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2024決算まとめ②|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。前回の記事では、決算審議のうち行財政やこどもに関する質疑を紹介しました。今回は市の広報や産業振興、防災などを取り上げます。 詳細な資料などはこちら(市ホームページ) [広報のさらなる改善]広報については重ねて質問をしてきており、市のホームページの相談窓口一覧のページができたことはありがたいことです。 一方で、例えば障害児については健康福祉とこども子育てという2つの分野に情報が点在していることや、若年性認知症の方については認知症が高齢者支援課の分野であることから市のホームページにおいても探しにくいだけでなく当事者の方にとって違和感があることなど、横断的な広報の工夫が求められていることを指摘しました。ホームページの構造上の問題は残りますが、検索しやすくしたりリンクで誘導したり、できるところから手をつけてほしいとお願いしました。 意見聴取についてもアンケートやパブリックコメントだけでなく、市民目安箱「common」など他のツールも増えてきています。その一覧がないことからなかなか知られていないということもあり、情報の一元化を依頼しました。 「むさしのどこでもミーティング」といった職員がまちに出ていくしくみや、「むさぼの」といったプロボノ人材活用といった、市と市民が交わるようなプロジェクトも増えています。活用しきれていないと感じているところもあるので、さらなるアピールをしていきたいところです。 [吉祥寺東町1丁目市有地利活用事業はどこへ]食と相談というテーマ設定で事業者を募集したものの、コロナ禍という状況において手が挙がらなかった事業。せっかくの資産が宙ぶらりん状態になっていることに課題感があります。この年度においては事業者へのサウンディング調査を行ったとのことですが、なかなか今後もいばらの道のような印象。地域の方へのコミュニケーション含め、取り組みへの尽力をお願いしました。 [おくやみサポート窓口の委託先は専門家?]3年契約で委託を行っているとのこと、確かに満足度は高いようですが、私自身も行政書士としてなぜ専門家団体に依頼しないのか疑問に感じています。行政書士法が改正されるタイミングでもあるため、本当にこのままでいいのかは検討してほしいです。 商工会議所や士業団体など、地域連携を深める機会でもあり、また相続などは庁内の手続きで完結するわけではないことから、専門家の知見が必須です。このまま委託形式にするかどうかは検討するとのことだったので、ここはきちんと見直しをしてほしいと思います。 [産業振興分野が武蔵野市の魅力をつくる]まちの魅力をつくり、また発信し、ブランディングをしっかりとしていくこと自体が、例えば武蔵野市の豊かな担税力に繋がっていると考えられます。まちの事業者や団体などとも連携し、その大きな役割を担っているのが産業振興分野の取り組みです。予算規模が小さく、もっともっとここに力を入れていくことが、武蔵野市の未来に寄与すると思っています。 規模の大きな会社の流出が続いていることへの懸念を共有し、どうすれば居続けてもらえるか、また新しいところに入ってきてもらえるかを考えなくてはならないとお伝えしました。コロナ禍から始めた商店会活性出店支援金についても、空きテナントが減少してきていることからか動きが鈍化しています(新規出店での申請件数は前年度比28%減)。制度の見直しが必要です。 社会課題とされるものについて、ビジネスで解決を図ることもできます。横浜や府中では「共創の窓口」といった事業があり、官民連携が促進されています。武蔵野市でも庁内での課題解決に向け、産業振興分野がプラットフォームになれる可能性があります。 市民目安箱commonでも、ストリートピアノ導入の提案があり、また審議会などでも「回遊性」を重視する意見が出ていることから、デザインマンホールのみならず、ピアノなどの音楽やアートを含めたさらなる回遊施策の必要性についても要望をしました。 [民泊トラブルは把握できているか]民泊については東京都が管轄しているため、武蔵野市に具体的な権限があるわけではありませんが、まちづくりの中で大きな影響を与える可能性のあるものであり、トラブルの未然防止に取り組む必要があると考えています。 旅館業に対する条例改正などを行ってきた中で、そこにも民泊の文字はなく、実際にどうなっているか、よくわからない状況です。特に吉祥寺においては事例も見られるようになってきており、適正な形での運営やトラブルの防止へ動いてもらいたいと思います。 [災害時の対応に向けた準備強化]100以上の自治体や団体と防災協定を結ぶ武蔵野市。