暮らしているこどもがいるということを、私たちは想像の中に入れておく必要があると思います。何か特別なことをするということではなく、さまざまな状況にあるこどもたち、また保護者がいるということ、何か事情があるのかもしれないな、という想像力を働かせることで、不要な争いや誤解、傷つけるようなことや悩ませることも減るかもしれません。 4 市民からの質問や意見について直近で寄せられた質問や意見について答弁を求めます。 (1) 武蔵野市の成人式について準備の困難性等から午前ではなく午後からの開催を検討してほしいという声があるが見解を伺います。また、そういった声をこれまで集めてきているのか、毎年対象者が異なるために改善の難しさがあると感じるが、どのようにブラッシュアップしてきたかについても伺います。 (2) 小中学校で利用するタブレットについて故障に対する現在の対応を伺います。本体の故障だけでなく、バッテリーや充電ケーブル等も本調子ではないと聞くが、そういった細かなところまでフォロー体制ができているのか、本来の目的である学びの促進にかなう状態になっているのか確認のため伺います。 (3) 喫煙マナーについて市内でゴミ拾いをすると、最も多いのはタバコの吸い殻であると感じます。他の自治体でも全域で路上喫煙を禁止したり、罰則を設けたりする施策が進められていますが、市としてはトレーラーハウス設置以外に方策があるのかを伺います。公園でも喫煙する方や、大量の吸い殻ゴミが発見されており、お怒りの声をいただいています。もはやこうしたことについて思うのは、吸うということではなくポイ捨てがまずいけないのだということなのですが、吸う人も吸わない人も気持ちよく生活ができるよう、市が強いリーダーシップを執る必要性を感じるが見解を伺います。