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活動報告

委員会視察へ行ってきました|活動レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 時間が経ってしまいましたが、10月の視察報告です。文教委員会で2泊3日、岐阜・大阪・兵庫と駆け巡ってまいりました。4自治体を回るのですが、とにかく間は移動し続けるので割とハードです。 今年もさまざま学びがありましたので、この記事にてシェアさせていただきます。 ◆昨年の総務委員会での視察レポはこちら総務委員会での視察に参加しました|武蔵野市議会レポート | 武蔵野市議会議員 本多夏帆 オフィシャルサイト (honda-natsuho.info) 岐阜市|岐阜市子ども・若者総合支援センター エールぎふ(子ども家庭総合支援拠点) 子ども・若者に関するあらゆる悩み、不安の相談に対応します。ワンストップで総合的に相談・支援します。発達段階に応じて継続的に支援します。 エールぎふ 岐阜市子ども・若者総合支援センター | 未来をつくる子ども・若者を応援します! (yell-gifu.jp) こちらはこども関連の相談拠点。総合相談から入り、5つの係が対応します(乳幼児相談支援係・家庭児童相談係・発達支援係・教育支援係・才能伸長自立支援係)。 岐阜県・岐阜県警・岐阜市・岐阜市教育委員会の連携も館内でなされており、例えば虐待の通報があった場合、それまで機関ごとにばらばらに動いていたのがここで即座に合同会議を実施する流れになっているとのこと。同じ執務室で働いていらっしゃいました。 幼児支援教室やペアレントトレーニング、保護者がざっくばらんに話すコミュニティ的な取り組みなど、多様なソフトメニューが展開されています。 武蔵野市でもこれから保健センターの増改築によりできる子育て支援施設において、このようなワンストップサービスの確立を目指しており、とても勉強になりました。 一方、こうしたひとつの拠点に機能を集めることにより市民にとっての利便性はどうなのかという、武蔵野市では私自身課題だと思っていることについても聞いてみましたが、やはり車文化ということでライフスタイルの違いがあり、その点については課題感はあまりなさそうという印象。 同じ場所でというのは働く組織側には大きなメリットがあるとは思っていますが、武蔵野市においてはサテライトやオンラインの活用など、工夫が必要であると考えています。 寝屋川市|監察課などによるいじめ防止対策 児童・生徒が「いじめ」と感じた時点で、監察課はすぐに動きます。あなたが知っている「いじめ」のことを教えてください。 いじめ相談窓口/寝屋川市 (city.neyagawa.osaka.jp) これまでの主であった教育的アプローチに加えて、監察課による行政的アプローチを並走させることで、ダブルチェックができることや、2つの選択肢を提示できること、役割分担ができることに繋がるというもの。 教育的アプローチのデメリットは人間関係の再構築に長期間を要すること、行政的アプローチのデメリットは人間関係の再構築が困難であること(被害者・加害者の概念を用いる)。 監察課により毎月いじめの通報チラシを配布、毎月内容も変えていて、早期発見や抑止力の効果があると考えているそうです。 被害者がまず何を望んでいるかを確認し、それを尊重。初期で止めることを重視していて、対応困難ケース、長期化ケースを監察課が担うことで教職員の負担軽減にも繋がっているとのこと。予防としては教育プログラムCAPを実施。 この手法は広瀬市長が所信表明の流れから始まった、トップダウンによるもの。現場との軋轢という点では、市長や副市長、執行部の上層部でかなり話をしたうえでスタートしているため、そこまで…という反応でした。 中学生に上がってくると声を出しにくくなる傾向を感じるとのことで、そこが課題であるとのお話もありました。 いじめ防止への取り組みはどこもさまざま悩みながらやっているところですが、こうして成果をあげている形を見せていただくことで新しい手法を学ぶことができました。 武蔵野市でもこどもの権利条例がスタートしましたが、こうした具体的なトラブル、事件となった際に具体的にどうこどもたちへアプローチすることができるのか、まだまだその実状の部分はこれからです。 高石市|小学校での読書推進への取り組み こちらは実際の小学校での授業を見せていただいたので写真はありません。 学力テストの結果がきっかけとなり、読解力や表現力の向上のために読書推進へ注力するように。 教科書で読むものの関連を「並行読書」したり、図書館から300冊もの本を一気に運んで「ひろば読み」なるイベントを学校で開催したり。