古いものは昭和55年締結などあり、結びっぱなしになっていないか確認をしました。ちょうどこの数年でこの見直しやコミュニケーションを行っているとのことでひとまず安堵。災害時に機動的にこの協定が力を発揮するためには、定期的な確認が大切です。今後は各担当課と協定先との連携が重要とのこと。ホームページの内容も更新を依頼しました。 防災訓練のやり方も大きく変わってきたのを感じており、今回は競争入札で訓練に委託事業者を入れたとのこと。自衛官OBの方々がメインとなる事業者だったそうで、かなり厳しいコメントももらいながらよい訓練ができたとのことでした。プランAしかない状態を脱するため、プランB、C…と多様な準備を行っている最中だそうです。 [カーボン・オフセットの目的説明を]武蔵野市が鳥取県と協働して森林整備を促進し、カーボン・オフセット(温室効果ガス削減)の取り組みを行ったというもの。森林環境贈与税を活用した事業ですが、そもそもこの国税に対する懸念も言われる中、なぜこの取り組みなのかということをきちんと伝えないといけないのではないかと提案しました。 事業の広報において、「武蔵野市の公用ガソリン車約48台が排出した二酸化炭素の埋め合わせ」と表現されていることによって、本当にこれで良いのか?と。環境施策は価値観の分かれるところであるため、丁寧な広報が求められます。 [下水道事業会計の精査]監査の指摘の中で、固定資産の計上漏れについて課題を解決するよう書かれており、深掘りをして質問したところ、過去の手続きフローにおいて漏れが発生し100件以上の計上漏れがあることがわかりました。 氷山の一角として捉え、このようなことがないように工夫を重ねていかなくてはなりません。 以上、決算特別委員会の中での質問をピックアップしてお届けしました。総じての意見を述べる「討論」を10月1日の本会議で行います。終了後、また原稿をアップしますのでぜひご覧ください。

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2024決算まとめ①|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。武蔵野市議会では、9月の19日から26日まで、決算特別委員会がひらかれ、2024年度の決算について集中的に審議が行われました。 ・詳細な資料などはこちら(市ホームページ) 私も委員として参加しましたので、簡単にどのような質問をしたか紹介します。4日間で分野ごとに順番に質問をしていくのですが、私の持ち時間は1日20分(答弁は含まれない)。どう聞くかで議論の深さが変わるので、計算しながら展開をしていきます。 まずは行財政的なところやこども関係です。 [決算全体のテーマ]全体として、「何をして何をしなかったのか、優先順位付けや予算配分の考え方の変化について問う」として、コロナ禍からのシフトを大きなテーマに置きながら質疑を展開しました。 コロナ禍が落ち着いたと思ったところで大きな影響をもたらす物価高騰の流れ。武蔵野市でも実際に事業の延期や見直し、優先順位の変化にも繋がっています。 [歳入である税の分野について]市の収入である税については、安定的で高い水準が保たれていますが、法人市民税が景気の回復とともに増加する一方で、中小企業にとってはそのような状況ではまったくないのではないかと指摘。 また、路線価の上昇(前年度比6.6%増)にともない固定資産税も2.9%増加しているものの、個人市民税とのバランスも考えていかないと長く住み続けることができず、流出に繋がってしまうのではないかという課題感を共有しました。 キャッシュレス導入により税の徴収事務は効率化されているとのこと。市が手数料を負担するという影響は出ているものの、そこまで大きな負担には至っていないとのことです。 ・令和6年度決算等審査意見書はこちら [教育費の規模感について]また、中学校費が前年度比198.7%増というように、学校の建て替えが大きな影響を及ぼしている一方で、こうした改築事業が入ることによって教育事業そのものの金額の傾向が見えづらくなることや、やたらと教育費が高く見えてしまうことによる影響についても考えて表現をしていってほしいと依頼。 学校は教育活動としてだけでなく、地域の核であり防災にも役立てる施設であり、多目的なものですが、どうしても予決算ではすべて教育費に含まれてしまうために全体の中で相当大きな配分をしていると見えてしまいます。 子育て世代が少なくなりこどもが減っている中でもはやこどもはマイノリティであり、教育にこんなにお金がかかるのはおかしいと言われることもある。そういった懸念や、庁内での予算の配分においても、そのような見え方で課題が出てくるようなことはあってはならないという思いから質問をしました。 [こどもたちへのアプローチ強化]関連してこども関係ではまず「子どもの権利擁護センター」ができ、こども自身、保護者からの相談に対応できている旨がわかりました。学校との連携もできているようで、教育委員会側としても学校との調整役になってくれている、またこどもたちの意見表明に繋がる取り組みなどにも繋がってきているといった成果が報告されました。事業の初年度のため、今後ますますよい事例が出てくるものと思われます。 学校では外国にルーツのあるお子さんも増え、日本語指導の相談も増加傾向。拡充や実施場所の検討なども提案しました。また、家庭と子どもの支援員の常駐型が増員となり、学校の中での居場所というのが増え、しっかりと運営されているようです。 学校に行きたくても行けない、例えば起立性調節障害のようなお子さんもいることから、学校ごとの居場所だけでなく市全体でひとつのオンラインでの居場所をつくるなど考えてみてもいいのではとお伝えしました。メタバースの試行事業なども行われているため、今後の発展を望みます。 [学校施設や教育活動の支援]物価高騰などの波は学校にも当然に押し寄せており、また中学生議会でもたびたび空調や給水機などの要望が出ていることから、学校がそれぞれの課題解決に使える学校裁量予算の拡充をお願いしました。やはり物価高騰の影響は受けているとのことで、この学校裁量予算だけでなくさまざまなところで工夫をする必要がありそうです。 施設整備についても建て替えの議論に待ったがかかった状態で、老朽化していく部分をどうするかという課題が残ります。待っている間にこどもたちはどんどん卒業してしまいます。加えて、施設の中でメンテナンスが置き去りにされてきた校庭についてもそのままにせず、きちんと点検をして補修をしてほしいと思います。 また、武蔵野市の魅力的な教育が伝わるよう、学校ポータルサイトのリニューアルやSNSの活用についても要望しました。「選ばれる学校」となるには、やはり発信も大切です。非常に充実した発信が行われているのに、見てもらえるツールを使わないのはもったいないので、改善を望みます。 [産後の支援強化]産後ケア事業については、予約の取りにくい状況について重ねて質疑。今すぐ助けてほしいという状況に対しても、助産師会の協力などを得ながら対応している状況がわかりました。予約状況の見える化などを通じて見通しを立てられるようにし、さらに利用しやすい状態へ繋げていってほしいと要望しています。 [世代間ギャップへのアプローチ]男女平等施策において、データに基づいた施策の展開をお願いするとともに、性別というよりも親子といった世代間での価値観の違い、社会背景の違いについて理解できるような取り組みを増やしたほうが、効果が出るのではないかと提案しました。白書などを読むと「親から逃げたい」といった理由で地方から東京へ移住するという事例もよく見られます。相互理解という意味においては世代に着目するのもひとつではないかと思います。 ・男女共同参画白書はこちら・東京都の女性活躍施策データ集はこちら [保育現場への支援]保育所に出ている補助金の中で、性被害防止や安全対策のものについても触れました。度重なる痛ましい事故や事件によって、こうした補助金が国から出てきているものと思われます。パーテーションや簡易更衣室、熱中症対策のテントなどにも活用されており、こうした取り組みによってこどもたちがきちんと守られるようにと切に願います。 また、保育現場での事故情報についても、この前の年度まで2年連続で起きていたおさんぽ中の置き去りについては0件となっていて、良かったです。あってはならないことですので、改善をし続けてほしいと思います。 [子育て世代の所得制限撤廃]先日の一般質問でも取り上げた子育て世代の所得制限撤廃については、放課後等デイサービスを例に挙げて具体的に質疑を展開しました。年間5万円程度のところから一気に44万円超になってしまう。国の制度とはいえ、こうした状況に目を向けて市独自の支援を考えてほしいと訴えました。 児童手当の所得制限があったコロナ禍当時、所得制限に引っかかっているのは武蔵野市の子育て世代のうち約4割という答弁が当時の議論でありました。そこから考えれば労務単価の上昇もあり、さらに割合として増えていることも考えられます。昨今の日本の状況からして働き控えが起きるような所得制限のしくみは撤廃、見直しをすべきです。武蔵野市からも声をあげていってほしいと思います。 [こどもの交通事故防止のために]こどもの交通事故が増えている傾向にありましたが、この年度は少し落ち着きを見せたとのこと。とはいえ市全体の事故は増えており、特に自転車がかかわるものが多くなっているとのことです。 小さい頃からの交通ルール徹底が大切だということでしたので、武蔵野市にはない交通公園の整備や、1歳児になる前にヘルメットを配布しこどものヘルメット着用率100%を目指してほしいといったことを要望しました。 まずは行財政のところからこども関係を紹介しました。長くなってきたので、市の広報や産業振興、防災などは次の記事に続きます。

