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臨時会が開催されました|武蔵野市議会レポート

2024年11月22日、武蔵野市議会では臨時会が開催されました。これは都議補選にともなって辞職したひがし前議員が副議長であったことから、その空席の人事を行うことを主な目的としてひらかれたものです。 下記の流れで多数の手続きを経て、最後にはこの間行われた選挙についての専決処分の議案も審議されました。 [当日の流れ]・本会議 副議長選挙→与座議員に・議会運営委員会 この後の流れの確認など(与座議員になったことにより総務委員長の交代などが発生)・総務委員会 委員長推薦→やぶはら議員に・全員協議会 都市計画審議会委員抽選→東山議員に決定・本会議 東京都十一市競輪事業組合議会議員及び東京都六市競艇事業組合議会議員指名→木崎議員に決定 議運・外環委員会の定数減 専決処分の承認(衆院選・国民審査・都議補選の補正予算) 淡々と手続きは進みましたが、選挙費用の場面ではやはり皆さんいろいろなご意見があり、急な選挙となったことに対する影響や、連続の選挙となったことでの費用の詳細など質疑がありました。 また、都議補選については投票率が大幅に下がったことを受けて、課題感の共有がはかられました。 [裏話]副議長選挙の際、たまたまですが開票立会人になったので、小林議員と2人前に出て開票作業を近くで見ていました。 すると欄外に書かれたものが1枚。この場ではこれが無効票扱いとされ、24人中23人が与座議員に投票、1人は無効票にということになったのです。 しかし休憩を挟み事務局が確認をしたところ、欄外にあっても他意がないと読み取れるようであれば有効とした判例が見つかり、結果としてこの1票も有効ということで修正がなされました。 なかなか珍しい状況になりましたが、またひとつ勉強になりました。 [今後の議会スケジュール]12月の定例会に向けて、準備が過密になっていく時期となります。来週には一般質問の締め切りがあるので、皆そこに向かって…というところ。 また11月23日には「市民と議会の意見交換会」も行われますので、ぜひ当日はお気軽にご参加ください。 13時半から武蔵野市役所にて、詳細はこちら。

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教育長の辞職について[後編]|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。前編から少し間が空いてしまいました。こどもも大人も体調を崩しやすい時期、皆さまもお気を付けください。 さて、前回の記事では、教育長の辞職について①任命から辞職までの経緯、②同時期に起きていたもうひとつの問題(議決を抜かしてしまった追認案件)について説明しました。 教育長の辞職について[前編]|武蔵野市議会レポート | 武蔵野市議会議員 本多夏帆 オフィシャルサイト (honda-natsuho.info) 今回の後編では、臨時会での質疑や私見について述べたいと思います。 臨時会での質疑 前編と少し重ねてになりますが、2024年5月9日、臨時会が開催されました。当初は、物品購入(教科書)が2,000万円以上となり議決が必要だったのにそれが漏れ、その支払いのために追認するという手続きのための臨時会開催でした。 が開催日の直前になってから、市長・担当副市長の減給についての議案が提出され、その2つについて主に取り上げる会となりました。 まず、物品購入についてはどのように取り扱うかが事前に議会で話し合われましたが、通常通り議案が出ていたとすれば文教委員会に付託されることになるため、同様に臨時会でも付託しようということで、文教委員会で議論されることに。 私も文教委員だったので、そこで質疑をすることになりました。 【文教委員会での質疑】 主な質疑は以下の通りです。 ▼なぜこのような事態が起こったか?・概算の段階で2,000万を超えていたが、従来通りの簡略化した手続きをとってしまった。・前回同じ事案で1,955万円とギリギリだが、アラートなし。 ▼チェック体制についてどうなっていたか?・指導課が担当だが、課長含め最初のチェック時点で気付かなかった。・そのまま順番に進み副市長決裁までとっていたが、その後の支払い段階での会計課が気づいて差し戻した。 ▼臨時会開催の意味は?・追認自体は法律で定めがないが、判例において瑕疵が治癒される(法的に問題のない状態になる)解釈になっている。