2024年9月定例会まとめ|武蔵野市議会レポート
こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。2024年9月、まるまるひと月を要した市議会定例会が終了しました。この記事ではまとめとして、主な内容をピックアップしてお届けします。
▼もくじ
①議員からの一般質問
②市からの議案や市民からの陳情
③2023年度の決算
①議員からの一般質問
一般質問とは、議員が事前に通告した趣旨に沿って、市に質問するもの。それぞれの関心や市民からの相談などに基づいて構成されるため、幅広い分野にわたる質疑が展開されます。
ちなみにやってもやらなくてもよいものですが、今回は23人全員が登壇(議長・副議長・監査委員はできないことになっています)。他の自治体議会ではやらない人も多いようなので、武蔵野市議会は割とすごいというか、議論が充実しているような気がしています。
今回は8月に子ども議会を開催したことから、そこで中学生から提案された内容が多く反映されていたと思います。例えば荷物の軽量化やタブレット学習の向上、エアコン設置など。
また、市長公約についての議論が活発化していることから、子育て世代の移動支援や高齢者の社会参加についての議論も多くありました。
そして吉祥寺南病院の閉院にともなう地域医療体制や保健センターの改築について、武蔵野東学園友愛寮の今後など、地域で広がる不安からの質疑も出ていました。
・質問項目の一覧はこちら
・本多夏帆の一般質問についてはこちら
②市からの議案や市民からの陳情
まず市からの議案としては、大きなものとしてさまざまな事業が詰め込まれる補正予算があります。私の担当する文教委員会では、タブレットの故障対応が挙げられており、導入から数年が経ち機器の状態が悪くなっていることがわかりました。現在新たな機器の調達について議論が始まっていることから、運用がどうなっているか各校の情報をもう少し提供してもらうよう、お願いをしました。
また、市における大きな変化として、指定管理者についての議案がありました。武蔵野芸能劇場、かたらいの道市民スペース、武蔵野スイングホールの3館の管理を一括して民間企業に委託するというものです。これまでは市の外郭団体が管理を担ってきたことから、そこからのメリット・デメリットについて質疑がなされました。
初めてのことであるため、システム管理やそもそもの連携など、課題は多そうです。事業者のサイトを見る限り、かなりの数の施設管理運営を行っているようなので、そのノウハウを活かしていただきつつ、武蔵野市のこれまでのよき文化はうまく継承されていくような、市民のさらなる利便性に繋がる管理運営を求めていきたいと思います。
次に市民からの陳情です。
・ボランティアごみ袋収集個数に関する陳情
落ち葉の多い時期などに臨機応変な対応を求めるもので、採択となりました。
・「当面の間、現行の健康保険証とマイナ保険証の両立を求める意見書」を政府に送付することを求める陳情
委員会では可否同数で委員長採決となり採択すべきものとなりましたが、本会議において賛成少数で不採択となりました。我が会派ワクワクはたらくも、これまでマイナンバー活用推進の立場をとってきたことから反対しました。
・三井不動産(株)が進める「(仮称)東京都武蔵野市吉祥寺東町三丁目計画」に関する陳情
美大通り沿いでのマンション建設事案です。事業者の計画修正や、市のまちづくり条例の改正を求めるもので、これまでの土地/地域の経緯やまちづくり条例の趣旨など、深い議論が繰り広げられた一方、結論は出ず継続審査となりました。
・ごみ減量と資源化に努める市民を励ます環境政策を求める陳情
市長公約のペットボトル収集頻度見直しに対して慎重にというどちらかというと反対意見の内容です。武蔵野市は以前ペットボトル収集を毎週行なっていましたが現在は隔週で、その目的はペットボトルごみを減らしまた業務効率をということでした。
しかし結果として他のごみは減少傾向の中ペットボトルだけは増えており、また隔週にしたことで一度に収集する量が増え乗り切らないなどの課題も生じている実態があります。こちらもさまざま意見がされましたが結論には至らず、継続審査となりました。
・ごみ収集支援に関する陳情
外の収集場所までごみを出すことが難しい方に向けた、ふれあい訪問収集についての活用を求めるものです。質疑の中で、本陳情に書かれている内容はすでに行われていることがわかり、議会の意見はわかれて不採択となりました。
我が会派ワクワクはたらくもすでに行われているものということで反対しましたが、ほぼすべての会派の意見として合致していたのは、やっていることが伝わらないような広報ではダメで、制度活用について課題を認識してほしいということです。必要な方にサービスが届いていない可能性があります。
なお、継続審査となっていた歩行中及び自転車運転中の「ながらスマホ」規制に関する陳情は、「陳情の趣旨は了とし、今後交通環境の改善に向けて調査・研究に努められたい」という意見を付けての採択となりました。市と警察との連携強化など期待したいと思います。
・実際に提出された陳情文についてはこちら
③2023年度の決算
決算特別委員会において実質4日間にわたる審査が行われました。私自身は1期目からずっと会派内で決算を担当してきましたが、今回は宮代議員が担当となり、委員長職を務めるということで会派としては初めての経験を得ることとなりました。
委員長は基本的に質疑はしませんが、各委員の質疑をアシストしスムーズな議論が行えるように調整を図っていきます。1日中集中を切らさずに頭をフル回転で挑むことになるため、宮代議員に聞くとやはり体力勝負であったとのことですが、無事に審査を終えることができ、会派としてもホッとしています。
質疑の中で大きなテーマとなったのは、認可保育園におけるおさんぽでの置き去り事案です。2023年12月に起きた事案で、2022年にも同様の事案が発生しています。第一報は議長らにあったそうですが、議長からその後の報告を求めたにもかかわらず、なんら情報共有がないままこの決算を迎え、議会からの不適切保育のデータ開示要求にともなって事態が明るみになったことに対する課題も多く言及されました。
また、物品購入が2000万円を超える場合に要する議決をすっ飛ばした指導用教科書購入事案についても振り返りが行われ、こうしたヒューマンエラーをどのように解消していくのか、システム改修や研修実施だけでは改善に至るのは難しいのではないかとの議論もありました。システムについては「ベンダーロックイン」も大きな問題です。
その他多数の議論がありますが、会派からのまとめとして討論を行いましたので、そちらの原稿は次の記事をぜひご覧ください。
・会派としての決算討論原稿はこちら
すべての決算については可決されました。なお、日本維新の会武蔵野市議団は行革の成果が見られないとのことから水道・下水道事業会計以外の決算認定については反対されていました。
以上、2024年9月の市議会定例会まとめでした。10月は保健センター増改築についての全員協議会開催や、各委員会での視察などがあります。ブログやSNSなどで発信しますのでぜひご覧ください。
・中継録画はこちら