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決算審議が始まりました|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。武蔵野市議会では9月22日の週、決算特別委員会がひらかれています。 今回の決算審議における質疑の大きなテーマは「何をして、何をしなかったのか」ということです。コロナ禍においては、事業の中止や延期といったことが目立ちましたが、今回審議する2024年度(令和6年度)はその影響からようやく脱したタイミングとも言えます。 市においてどのような基準、価値観を持って、予算の配分・優先順位づけを行っているかを問いたいということです。 計画が進められる中で予算から外れたものとして、ひとつ大きな事例があります。公立保育園2園の建て直しについて延期の方針が示されたことです。理由は以下の通りで、コロナ禍の影響ではありません。 その一番の大きな理由としましては、近年の物価高騰の影響及び建築業界の人材不足など社会経済情勢の変化により、仮設園舎の建築について、建築費用が高額となることから、市民の皆様への十分な理解を得ることができないため、また2番目に、建て替え時期を延期することにより、今後の人口の推移及び保育需要の動向を見据え、本園舎の建物規模、定員の見直し及び地域子育て支援拠点の整備について検討を行うことができるためとしております。 武蔵野市議会 文教委員会(2025年2月4日)議事録 これまでの武蔵野市は計画行政を重視し、着実に事業に取り組んできたと思います。今回の延期がそれを無視したものであるとは思っていませんが、計画策定後の大きな方針変更であり、これまでと違うなという印象を受けたものです。 事業が行われるにあたっては、たいていの場合計画が策定され、庁内で担当から予算の要求があり、財務や企画調整の部門で審議され、予算書に載り、議会で予算が承認、そして執行するという大きな流れに乗る必要があります。 この延期については計画の審議においては進んできているものの中で、実際に予算を付ける段階で変更になったものであり、なかなかに珍しい事案でした。 がしかし昨今のもので言えば、保健センターの増改築について議会側で見直しを要求したものもあり、こうした社会情勢の変化による変更自体は増えてきているようにも思います。 一方、年度の途中で突然組まれる補正予算で出てくる新たな事業というものもあります。 最近ではトイレトラックの購入事案について、あまりに検討が足りていないのではと指摘したこともあります。 庁内での予算要求のフローで丁寧に審議されてきたものと比較して、少々そのプロセスが曖昧なのではないかと感じていることもあり、こうした事業の優先順位付け、庁内での議論のフローが少しでも見える化できないかと質疑してみることにしました。 初日の総括質疑、監査委員を含めた質疑時間の中でも上記の大テーマに触れ、価値観の部分を含めた議論をさせていただけたと思います。これまでの時間をかける計画行政の手法も、変化を求められています。私たち議会でも、質疑、指摘をするタイミングを考えていかなくては、結局もう遅いということになりかねません。 どういうかたちで情報交換をしていけばいいか、プロセスを見せながら議論をすればいいか、職員の方々にとっても考える機会になっていれば幸いです。 その他、法人市民税や固定資産税の分析、内部統制制度、基金管理の運用体制整備などについて質問しました。 2日目となる9月24日から3日間は、各分野別の質疑が中心に行われます。事業をピックアップしながら、大きなテーマにも触れつつ質疑を展開できればと思います。 ・決算特別委員会のスケジュールや資料はこちら(市HP)

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災害用トイレトラック補正予算についての会派意見|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 2025年9月の定例会に上程された補正予算において、災害用トイレトラック購入についてがあったのですが、総務委員会の委員として質疑し、納得のいく説明が得られなかったことから以下の討論を行いました。 読み原稿を掲載します。 第72号令和7年度武蔵野市一般会計補正予算(第3回)に賛成の立場ですが、この中での災害用トイレトラックの購入について会派ワクワクはたらくを代表し、意見を申し上げます。 今回の内容は大規模災害時に向けた公助の取り組みの一環とのことですが、検討のプロセスにおいて幾つかの課題があると感じています。 