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活動報告

議会報告・第二号発行

こんにちは、本多夏帆です。武蔵野市議会Noteを年に一度発行しています。今年もあっという間に春になり、無事にリリースすることができました。 もう少し紙媒体を作ってもいいのかもしれないとは思っているのですが、日々SNSで発信することが多く、なかなか記事をまとめきれない状況です。 とはいえいろいろな方に議会に興味を持っていただきたいと思っているので、多様なツールを使っていきたいと思っています。

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活動報告

代表質問2021年3月

こんにちは、本多夏帆です。今年は初めて代表質問をさせてもらいました。会派を代表し、理事者に対して大綱的な質問をします。だいぶ長いですが、原稿をそのまま掲載します。アーカイブもありますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。 ■以下、当日の読み原稿です。 ワクワクはたらくの本多夏帆です。代表質問も終盤となりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。  昨年の第1回定例会から早1年、おかげさまで第二子も無事1歳になりました。この1年は本当にあっという間で、激しい変化の中を必死にもがき続けているような、そんな気持ちです。ここ数週間はこの議会に立つこともイメージしながら過ごしていましたが、この状況の中で今何を議論したらいいのか、考えれば考えるほど気持ちに焦りが出てきて、もう1年が経ってしまったし、だんだんと私も疲れてきているのかな、周りの人たちも同じだろうけど大丈夫かなと、心配にもなりました。臨戦態勢で頑張り続けるのは、本当にエネルギーが要ると思います。市長はじめ市役所の職員の方々も、そして中継を聴いていらっしゃる市民の方々も、周囲とコミュニケーションを取りながら心身ともに健康でいられるよう、気を付けて過ごして欲しいと思っています。  それでは今回は大綱的な質問ということで、以下順に伺っていきます。 【市政運営の基本的考え】  まずは新型コロナウイルス感染症の影響について伺います。施政方針を作るにあたり、昨年からどのような変化があったでしょうか。これはざっくばらんに、市長のお言葉を頂戴したいと思っています。これだけ変化が激しいと、先を考えるのは非常に大変なことです。本文にも多々そうしたことがありますが、①昨年と比べての想いや考えを伺いたいと思います。  そしてこの中を拝見するに、柔軟性という考えと、長期計画との整合という考えがせめぎ合っているように感じます。例えば「先が見通せない中でも、数週間や数か月単位で解決できることなのか、それとも年単位の長期にわたって対策を講じる必要があるのかという目安を持ちながら様々な対策をとるべきであると考えます」(P3)とこれは感染症対策についてかと思いますが、基本的考えの終わりには「私には、コロナ禍であっても第六期長期計画に基づき、やるべきことをしっかりと行う責任があります」(P9)とあります。どういった視点で、この区別を行っていくか、難しい判断が迫られていると思いますが、どの業界においても、変化に対応しながらも短期・長期的視点を持ち活動をしています。②どのように見直しをしながら調整を行っていくのか、伺いたいと思います。  次に、長期的視点での市政についてです。今回の施政方針においても、少子化と人口減少について触れられています。少子化と人口減少というのは、日本社会の大きな流れですが、それ自体をどのように評価し、どんな未来を描くのかについてはおそらくや人それぞれ違うと思います。 方針の中で市長は、国の少子化対策について「言葉自体に強迫的な感じがしないか、子どもを持たないあるいは持てない人たちへの配慮に欠けていないかと感じる」(P4)と述べられています。個人個人の考え方を尊重するということは非常に大切な考え方であると私も思いますが、市としては少子化対策をどのように考えているのでしょうか。