・支払期限が5月15日であったため、臨時会開催をお願いしこの9日となった。 ▼今後の取り組みは?・物品購入で2,000万円以上は議決が必要という認識不足があるため、組織的に研修を実施する。・規則について変更し、マニュアルなど運用も合わせて全庁的に見直す。 このような質疑がなされ、ある程度の事実を確認。見直しを求めるのは当然として、もはやこの案件自体は追認せざるを得ないことから全員が賛成。 責任については次に出てくる減給の議案にて、本会議に戻って全体での議論へと進みました。 【本会議での質疑】 さてここからは本会議、委員会とは異なり全員での質疑体制となります。ある程度事前に会派で質問内容を相談してはきていますが、他の質疑を聞きながら突発的に質問するということも。 まず今回提案された減給については、議決を抜かした件と教育長の辞職についての2件が一緒になっているというのがひとつのポイントです。 一緒くたになったことによって、何がどのような責任の取り方となったのか、よくわからなくなってしまいました。宮代議員から、その配分はどうなっているのか聞きましたが、明確な答えは得られず。 また、金額や期間については特に決まりがないため、過去の武蔵野市の責任の取り方や他自治体の事例を参考にしたとのこと。 こうした根拠がよくわからないことについての質疑が多い中、教育長の辞職についてもここで議論されることに(文教委員会では物品購入のことしか話題には出せなかったため、本会議で話に上がることになりました)。 ▼なぜ処分について知りながら議会に共有しなかったのか ・新教育長について過去の所属組織である大学からこの3月にハラスメントを原因とする処分が出され、議会に事前説明をしたあとにそれを知り、議会日程までもう数日と間がなかった。しかしそれを言ってしまうと言い訳にしかならない。・処分について不服申し立て期間中であった。・処分について匿名で公開されていたため、公開してもよいものなのかと考えた。大学にも取材を申し込んだが、匿名の公開であることから一切答えられないと断られた。・いったん議案を取り下げようかとも思ったが、さまざまな調査をし総合的な判断でそのまま議会の日を迎えた。 ▼これからの人事案件はどうしていくのか ・議会とやり方について協議したい。・今回賞罰についてといった確認はしなかった、今後は確認する必要がある。 ▼次の教育長についてどうするのか ・なるべく空席の期間を短くしたい。・現在鋭意選定中である。 このようなことが質疑からわかりました。議事録は速報版が掲載されています(確定版が出ると議事録のページにて検索いただく必要があります)。 今回の件についての私見 会派ワクワクはたらくとしては、以下について特に問題認識を持っています。 人事案件は公にできない情報があるからこそ、慣例で議会に対し事前に調整がなされてきた。その信頼関係を損ねる行為。 一方、明確な基準がない責任の取り方に、今後の前例となることも鑑み疑問が残る。 教育長の件も議決を抜かした件も共通して、長らく指摘してきたリスクマネジメントについて、やはり対応がなされていないのではないか。 また、質疑でも取り上げましたが、 賞罰ありだから即NGということではなく、そうしたさまざまな情報が提供されたうえでそれでも選任したのだという説明が必要。 (特に議決が抜けた件について)小さなミスが大きなミスに繋がる、定期監査でもミスが減っていない。命に影響するようなことにもなりかねない。 (特に議決が抜けた件について)誰に謝罪しているのか、何を悪いと思っているのかわからない。 ということもあります。謝罪については、臨時会を招集することについて申し訳ないというような発言にも聞こえるところがありました。 私たちはそんなことを手間に思っているのではないと伝えましたが、「市民の税金を正しく使う」ということが求められているのだと、もっと強く自覚したうえで謝罪をと思いました(ここはやり取りの中で伝えきれなかったなと反省しているポイントでもあります)。 ▼ハラスメントの事実確認について なお、ハラスメントがあったかどうかについての質疑も白熱していましたが、市長は他組織のことであるためここで断定的に発言することは控えたいと話されました。私たちもこの考えに賛同しています。 本件について事実確認をすることは容易でなく、議会の場で憶測でものを言うのは避けるべきと考えました。とはいえ調査の中でさまざま情報は入っているにせよ、個人情報にあたる内容です。