まず、導入の目的と効果の論理的な関係が不明瞭であることです。いつ起こるかわからない災害に備えと議案資料にも記載がありますが、この車体を1台購入することにより、災害時のトイレ施策がどのように良くなるのか、数値的な根拠もよくわかりません。 2600万円という高い買い物です。一部東京都の補助金やクラウドファンディングを行うからといって、安い買い物ではありません。補助金だってもとはと言えば市民が払ったものです。なんでもかんでも買えばいい時代ではありません。物価高騰が続き、税金の使い道について、市民の関心がこれまで以上に高まっていることについてもっと意識すべきです。 また、そもそもなぜこの大型車なのかについては一般社団法人たすけあいジャパンのスキームに参加するための指定であるという理由が説明となっており、そうであるならば大型車にすることによる効果とともにこのスキームに参加することによるメリットがきちんと説明されるべきですが、災害時に支援が来るかどうかもよくわからない枠組みで、武蔵野市がこのスキームに参加する意味が理解できませんでした。 大型車にこだわるあまり、メンテナンス料金も1回数十万と高く、イベントなどでの利用についても後ろ向きな説明がありました。これで啓発がかなうのでしょうか。大型1台で5つのトイレが入っているとのことですが、そうであれば小型のトイレトラックを5台買うほうが良いのではないかと思ってしまいます。そうした比較検討の議論の材料を示していただきたいです。 さらには、この団体の概要・現状もよくわからないもので、総務委員会で質疑もしましたが、他の自治体が参加しているから大丈夫という説明はなんの説得力もなく、むしろ不安になります。きちんと事業者の審査をしたのでしょうか。このような枠組みに参加するくらいなら、友好都市と災害時の協力体制を築くなど、効果的かつ独自性を鑑みた施策のほうがよっぽどいいと思います。 本来はそれぞれの自治体ごとに考えるべき災害対策なのに、全国で同じものを導入するという枠組み自体、なぜなのかという疑問が絶えません。都市部とそれ以外でも必要なものは異なるはずです。なぜ車体に指定をかけるのでしょうか。このこと自体が急いで発注をかけなければならないという動機にもなっており、あまりに検討が足りていないと思います。もっと広く情報収集を行い、武蔵野市に必要なトイレトラックを選定してほしいです。 今回は補正予算の中のひとつであるため議案への反対には至りませんが、今後購入議案が出てくる際には、今申し述べた疑問がきちんとクリアになるよう、内容をしっかり練り上げていただきたいと切に願います。みんながやっているから、どこの自治体にもあるからということは、購入の理由になりません。 武蔵野市としてどのようなトイレトラックが望ましいのか、どのような備えが必要なのか、再度検討をしていただき、納得のいく根拠を明示していただくようお願いし、討論といたします。 ・議案資料はこちら

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地域の担い手不足や子育てにおける所得制限などを質問|活動レポート

2025年9月5日、一般質問を行いました。以下当日壇上での読み原稿です。中継動画は8日にアップされる予定です。 会派ワクワクはたらくの本多夏帆です。猛暑からの台風ということで、今朝も大変な思いをされた方が多いのではないでしょうか。小美濃市長の公約に基づき、子育て世代の移動支援についてのアンケートが8月にも行われていましたが、こういう時に移動が大変なんだよなと思ったところでした。 なんでも税金でやればいいとは思っていませんが、本当に困った時に手を差し伸べてもらえるという実感があることが、生きていくうえでとても大切な感覚であると思っています。そして困っていることは時代とともに変化し、また支援の手法についてもどんどんと変わってきていると言えます。 今回はそんな変化に着目をしながら質問を構成してみました。以下、質問内容に入ります。 「ライフスタイルと価値観の変化に伴う武蔵野市の対応等について」 1 ライフスタイルの変化に伴う武蔵野市の対応について (1)働く人が増えたことによる変化について 私が子どもの頃は、グローバル化、少子高齢化というのが大きな時代の変化として取り上げられることが多かったように思います。自分たちはゆとり世代と言われ、時代の過渡期を過ごしているという実感を持っていました。そして現在自分自身が親となり、子育てをする世代になって感じる最も大きな社会の変化は、「働く人が増えた」ということです。 武蔵野市においても幼稚園から保育園の利用ニーズが増え、その数が逆転する現象が起きたり、学童保育がいっぱいになったり。私が子どもの頃は、帰宅時に親がおらず鍵を持って出てきている子を「鍵っ子」などと言うことも多かったですが、そうした言葉はもはやあまり聞かなくなりました。 