めぐりめぐって少子化対策になっている施策は現在も多数あると思いますが、③市として少子化に対し積極的に対策を講じていくということなのか、市の方向性を考えるにあたり、その価値観をお聞かせいただければと思います。 そして人口減少についてです。これについては「現在の日本には様々な課題がありますが、国をあげて取り組み、解決しなければならないのがこの急速な人口減少への対応だ」(P4)とあります。人口減少の対策としての少子化対策というのも論理関係としては分かるのですが、おそらくこの表現はそれを指しているのではなく、急速な人口減少という事態に対してどう取り組んでいくのかということだと思います。 それを踏まえ、④市はどれくらい先のことを考えて今の施策を構築しているのでしょうか。長期計画では10年先を見て、また先日から取り上げられている都市計画マスタープランでは20年先というワードが出てきます。そんな中、長期計画を策定した際には、参考とあれどこの数十年で基金が0になるシミュレーションも示されています。 先日、「いよいよ肩車社会」という記事を見ました。私の世代はずっと腕をぷるぷるさせながら人を上に乗せたイラストを教科書で見てきましたが、それがいよいよ肩車になったのかと衝撃を受けました。2020年は高齢者1人に対し現役世代が2人、このまま出生率に改善がなければ2060年には1対1の肩車だということです。 私は、この事実があるからさぁ皆子どもを生みましょうと言うつもりはありません。ただ、私たち自身が前向きに生きていくために、未来に期待を持てる社会を皆で作っていく必要があると考えています。 【未来ある子どもたちが希望を持ち健やかに暮らせるまちづくり】  次に、「未来ある子どもたちが希望を持ち健やかに暮らせるまちづくり」の部分です。子育て分野として主な施策の部分も絡めて質問します。  今回の施政方針では、子どもの権利条例制定についてや主な施策としての子育て世代包括支援センターという機能強化を図る組織再編といった、子育て施策にさらに取り組んでいくという方向を伺い知ることができました。子どもと子育て家庭の支援の在り方や新たな複合施設の必要性についても検討するとあり、非常に心強く感じています。  一方で心苦しいことに、昨秋から話題にしている自殺の数字は上がってきています。昨年の自殺者は2万人を超え、11年ぶりに増加に転じました。全体的な自殺対策についてはずっと取り上げていますが、今回は特に子ども・若者に関するデータをたくさん見てきました。国立成育医療研究センターのグループによる「心の状態」の調査では、昨年11月から1ヶ月半の間に4600人の小学4年生以上の子どもや保護者が回答し、小学生4年生以上の15%、中学生の24%、高校生の30%に中等度以上のうつ症状が見られたとしています。また、文部科学省がまとめた自殺の人数については、去年1年間に自殺した児童や生徒の人数は前の年より140人増えて479人となったとのことです。特に顕著なのは高校生で、92人増えて329人、特に女子は67人から138人と倍増したと出ていました。  おそらく子ども関係において最新のまとめではないかと思う、内閣府の「子供・若者育成支援推進のための有識者会議の報告書」を読みました。55ページあるのですが、問題があふれすぎて、めまいがするほどです。家庭、学校、地域社会、IT環境、就業(働く場)における諸問題について、この議会で年間通して耳にする話題もほぼすべて入っているのではと思いました。お時間のある方にはぜひ見ていただきたいのですが、子どもや若者を取り巻く問題・課題はこんなにあるのかと、見ていて辛くなります。しかし、これに立ち向かわなくてはなりません。この報告書においても、真っ先に取り上げられているのが自殺、虐待、性被害等といった課題に対する「子ども・若者の生命・安全の確保」です。  まずはこの⑤子ども・若者の命と安全を守るために、市はどのように取り組んでいくのでしょうか。細かな施策は予算の審議においてと思いますが、横断的な考え、そして市長としてのメッセージをいただきたいと思います。今回の施政方針では自殺というワードは出てきていませんが、「不安」という言葉で引っ張ると高齢者、妊産婦、そして感染し自宅療養している方に向けたメッセージはありますが、子ども・若者にはそうした内容がありませんでした。