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こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。

2025年9月の定例会に上程された補正予算において、災害用トイレトラック購入についてがあったのですが、総務委員会の委員として質疑し、納得のいく説明が得られなかったことから以下の討論を行いました。

読み原稿を掲載します。

第72号令和7年度武蔵野市一般会計補正予算(第3回)に賛成の立場ですが、この中での災害用トイレトラックの購入について会派ワクワクはたらくを代表し、意見を申し上げます。

今回の内容は大規模災害時に向けた公助の取り組みの一環とのことですが、検討のプロセスにおいて幾つかの課題があると感じています。

まず、導入の目的と効果の論理的な関係が不明瞭であることです。いつ起こるかわからない災害に備えと議案資料にも記載がありますが、この車体を1台購入することにより、災害時のトイレ施策がどのように良くなるのか、数値的な根拠もよくわかりません。

2600万円という高い買い物です。一部東京都の補助金やクラウドファンディングを行うからといって、安い買い物ではありません。補助金だってもとはと言えば市民が払ったものです。なんでもかんでも買えばいい時代ではありません。物価高騰が続き、税金の使い道について、市民の関心がこれまで以上に高まっていることについてもっと意識すべきです。

また、そもそもなぜこの大型車なのかについては一般社団法人たすけあいジャパンのスキームに参加するための指定であるという理由が説明となっており、そうであるならば大型車にすることによる効果とともにこのスキームに参加することによるメリットがきちんと説明されるべきですが、災害時に支援が来るかどうかもよくわからない枠組みで、武蔵野市がこのスキームに参加する意味が理解できませんでした。

大型車にこだわるあまり、メンテナンス料金も1回数十万と高く、イベントなどでの利用についても後ろ向きな説明がありました。これで啓発がかなうのでしょうか。大型1台で5つのトイレが入っているとのことですが、そうであれば小型のトイレトラックを5台買うほうが良いのではないかと思ってしまいます。そうした比較検討の議論の材料を示していただきたいです。

さらには、この団体の概要・現状もよくわからないもので、総務委員会で質疑もしましたが、他の自治体が参加しているから大丈夫という説明はなんの説得力もなく、むしろ不安になります。きちんと事業者の審査をしたのでしょうか。このような枠組みに参加するくらいなら、友好都市と災害時の協力体制を築くなど、効果的かつ独自性を鑑みた施策のほうがよっぽどいいと思います。

本来はそれぞれの自治体ごとに考えるべき災害対策なのに、全国で同じものを導入するという枠組み自体、なぜなのかという疑問が絶えません。都市部とそれ以外でも必要なものは異なるはずです。なぜ車体に指定をかけるのでしょうか。このこと自体が急いで発注をかけなければならないという動機にもなっており、あまりに検討が足りていないと思います。もっと広く情報収集を行い、武蔵野市に必要なトイレトラックを選定してほしいです。

今回は補正予算の中のひとつであるため議案への反対には至りませんが、今後購入議案が出てくる際には、今申し述べた疑問がきちんとクリアになるよう、内容をしっかり練り上げていただきたいと切に願います。みんながやっているから、どこの自治体にもあるからということは、購入の理由になりません。

武蔵野市としてどのようなトイレトラックが望ましいのか、どのような備えが必要なのか、再度検討をしていただき、納得のいく根拠を明示していただくようお願いし、討論といたします。

・議案資料はこちら