コンクールの活用や本の総選挙、PTAからの古書の寄贈といった読書にまつわる多様な取り組みを展開されていました。 実際の授業では図書委員が作成したというクイズをオンラインツールを使って早押し大会に!ものすごい白熱っぷりに見ているこちらも楽しかったです。 武蔵野市ではこれから学校の改築の中で、図書室というこれまでのものが大きく変わり、共用スペースに本が多数配置されるなど環境が変化します。 読書というものがどのように行われ、どんなかたちでこどもたちの力やはたまた安らぎといったものにも繋がっていくか、ハードだけでなくソフト面での工夫がやはり大切だと考えさせられました。 川西市|校内サポートルーム 川西市では、学校内の空きスペースを活用し、自分のクラスに入りづらい児童生徒に対し、落ち着いた空間で、学習支援や生活支援を行う「校内サポートルーム」の取り組みを進めています。 校内サポートルームについて|川西市 (city.kawanishi.hyogo.jp) 校内フリースクールとして始まったこちらの取り組み、校外のフリースクールとの住み分けをするため校内サポートルームと改名したばかりだそうです。 全ての児童に使う権利があり、不登校児童のみが対象ではなく、体調不良で少し休むなどもできるとのこと。学校に行けない、学校に行くのはいいけどずっと教室にはいられない、学校は嫌だけど勉強はしたいといったさまざまなニーズ。 これまでさまざまな取り組みをしてきたが不登校は減らず、校内の学びの場を充実させることにしたのがきっかけだそう。 選択肢を増やすこと。オンライン授業・デジタルドリル・宿題なども用意、ただし来て勉強を強要することはない、トランプで遊んでいる子もいる。他の友達と一緒に登校してきて普通にじゃあね〜と分かれていく感じもある、休み時間に集まってサポートルームで遊んでいる子たちもいたりする。人間関係が勝手にできてきて皆でUNOしていることも。 給食は教室に配膳するか職員室に配膳するかなので、そこからもらってきてサポートルームで食べることが多い、自分で取りに行ったり友達が持ってきてくれたりとさまざま、その子に合わせての対応。 始業式や終業式などもオンラインで参加できるようになっている。 校内サポートルーム支援員を配置、子どもたちに寄り添う、話を聴く。→有償ボランティア(1500円/時・年間120万くらいになるので扶養の範囲内に)、人柄の良さを重視し教職資格は不要、結果的に優しい方が揃った、1日4時間にしたことで子育て中の方や学生、PTAなどさまざまな人材が集まったとのこと。 教職員の負担を増やさないことを重視したが、不登校は教室に戻すことが第一なのだという教職員の昔ながらの意識、自分のクラスに不登校はおらず体調不良だと言うなど、いろんなことを現場から言われる実態もある。 こんな大変興味深いお話を伺うことができました。有償ボランティアは割と労働寄りで際どいのではと思い質問しましたがやはりギリギリを攻めているようでした。この辺のリスクの取り方がまた難しいところ。弁護士さんに相談しながら設計しているようです。 現在は校外のフリースクールとの連携を強化するなど、取り組みを広げているとのことでした。 武蔵野市でも一部の学校でこうした校内の居場所づくりの取り組みがあることを聞いています。教室以外にも多様な居場所があること、学びの場を自分で選択できること、こうした取り組みは今後さらに必要とされていくと考えられます。 武蔵野市ではオンライン授業についてもコロナ禍当初から強い要望があるにもかかわらず、まだまだ後ろ向きな現場、といった印象もあります。今回他自治体でもお話を伺って、古い教育観のようなものが根付く存在していること、現場の先生方においてもそれぞれに難しさがあることを改めて感じました。 今回の視察を受け、市内の校内の居場所についても見学ができるよう、調整中です。 まとめ 長くなりましたが今年の委員会視察報告でした。現地まで足を運ぶことで、その空気感のようなものや、そのまちの暮らし・ライフスタイルといったことまで含めて実感できることは、武蔵野市ではどうするかといったその先の議論に繋げるためのひとつのポイントであると考えています。 オンライン視察などもすでに武蔵野市では実現しているので、どうしても現地で聞いて・見てこなくては!というものが今後も委員会視察として残り続けていくのではないかなと思います。 今回ははじめて文教委員会に所属しての視察となったため、一貫してこどもに関連する内容で学びも深まりました(昨年は総務だったので所掌範囲が広すぎてテーマがバラバラに…それはそれで広く学べますが)。 自主的な学びの場もさらに広げていけるよう努めたいと思います。また学びをシェアしてまいります。 最後に、視察を受け入れてくださった自治体の皆さま、ありがとうございました!