それでも、以前から申し上げている通り、子ども・若者の死因1位は自殺です。また、今回自殺が急増している高校生世代については、医療費控除の件でも市として注目していると思いますが、おそらく市として実態が掴みにくい世代なのではないかと感じています。⑥高校生世代についてどんな課題があると認識し、どう対応していくのか、大きな方向性でも構いませんのでご意見をいただければと思います。 【コミュニティを育む 市民自治のまちづくり】  次に、コミュニティを育む 市民自治のまちづくりについてです。自治基本条例について、「市民の皆様一人ひとりが、自分たちのまちをつくるということを考えるきっかけになってほしい」(P7)とあり、本当にその通りだなと感じています。この1年は在宅勤務やテレワークが進み、自分の暮らす地域で過ごす時間が以前に比べ大幅に増えたという方が多いことでしょう。遠方へ出かけることも少なくなり、地元の魅力を発見したという声もよく聞かれます。また、例えば学校教育についても、経済施策についても、自治体の判断が自分の暮らしに直結しているのだということもまさに実感となって表れたのではないかと思います。その意味でも、何か一つでも地域に関わるきっかけがあり、自分事としてまちのことを考えられれば、武蔵野市はさらにさらに住みよいまちになっていくのではないかと希望を持っています。  今年はコミュニティ構想の策定から50周年ということで、脈々と繋がってきたこの50年に敬意を表するとともに、私自身この武蔵野市で多数のコミュニティに出会い、日々楽しみ、そして助けられながら生活できていることを、本当に誇りに思っています。私自身は子どもを生み、店を開いたことでようやく地域と繋がった感がありましたが、繋がったと思った瞬間に、ばぁーっと世界が開けたような、ものすごい勢いでアメーバ状に人が繋がったと感じたのも、武蔵野市のコミュニティの特徴なのではないかと思っています。すなわち個人が1つのコミュニティにずっといるのではなくて、いくつかのコミュニティに複層的に関わり、それぞれがまた交わり広がっていると感じています。その意味でも、次の「このまちにつながる誰もが 住み・学び・働き・楽しみ続けられるまちづくり」にも掲げられている「市役所がプラットフォームとなること、つなぎ、広げる」というのは、ぜひ期待をしたい大きな役割とも考えます。市長におかれましては、⑦コミュニティ構想の今後の展望につき、どんなメッセージを発信していこうとお考えですか。市長が感じる武蔵野市ならではのコミュニティの魅力についても聞かせていただければと思います。 さてそんな地域のコミュニティの中で、最近「幸せの因子」というものを教えてもらいました。慶應義塾大学大学院の前野教授によれば、幸せには長続きしないものと長続きするものがあり、長続きしない幸せは金やモノ、地位など人と比べられる財のことで、一定以上の経済的豊かさやモノの豊かさは必ずしも幸せをもたらさないそうです。一方、長続きする幸せは環境に恵まれていることや健康であることのほか、心の要因による幸せが多く含まれているとのこと。 この心の要因の幸せは4つに整理されます。1つ目は自己実現と成長、2つ目はつながりと感謝、3つ目は前向きと楽観、4つ目は独立とマイペース。この中でコミュニティというのは、2つ目のつながりと感謝をメインに考えることが多いと思いかもしれませんが、特に子どもや若い世代においては教育や働く場面で「自己実現と成長」を強く感じることができるでしょうし、「前向きと楽観」という幸せ因子も地域の未来が明るければ、また他人と比べない「独立とマイペース」といった因子においても「多様性を認め合う」と施政方針にもあるように、まちづくりの中で実現していくことができるのではないかと思います。➇こうした幸せの因子、つまり教育や環境といったベースとなるものを作るのに行政は大きく寄与していると思いますが、市長の見解をお聞かせください。 【限りある資源を生かした 持続可能なまちづくり】  基本的な考えの最後にある「限りある資源を生かした 持続可能なまちづくり」においては、「予防保全型の維持管理を適切に行うことにより、インフラ施設の機能を確保し」、また「老朽化が進む公共施設などの保全や改修、耐震化などについては先送りをせずにしっかりと予算を充てていく」(P8)とあります。