かなり細かな情報まで発言されている議員もいましたが、公開され、議事録としても残る、公の場でやることではないと思います。 今回問題であったのは議会の判断に必要であろう情報を共有しなかったこと、市長が議員時代に所属されていた会派(自由民主・市民クラブ)からも、「隠し事のない市政をというのが公約だったはずだ」と厳しい声が上がりました。 市長は組織のトップとして、判断の連続であることは間違いありません。議会は二元代表制の一翼として、市長の判断を助ける立場にもあると思います。 正しいとひとことで言っても、その正しさというのは非常にあいまいなものです。 だからこそ情報共有をし、熟議熟慮のうえで判断を積み重ねていく、これが先人の知恵であり、私たちそれぞれが今もなお全うすべきことです(えらそうに書きましたが、これを全うするのはそう簡単ではないと議会の場で常々感じています)。 6月13日からいよいよ議会定例会がスタートします。市長が代わってから、毎月のように大きな議論があり、休みなくさまざま調整を行っている気がします。 変化の激しい時代だからこそ、スピーディーな判断・変化が求められています。 今回は記事作成にとても時間がかかってしまいましたが、常にタイムリーな発信を心がけ、定例会に臨みます。ご注目ください。 毎日のタイムリーな情報はXで発信しています。ぜひフォローをお願いいたします!

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教育長の辞職について[前編]|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。機を逸した感はありますが、ようやく筆をとりました。本件につきご存じない方も多数いらっしゃると思いますので、情報をまとめたいと思います。 任命から辞職までの経緯 2024年3月に議会が任命に同意し、4月から着任していた教育長が辞職されました。 概要についてはいくつか記事が出ています。すでに見られなくなっているものもあったので、現時点で見られた下記をシェアします。 ・東京新聞はこちら・朝日新聞はこちら 記事にあるように、過去所属していた組織からハラスメントに関する処分を受けていたが、そのことを市は知りながら議会に説明することなく、教育長として任命する同意を得たということです。 このような「人事案件」において、例えば教育長や副市長といった重要な役について任命する際は、武蔵野市議会の慣例で市長が議会の各会派に説明に回り、その後議会で正式に同意をするという流れをとってきました。 今回も同様に、3月の議会に向けて事前に市長が各会派を回り、教育長の任命について説明、その後3月26日、定例会最終日に任命の同意の議案が提出され、その場で可決されたという経緯でした。 実際にはこの事前の説明のあとにハラスメントによる処分が発覚し、しかし議会まで間がないこと含めさまざまな理由から説明をしなかったというのが、後の質疑にてわかっています(詳しくは後編にて)。 そして任命がされたあと、4月から教育長が着任し、業務にあたる中で、市長にも議会にもさまざまなところから本件について問合せがあり、市長と議会とでの会議が持たれることに。 そこで事実関係の整理、なぜこのようなことになったのかという質疑が行われる中、さてどうなるかと思っていた矢先に教育長から辞職の申し入れあり。 辞職について公式に明るみになったのは、5月1日に開かれた教育委員会の臨時会が突如開催され、その結果がホームページに掲載されたことでした。 令和6年武蔵野市教育委員会開催予定及び結果|武蔵野市公式ホームページ (musashino.lg.jp) ここからSNSでも情報が拡散され、議員もそれぞれに発信が始まり、さまざまな主張もあって背景情報が取りにくくなっていたかと思います。私自身もこの時間軸の中で、不確定なことや個人情報も多いことから発信には慎重になっていました。 同時期に起きていたもうひとつの問題 そしてこの時、話をややこしくしていたのがもう1件別の教育委員会案件、教科書(指導書)購入の決裁で議決を取り忘れたという事案が同時に動いていたというのがあります。 前提として武蔵野市では、物品購入において2,000万円を超える場合に議決を必要とするというきまりがあります。 今回、4年に一度の教科書購入において過去2,000万円を超えたことがないという実績から簡易的な手続きフローを踏んでしまい、最後の会計課のチェックまでこのことが発覚しなかったという事件でした(支払い直前で気づけたのは良かったですが)。 