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安曇野市への視察報告|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。暑い日が続くと思うと、今度はゲリラ豪雨…気を付けなくてはならないことが多いですが、お互いに体調管理に注意していきたいですね。 さて、7月最後の土日は安曇野市へ視察に行ってきました。武蔵野市と長野県安曇野市(旧豊科町)は昭和58年頃からの交流があり、友好都市として交流や災害協定などを結びさまざまな活動を共にしてきています。 武蔵野市議会でも定期的な訪問を行ってきましたが、コロナ禍もあり今回は7年ぶりの視察となりました。私自身、前期は一度も行く機会なく、今回が初めての訪問です。 視察自体は任意参加で、今回17名の議員が参加しました。旅程は以下の通りです。 1日目武蔵野市役所→大王わさび農園→あづみ野祭り→歓迎会 2日目安曇野市議会研修(議会基本条例など)・議場見学→安曇野スイス村ハイジの里→ビレッジ安曇野→武蔵野市役所 市内のさまざまなスポットを見せていただきましたが、ここでは特に今回大きな学びを得られた研修の内容をまとめておきたいと思います。 議会基本条例研修からの学び 研修では、安曇野市議会の議会基本条例や関係例規について紹介があり、条例ができてからの議会改革を含む取り組みについてさまざま事例をお伝えいただきました。 議会基本条例というのは、議会や議員の活動原則などの基本的な事項を定めるもので、武蔵野市議会でも令和2年から施行されています。 それぞれの市議会でオリジナリティがあり、今回は安曇野市議会のこの条例が施行されてからすでに10年ということもあって、先進的な内容が多く刺激を受けています。以下、武蔵野市議会との違いを踏まえてのポイント紹介です。 「議会報告会」を開催している これは武蔵野市の周辺自治体でもあるところがありますが、安曇野市議会では議会報告会を年1回以上行うと定め、個人の見解を述べる場ではなく、議会の説明の場として定期的に開催をされているそうです。 コロナ禍でオンラインでの実施にも挑戦し、現在もリアルとオンラインを併用しているとのこと。 個々人の発信を追うのももちろん大切だと思いますが、こうした公式の場があると、議会の取り組みに興味を持っていただきやすいのではと考えています。 「文書質問」のしくみがある こちらは議員3名以上の連署で議長に提出し、市側に文書で質問ができるという制度。過去に一度使われたとのことで、どのような際だったのか質問してみたところ、職員の対応についてという内容。 一般質問にそぐわないから文書にしたのか聞くとそういうことではなく、議会のない時期にタイムリーに聞く必要がある内容であったためとのことでした。 私は文書質問と言うと、コロナ禍でもよく話題になりましたが登庁できない場合に使うようなイメージがあったので(あるいは産前産後といったときにも)そういう話なのかと思ったら全然違い、そうした使い方もできるものなのだなと気づきがありました。 「政策討論会議」と「市民の意見を聴く会」なるものがある まず政策討論会議は、武蔵野市議会でいう全員協議会に似たような会議として、テーマを定めて政策討論をする会議。これまでに例えば新総合体育館について、コロナ対策についてといった内容があったそうです。 そこでさらに、市民の意見を聴く会も開かれていて、上記の新総合体育館についてというのをテーマに実施されたことも。議会での会議と市民の意見を聴く場が両方とも行われているというのは、双方向、両輪のようなイメージがあり、印象としても非常にいいなと感じました。 これとはまた別に、安曇野市議会には「政策提言」というしくみもあって、常任委員会で取りまとめた提言を毎年市長へ公式に出しているとのこと。 これは全会一致で賛成があった内容のみで、そうした形で提言できるというのは市議会としての大きな影響力が出せるのではと思うばかりです。 