これが先ほども質問した、長期的視点を持つこと、新型コロナウイルス感染症の影響下であっても取り組んでいかなくてはならないことと繋がってくると思います。学校改築の件については、先日、保育園世代である我が家にもお知らせが届き、広く周知に力を入れてくださっていることが伝わってきました。今年はいよいよ基本設計に入り、目に見える形で表れてくるのだなと楽しみでもあります。  さてこのようなインフラ整備は、行政の重要な役割であり、また効果も、財政にも大きなインパクトを与える事業です。それこそ「限りある資源を生かした」とあるように、財政に余裕があるようには到底思えません。先に述べたように、数十年で基金がゼロになると想定されています。私は今30代ですが、30年後に自分の子どもが今の自分の年になる世代です。そんなに遠い話ではないのです。そのことをどう伝えたらいいだろうか考えていたのですが、一番わかりやすいのが「ゆとり世代」という表現かなと思い、それで説明しますと、私はちょうど中学2年生からゆとり教育が始まったいわゆるゆとり世代のはしりです。高度経済成長の熱狂的な雰囲気も、バブルの羽振りの良さも、知りません。物心ついたときから景気はどんどん悪くなり、少子高齢化が進み、私たちは年金はほとんどもらえない、そんなことばかり言われて生きてきました。皆さんがおそらくや「ゆとり、ゆとり」と話題にしてきた私たちが今、こうしてもう大人になっているのです。時間が過ぎるのはあっという間です。  先日、行財政アクションプランの市民意見交換会に参加しました。あいにくのタイミングで、緊急事態宣言が発令された初日ということもあり、私も含めて参加者は二人だけ。見学しようと思って行ったところがしっかりとお話できる機会には恵まれましたが、これからの市の未来を考える非常に大きなテーマであるのに、もったいないと感じる気持ちもありました。ただそれくらい、まさにこれからの現役世代である私たちの世代、そして子ども・若者世代には、そうした危機感は届いていないのではないか。あるいは社会との関わり、地域社会との関わり自体、持とうとされていないのではないかとも考えられます。⑨市長の行財政改革、また今回も記述のある「説明責任や成果・効率の向上など、行政活動の質をより高めることを主眼に置いた行政評価制度についての検討」(P24)といった、未来を作っていく分野についての熱意を伺います。  長々とですがここまで9点、質問をさせていただきました。おさらいしますと、 施政方針を作成する上での昨年との違い、想い 変化に対する柔軟性と第六期長期計画との整合 少子化に対する価値観 人口減少を踏まえどれくらいの将来から施策を考えているのか 子ども・若者の生命と安全をどう守るのか 高校生世代の課題と対応 コミュニティ構想の今後の展望と武蔵野市ならではのコミュニティの魅力 それぞれが幸せに向かうベースを作ることと行政の関係性 行財政改革や行政評価といった未来を作る分野への熱意 です。 最後に、昨年は予算のテーマが「新たな時代へ挑む予算」、ちなみにおととしは「命を守り育む予算」でした。そして今年は「命を守り次世代へつなぐ予算」となっています。この1年の軸とも言える、タイトルです。今日の私の質問は、この命を守ること、そして次世代へつなぐこと、あらかたこれに沿って市長の考えを聞く内容にさせていただきました。というより、考えていったらそうなっていました。今年1年、向き合っていかなくてはならない課題は、きっと世界的に、似通っているのではないかと思います。 今市中には、「武蔵野市くらし地域応援券」があふれています。私はこの「応援」という言葉が、自分の今年のテーマかなと思っています。応援とは「力を貸して助けること」「励ますこと」という2つの意味があります。もしその時に貸せる力がなくても、励ますというマインドを忘れないようにすることで、よい効果が広がるのではないかと思うのです。予算を使う、制度設計をするだけではなくて、日々の業務の中で励ますというマインドを持ち、市民を励まし、またともに働くチームで励まし合うことが、きっと互いの心の状態をよくします。皆さんにエールを送り、壇上での質問を終わらせていただきます。今年もよろしくお願いいたします。