市長による施政方針演説2025まとめ|武蔵野市議会レポート
小美濃市長により、2025年度の施政方針演説が行われました。施政方針とは、予算編成方針の意味合いで、今回の予算案がどのような視点でつくられたか、想いを含めて規模や特色などを知ることができるものです。
冊子になるほどの内容ですので、こちらではポイントをまとめてみます。詳細を知りたい方はぜひ武蔵野市ホームページでのテキストや、実際に演説の様子がわかる市議会中継動画(数日内にアップされます)をご覧ください。
なお、この方針に対する質疑は2月26日に行われます。
基本姿勢
・子育て関連における書かない窓口、ご遺族に寄り添ったお悔やみ窓口などDXを進めてきたが、さらに利便性向上と業務効率化に努めたい。
・広聴としての市長への手紙や語ろう会、commonにおける市民目安箱の試験運用を本格化し検討を進める。
・武蔵野芸能劇場などで民間事業者による指定管理が始まることを含め、日本一市民のために働く市役所を目指し、連携協働や事務事業の見直しを進める。
基本政策
[防災]
・家具転倒防止金具購入補助を進めてきたが、さらにPRし設置を促進するとともに、災害時のトイレ対策を進める。
・防災訓練の実効性を高める。
[医療]
・団塊の世代の方が全員後期高齢者となる2025年、さらなる体制強化が望まれる。
・吉祥寺南病院の休診も相まって予断を許さない状況。市としても都などと連携強める。
[防犯]
・闇バイトや特殊詐欺被害が増加、連日不審者情報がある。
・注意喚起のみならず、防犯カメラやカメラ付きインターホン、防犯フィルムなどの防犯対策補助、危険箇所への防犯カメラ設置検討を行う。
[福祉]
・高齢者や生活困窮者、障害者などへの就労支援の強化。
・認知症予防(eスポーツ活用も)や、障害者の住まい確保などに取り組む。
[こども]
・私立幼稚園などの保護者補助増額。
・むさしのジャンボリーは熊対策をしての開催を目指す。
・学童保育の長期休業中弁当配食につき父母会に負担かけない方法の試行実施を行う。
[教育]
・学校改築における物価高騰などの影響を鑑み広く意見交換や検討を行う。中学の適正数も議論する。
・開かれた学校づくり協議会を全市立小中学校に拡充し、学校の魅力を高めていく。
[環境]
・吉祥寺東町2丁目に防火水槽を備え、緑を楽しめる空間を創出する。
・友好都市の岩手県遠野市と協定締結し木材提供を受け、誕生祝い品として木のおもちゃを贈呈する木育を推進する。
・善福寺川などにおける下流域自治体への負担軽減のため、雨水管理計画策定を進め、対策を講じる。
[まちづくり]
・吉祥寺南口駅前広場事業の着実な推進、イーストエリアにおける喫煙トレーラーハウス設置や路上禁煙地区追加指定など環境美化活動を進める。
・本町コミセン移転に合わせ、中高生世代の居場所づくりなど複合化を検討する。
・三鷹駅北口の補助幹線道路早期相互通行、桜通りの改修などに向け検討を深める。
[交通]
・30周年を迎えるムーバスにつき、EVムーバスを1台導入しゼロカーボンドライブを実現する。
・移動に不便を感じる高齢者や子育て世代に対して、必要な支援を行えるよう協議する。
[インフラ]
・こどもや高齢者の事故が後を絶たないため、生活道路の交通安全対策を試行実施する。
・下水道菅が原因である可能性が示唆される道路陥没事故が発生していることからも、市も適切な管理や予防保全に努め、AIを活用した道路自動点検システム導入など、路面の変化に機動的に対応できるよう取り組む。
[平和]
・戦後80年を迎えるに当たり、市内で本格的な空襲を受けた中島飛行機武蔵製作所の件も含め、次世代に繋いでいく必要がある。三鷹市と連携して戦争遺跡を紹介する特設サイト開設や、多摩26市での平和サミット開催を予定している。
予算の規模・特色
[予算編成方針]
「市民の命を守るまちづくり 次世代に平和な未来をつなぐ予算」と位置付け、持続可能な市政運営を目指し、限られた財源を真に必要性・緊急性が高い事業に配分することを基本とした。
[規模・特色]
・一般会計予算約880億円(前年度比8.0%増)
市税が52.7%で、個人市民税・法人市民税ともに増収見込み。
・国民健康保険事業会計約139億円(前年度比3.8%減)
・後期高齢者医療会計約46億円(前年度比3.0%増)
・介護保険事業会計約132億円(前年度比1.9%増)
・その他水道事業、下水道事業会計別途あり