PTAの活動をしていても、いかに学校に行く回数が少ない業務かというのが注目され、一方で在宅勤務だから逆に行けるよ!といったこともあります。働いているということが前提となり、社会の仕組み自体が大きく変わってきているというわけです。 地域の活動において、どこでも言われることは担い手不足。そもそも企業においても労働力不足が大きく騒がれています。人口が減っているというのはもちろん、働いていることが前提となっていることからそもそも地域の役を担えない。そうなるとやはりその役割の中身を変えていくということを考えなくてはならないのだと思います。 今までと同じことを細分化するとか、量を減らすとかそういったことだけでなく、前提からして状況が変わっていることを踏まえ、内容自体を抜本的に変革していかなくてはならないということです。小手先の工夫では、解決できないことが増えていくと思います。 市もこれに合わせた大きな変化を行っていくことが必要です。行政の取り組みにおけるこの変化のメリットやデメリット、今後の方向性について、まずは大きく伺いたいと思います。 次に具体的な話に移ります。 (2)需要の変化についてまず保育関係です。 ①未就学児の保育や学童保育の需給予測につき、大きな波を越えるところまで来ていると思います。いくつかの資料でこれまでにも見せていただいていますが、今後のシミュレーションやあらゆる転用の可能性について、どのように検討されているか現段階でわかることを伺います。 まだそこまで細かい話が出てくる段階ではないことは認識していますが、第7期長期計画に合わせて公共施設等総合管理計画の検討も行われる予定になっていることから、このタイミングで伺うものです。 ②夜間や土日祝日に働く家庭の保育需要に対し、どのように保育の提供や支援をしているでしょうか。多様な働き方が推進される時代です。しかし、保育のサービスは基本的にメインターゲットとなる週5日平日フルタイムという層に向けて提供が行われてきたと思います。 施策の効率性を考えればそうなるのだと思いますが、それでもやはりそこから漏れている人はどうするのかという課題が残ります。同じように納税をし、生活している市民からすれば、不公平感があるのは当然のことではないでしょうか。 私はそもそもこの保育の制度設計が、働き方を決めてしまっているとも考えています。この枠にはまるようにしなければ、働けないのではないかということです。待機児童が多数出ていた頃、と言いつつ今もそこまで大きくは変わっていませんが、0歳の間にフルタイム復職をしないとまず保育園に入れない、そういう条件を作ってきたのはこの制度設計だと思うのです。働き方を制限していると言えます。 もちろん、それを決めるのは自分ですから、縛られずに自由であると言うこともできますが、子どもを抱えながら働くかつ経済的な点も鑑みれば、市の、この国のスキームに乗るしかない、そうした消極的選択をしてきた人も多かったのではないでしょうか。 私自身議員になってから、多様な保育ニーズについてもっと調査してほしいとお願いしてきました。これまで以上に柔軟な、そして社会の実態に即した保育の提供を目指してほしいという想いから、もう何度も質問してきていますが、重ねて取り上げさせていただきました。 ③武蔵野市障害児者親の会連合会の方々からの要望書を拝見しました。定期的にいただいているものなので、毎年の変化を感じながら読ませていただいています。その中からいくつか今回取り上げます。 まず、障害のある方の居場所として、作業所の前後の時間に利用できるサービスが求められています。具体的には9時から3時に通所が終わってしまい、保護者やケアラー、ケアをする方これは例えば祖父母やきょうだいなどが想定されますが、こうした方々の就労や生活、ライフスタイル等に影響が出ているということかと思います。 この要望が出されているのは、年齢で保育的な支援が区切られていることによる影響が大きいと思いますが、年齢によって障害の程度が変化するわけではありません。国の制度設計の根幹から課題感を持っているところですが、まず市がこの要望についてどう考えているのか、見解と対応策を伺います。 (3)置かれた状況の変化と要件変更の必要性について ①子ども・子育て世代への支援における所得制限について 子ども・子育て支援における所得制限についての議論は、ここ数年で急激に変化を遂げてきました。金額設定の問題だけでなく、そもそも子どものためと言いながら保護者の所得によって区別をするという考え方からおかしいのではないかということで、ようやく撤廃するものも出てきています。 所得制限は働きたいのに働けない、働きたくないという、今のこの国の状況からすればデメリットと言える状態を生じさせるものであると考え、この時代において有効な施策とはとても思えません。