すでに物品の納入もあり、あとは支払いのみということでこのことが発覚し、支払期限である5月15日の前に議決をということで、大急ぎで5月9日に臨時会がひらかれることになりました。 議決を飛ばした場合、後からそれを認めるということで、法律にはない「追認」という議決を行うことになります。裁判例を基にしたもので、調べてみると結構な自治体で行われているようでした… この手続きについてもバタバタと議会側で対応する中、教育長の話まで出てきてしまい、結局のところ追認のためにひらかれる臨時会にさらに追加で「市長・副市長の給与減額」の議案が提出されました。 これで教科書購入のことだけでなく、教育長の任命責任についてまで、この臨時会で議論することが決まりました。 長くなったのでここで区切りまして、後編の記事では臨時会での質疑や私見について書いていきます。

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2023年5月臨時会まとめ|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。新しい任期となった武蔵野市議会、5月は臨時会が開かれ、役職決めや補正予算の審議などが行われました。主な内容を紹介します。 ▼議会の役職決め 議長・副議長・監査委員・常任委員会などの正副委員長など 武蔵野市議会の場合は代表者会議を開き、会派(議員のグループ)ごとに意見を聞きながら話をまとめていくことが多いです。今回も希望を取りながら調整が行われ、以下の通り役職が決まりました。 議長:落合議員(市議会公明党) 副議長:東議員(自由民主・市民クラブ) 監査委員:深沢議員(立憲民主ネット) 議会運営委員会:委員長 川名議員(立)・副委員長 木崎議員(自) 総務委員会:委員長 藪原議員(立)・副委員長 橋本議員(日本共産党武蔵野市議団) 文教委員会:委員長 浜田議員(公)・副委員長 小林議員(自) 厚生委員会:委員長 宮代議員(ワクワクはたらく)・副委員長 蔵野議員(立) 建設委員会:委員長 道場議員(自)・副委員長 東山議員(日本維新の会武蔵野市議団) 議会広報委員会:委員長 西園寺議員(立)・副委員長 さこう議員(みらいのムサシノ) ▼専決処分の承認 法改正への対応や国からの支援金給付のための事務費などが処分され、議会にて承認されました。 ※専決処分=議決を経ずに行う処分のこと(予算執行や条例改正など、急ぎかつ軽微なものが多い) ▼補正予算の審議・議決 今回は国からの支援金2件が議案として提出され、可決されました。 ①低所得の子育て世帯生活支援特別給付金 ・2,000名ほどの児童数を見込んでいる(50,000円/名)・3月に児童扶養手当を支給されている場合や前回の特別支援金給付対象者は申請不要・公的年金受給等で児童扶養手当がない場合や、家計急変の場合は申請が必要、迷う場合は担当課へ相談・申請を 詳細は武蔵野市公式ホームページへ↓令和5年度低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親以外の子育て世帯分)のご案内|武蔵野市公式ホームページ (musashino.lg.jp) ②電力ガス食料品等価格高騰重点支援給付金 ・16,200世帯ほどを見込んでいる(30,000円/世帯)・住民税均等割非課税世帯は案内と確認書が郵送される・家計急変の場合、迷う場合は担当課へ相談・申請を まだ掲載されていませんが、今後こちらに掲載されると思われます↓生活福祉|武蔵野市公式ホームページ (musashino.lg.jp) ▼議会広報委員会も開催 次回の議会だよりについてや議会だよりのリニューアル検討について、新たなメンバーに向けての解説が主に行われました。 2年後の400号でのリニューアルに向けて、検討が進められていますが、4年に一度このようにメンバーが入れ替わる組織において、連続性のある議論をするのは毎回難しさを感じます。 ▼次回の議会 6月には定例会が開かれます。議員からの一般質問や市からの提出議案についてさまざま議論が行われます。各議員はこれからその準備に入ります。開会するとスケジュールが詰まってくるので、ご相談などありましたらぜひこのタイミングでご連絡ください。 本多夏帆公式LINE(トークで個別にご連絡ください)市議会|武蔵野市公式ホームページ (musashino.lg.jp)