初めての子ども議会を開催!その後の議会でも注目の提案に|武蔵野市議会レポート
この夏、武蔵野市議会では初となる、子ども議会を開催しました。準備会を2回、そして本番として議場での質問を実施。市内6校から14名の中学生が参加してくれました。
運営の主軸となったのは議会運営委員会で、それ以外のメンバーはフォローするような役割となりましたが、初めての機会を議会全体で充実したものにすることができたと感じています。
というのも、9月の議会が始まり、議員それぞれが自分の好きなテーマで質問することができる「一般質問」において、ほぼ半分の議員と言っても過言ではないほどの人数が、子ども議会で出た意見を提案に繋げていたのです。中学生のリアルな声、意見、データに基づいた提案が、議員によく伝わっていたのだということの表れだと思います。
それでは子ども議会を振り返りつつ、9月の議会でのやり取りについても報告としてまとめていきたいと思います。
▼子ども議会の準備会
子ども議会では子どもたちが学校ごとに考えをまとめ、質問としてプレゼンテーションをするということで進められました。どんな質問をいくつするのかは自由ということで、各学校の2、3名ずつのメンバーに議員が1、2名加わりながら、意見出しからまとめ上げるところまで取り組んでいきました。
まずは学校ごとのグループで話をしながら、少し時間が経ったところでグループを混ぜ合わせ、他の学校でどのような意見が出ているのかを情報交換する時間もありました。
夏休みの夕方に2時間というのを2日取り組んでもらうということで、お茶やお菓子も振る舞われ、皆でお菓子をつまみながら和気藹々とした雰囲気で話ができたことも、リアルな意見を言いやすい環境に繋がっていたと感じます。
▼子ども議会の本番
2回の準備会を経て、本番の日には議場で議席に座り、また保護者や先生方といった傍聴者が見守る中、各校順番に質問に立ちました。普段はないスクリーンを設置して、資料を映しながら壇上でのプレゼンテーションです。市議会でもまだこの形式にはなっていないので、私たちの先を行っています!
緊張する中ではありますが、とても堂々とした発表の数々で、そしてまぁ資料の見やすいこと。しっかりと作り込んだスライドでわかりやすい発表になっていたと思います。
質問として出された、主な提案内容です。
・荷物が重い、もっと軽くしたい!
・学校全体で左利き対応をもっと考えてほしい
・小学校の時に比べてタブレットを使わなくなった、もっと使って学びたい
・同じALTの先生だけでなく他校のALTの先生とも話したい
・他校の生徒ともっと交流したい、合同行事など行いたい
・長期休みなどに学校を開放してスタディカフェとして使いたい
・生徒会室や武道場など教室でないところにもエアコンがほしい
・学校の美化活動をもっとやりたい
このような内容が出てきました。それぞれに課題認識があり、荷物が重いというのは実際のリュックを持ってきて私たちに背負わせてくれるなど、体感型のプレゼンテーションをにもなっていました。納得感があります。
これらの意見に対しては、議会運営委員会のメンバーがそれぞれ担当として答弁を行いました。私たちは意見を受け止め議会としてまた市へ提案をする立場なので、今すぐ何かできますということを言える立場にはありませんが、それぞれの課題に対しての感想やこういうことも…という提案も出てきたりと広がりもあり、まずはちゃんと受け止めましたよということが伝わっていればいいなと思いました。
終了後の中学生から感想においては、この機会に対する感謝の言葉が多数ありましたが、中には夢物語で終わらせたくないのでお願いしますという声もあり、印象的でした。
▼その後の9月議会において
この子ども議会を経て迎えた9月議会、ものすごい数の議員が上記の内容を取り上げることになりました。会派と呼ばれる議員のグループの外では、誰がどんな質問をするかといった申し合わせなども特にないので、蓋を開けてみたらこんなに?と驚くほどでした。ほとんどの論点は取り上げられたのではないかと思います。
また、子ども議会は教育委員会の職員も多数見学してくださっていたこともあって、すでに校長会での議論の俎上に乗せたといった答弁もあり、できるところからスピーディーに取り組んでいこうとする姿勢も伝わってきました。夢物語という言葉とは離れた、現実としてきちんと扱われているのだということが、中学生の子どもたちにも伝わるといいなと思っています。
おそらくは大筋としてこの流れで、来年度以降も武蔵野市議会は子ども議会に取り組んでいくのではないかと思います。意見を提案にし、伝えることで物事は動いていくのだということを、この場でもしっかりと形にして私たちも伝えていきたいと思います。来年の参加者がさらに増えるよう、願っています!
なお、今後の市議会でも継続的に上記の課題が取り上げられる可能性は高く、また現在意見募集中の学校教育計画など、自分自身で意見を出すことのできる場は実はいろいろあります。たくさんのところで意見を伝えることに取り組み、実際に変える、変わった!というところまで、一緒になって取り組んでいけたらと思います。参加者の中学生の皆さま、今回は貴重な意見を聴かせていただき、ありがとうございました。