いまだ武蔵野市において残されている所得制限について、主にどのようなものがあるかを伺います。 ②障害児支援における保護者の所得制限について こちらも親の会の方々からの要望にあったものです。障害児という支援を必要とする方々が、支援を受けられない状態に陥っていると言えます。どういう考え方で所得制限を設けているのか、その設定している内容は妥当なのか、そもそも例えば補装具においては所得制限が撤廃されるなどの昨今の動きから考えれば、全ての支援における早急な制限撤廃を求めますが、見解を伺います。 2 価値観の変化に伴う武蔵野市の対応等について (1)施設の更新と合わせた市の働き方改革について 先日、中野区役所の新庁舎を視察しました。昨年から新しい庁舎に引っ越したそうです。施設の更新に際し、働き方を変える取り組みに3年ほど前から取り組むことで、スムーズに移行することができたと伺いました。 例えば、固定電話を廃止し、フリーアドレスにすることや在宅勤務をしやすくすること、システム化や書類の保存ルールの見直しを行い、ペーパーレスを促進、これにより紙媒体が減ったことで保管場所を削減して床面積を生み出し、職員の打ち合わせや休憩スペースなどを充実させることもできたとのことで働きやすくなったという声があがっています。 このように、ハードを変えるタイミングでソフトも変えていくという合わせ技が改革には有効であるということを感じました。そのためには入念な準備と改革志向が必要と考えますが、この取り組みへの見解を伺います。 (2)「モノの図書館」という取り組みについて 自分で買うには少し高価な物や、子育てや介護の時、あるいは季節など、期間限定でしか使わないような物などを図書館のように貸し借りするという取り組みが主に欧米で行われています。無償か有償かといったことや、場所も図書館だけでなく公共施設や民間施設の一角を使ってなど多様なスタイルがあります。 寄付された物で回しているところ、企業のPR品、行政や団体が購入した物でといったこともまちまちで、例えば庭仕事のためのものや掃除用具、車の整備用品、DIY用具、アウトドア用品、スポーツ用品、パーティー用品、子どものおもちゃなどもあるようです。 そもそも欧米では環境への取り組みとして広がっているようですが、私はこの話を聞いた時にこれは行財政改革の一環になるのでは?と考えました。想像してみてください。いろいろなところで少ししか使わないのにいくつも持っている物、ずっと倉庫に眠っているもの、行政の現場にありませんか? 確かに発災時などにしか使わないといったものもありますが、普段使いを兼ねるという取り組みもあるかもしれません。庁内でシェアする、施設同士でシェアする、地域でシェアする、市内全域でシェアする、いろいろなやり方があると思います。 大きく見ればさまざまな物品も全て市民の資産ですから、市民へシェアするということもできるのかもしれません。所有権や保険など、ハードルはあるだろうなと想像しつつ、まずは公共施設の更新がこれからどんどんと始まっていく中で、「物品の保有」という視点に着目したいと考え今回この質問を行いました。 東京大学では「価値循環プラットフォームシステム」という実証事業を行なっているそうで、ここでも物品のシェア、譲るということについての注目がされています。 武蔵野市でも、リユース掲示板「むさしのエコボ」の取り組みや、はたまた福祉用具の貸し出しもこれまで施策として行なってきていると思います。物品をシェアし、さらに活用するという取り組み拡大に向けて、ともに考えていきたく、見解を伺います。 (3)投票の秘密を守ることについてこれも昨今の価値観の変化だなと思い最後に質問します。選挙期間中、撮影した投票用紙を他人に見せることで投票した証とする事象が多数発生しています。それにより報酬を得た団体・個人がいるとされ、公職選挙法違反の報道も出ており、投票の秘密を守る必要性を強く感じています。 そもそも武蔵野市の投票所では撮影が禁止されていると認識していますが、その理由はおそらく他人に迷惑をかけないようにということかと思います。その点からは、条件付きで一部撮影を許可をしている自治体もあるようです。 ただ私としましては、他の人への配慮ということだけでなく、投票の秘密という概念について、なぜそれが重要なのかということの啓発が必要と考えています。例えばこうしたことは、俗に言う闇バイトのようになる可能性もあるのではと思い危惧しています。見解を伺います。 深い対策を講じていただきたいとお願い申し上げ、壇上での質問を終わります。

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予算要望しました|活動レポート

2025年7月、市長や副市長など執行部に対して、次年度に向けた予算要望を行いました。以下はその際に提出した項目のメモ書きです。これをベースに会派として40分間ディスカッションをさせていただきました。 解説を挟みながら記事としたいと思います。 ▼こども・子育て応援のまちとして[一般質問等で要望済]・保育における午睡について個別具体の要望に応えるための人員増強・学童保育における育休退所要件の改善・学校給食の提供拡大(不登校、地域カフェ/町田市が実施中)・若年性認知症や起立性調節障害等、若い世代の病気や障害への対応強化 [新規]・学校でのプール授業ができる環境整備(暑さ対策)・交通公園の整備・出生時に子ども用ヘルメットを供与・PTA や父母会等の保護者組織と行政のかかわりにおける業務効率化(オンラインや ICT活用等)、必要性の見直し 私自身小学生のこどもがいますが、1学期のプールが何度も暑さで中止になり、夏休み前にまとめて予備日的に実施がありました。あまりの暑さに授業ができない状態になっており、学校の建て替えも行われている中で新しいプールができても、授業ができないような状態では意味がありません。早急な対応を求めました。 また、武蔵野市には交通公園がなく、交通ルールを学ぶ場の少なさが気になっています。こどものヘルメット着用についても、自転車に乗っているこどもはつけていることが多いですが、子乗せ自転車では親子ともにしていないことが目立ちます。そのため、もはや出生時から、乗り始めるであろう1歳に向けてヘルメットを配布してはどうかと提案しました。痛ましい事故被害を防ぐためにも、こどものヘルメット着用率100%を目指したいです。 ▼コミュニティセンター改築・ステークホルダーの多様性 ・情報の出し方、タイミング地元商店会、地域住民、ボランティア集団との情報共有⇒本町:環境浄化との関係⇒南町:医療体制との関係 こちらは主に会派の宮代議員より。コミセン建て替えの動きと地域医療の動きとがリンクしながら行われていることもあり、かなり状況が変化しています。主に吉祥寺エリアの課題について議論をしています。 ▼学校施設と什器の更新・更新のタイミング 改築の予定を待ってしまっている現状について・校庭の定期整備・中学生議会より:給水機、冷水器、ゴミ箱・公園:居場所の意味合いが少し違うという感覚のずれ・学校における性犯罪防止の取組強化(校内の防犯カメラ設置や定期的な隠しカメラ点検等)・仮設校舎への登下校時のみまもり人員配置 学校の建て替えについては、中学校の数を検討するというフェーズが新たに出てきたことからペンディングになっています。建て替えのスケジュールが立たないことから、それまでのメンテナンスがきちんと行われていく必要があります。安全な学校を守るために、適切な対応が必要です。 私からは学校における性犯罪対策を強く要望しました。PTAが見回りをするケースもあるようですが、そもそも教職員もPTAの一員であり、その中で監視し合うというのも少々違うかなと感じています。 ▼予算の中長期的見方・物価高騰をどう捉えるのか 工事を発注できないリスク 発注金額の高騰、物価スライド・学校施設の改築:時の流れへの対応、基本方針のローリング、学校ごとの公平性の担保、独自性 あらゆる公共工事において予算がどんどん上がっています。計画策定から実際にお金が動くまでタイムラグがあるため、当初の議論からのずれが出てきており、議会でも紛糾することが多いです。やり方を考えていかなくてはいけないと思います。 ▼まちづくりへの弛まぬ取り組み・市内の民泊事業実態調査(状況・課題把握)・ムーバスの状況改善(減便解消・混雑緩和)・駅前や公園にミストスポットの設置(三鷹市実施中)・リアルタイム字幕システムの導入(議会、その他市のイベント等) 吉祥寺という場所柄、民泊についてどのような状況になっているか気になっています。まずは現状把握が必要です。ムーバスについても、三鷹〜吉祥寺循環の減便で大変なことになっていますが、それだけでなく別便に乗車した時も、満車で炎天下乗せられず次の便を待ってくださいという案内を目の当たりにしたことがありました。交通課題の難易度が高まっています。 ▼投票率向上のために・期日前投票所の拡大(三鷹駅前への設置) 現在の期日前投票はまず武蔵野市役所からスタートし、期間の後半になってから武蔵野商工会館と武蔵野プレイスが追加されるという運用になっています。市役所は三鷹駅から遠く、三鷹駅前エリアでは期日前投票ができないため、その利便性向上が求められています。 以上の内容で意見交換をし、概ね前向きな反応をいただきました。具体的な施策になるものはなかなか難しいとは思いつつ、細かな動きの中で反映してくださると思っています。 他自治体ではこのようなディスカッションの時間はなく、書面提出のみというところも多いそうで、ありがたい場であると感じます。引き続きさまざまなところで要望活動を行なっていきます。