議会報の「モニター制度」がある 議会だよりについて市民がモニターになり、意見を出し合う制度のこと。中学生から高齢の方まで、幅広い方が応募して参加しているそうです。 見やすくわかりやすい市議会だよりになるよう、活発な意見交換がされているとのことで、確かに充実した紙面だなと感じる内容でした。 ・安曇野市議会基本条例はこちら・武蔵野市議会基本条例はこちら 終わりに すべてのプログラムに安曇野市議会の正副議長が同行されるという歓待を受け、感謝の気持ちでいっぱいです。安曇野市の皆さま、本当にありがとうございました。 安曇野市の特産品などは武蔵野市内の麦わら帽子(中道通りにあるアンテナショップ)でも購入することができます。豊かな自然、特にとっても綺麗な水がベースとなっている野菜や乳製品など、美味しく魅力的です。ぜひチェックしてみてくださいね。 なお、今回私自身は0歳児連れで参加をさせていただきました。特に別途費用などもかからないというところから可能性があるのではと模索をしてみましたが、安曇野市議会の皆さまそして武蔵野市議会の皆さまのご理解あっての実現で、心からありがたく思っています。 すべての公務が子連れというのは難しいと考えていますが、皆さまのご厚意によりこうした機会を私にもいただけたこと、さまざまな状態にある人が議員活動を行うことができるというひとつの後押しにもなるのではないかと考えています。 今回の交流、そして研修などから得た学びを今後の議会活動に生かしていきたいと思います。ありがとうございました。

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総務委員会での視察に参加しました|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 武蔵野市議会では、毎年10月に常任委員会(総務・文教・厚生・建設)それぞれが他自治体を視察に行くという恒例イベントがあります。 この2年はコロナ禍で中止でしたが、今年は受け入れ先も無事に見つかり、視察に行けることになりました。当選して初めての視察以来、2度目の委員会視察に参加することができましたので、そのレポートです。 視察先はどうやって決まるの? 年度や委員会ごとにまちまちだとは思いますが、基本的にはまず委員会メンバーに希望のテーマなどが図られ、それに議会事務局がさまざま工夫しつつ視察先へ依頼、旅程を組んでいくことになります。 今年私が所属する総務委員会は他の委員会よりも所掌分野がかなり広いため、どのような内容になるかなぁと思いつつ、ほとんど事務局任せにはなってしまいましたが、何度も断られながらも事務局の皆さんが視察先との調整をしてくださいました。 旅程が決まり、事前に質問事項を送付して、いざ出発です。 今回の視察の中身 2泊3日の旅程の中で、4つの自治体を伺うことができました。 ①芦屋市:芦屋リジューム事業(主に女性活躍)について②西宮市:危機管理センター・防災事業について③堺市:さかいSDGsプラットフォームについて④尼崎市:あまラブ指数などを活用したシティプロモーションについて 宿泊は甲子園・大阪梅田でした。過去の例として2日目にまた新幹線移動などある広範囲な視察工程もあるので、今回はまとまったエリアでの視察で、無理のない旅程に感謝です。 それでは1つずつ内容と気づきを書いていきたいと思います。 ①芦屋市:芦屋リジューム事業(主に女性活躍)について まずは女性活躍をテーマとした芦屋市の芦屋リジューム事業について。リジュームは再生・リスタートの意味。 女性が活躍するまち芦屋を目指し、『ASHIYARESUME(アシヤリジューム)』事業を実施しています。『ASHIYARESUME』事業は、第1歩を踏み出したいと考えている女性を対象に、ライフスタイルの見直し、キャリアの棚卸、多様な働き方の提案などから、自分らしい生き方や働き方に向けた支援や就労や起業に向けたスキルアップのための支援などを行ないます。 芦屋市ホームページ さまざまなイベント、講座などを行っていて、まさに私の行っていることとも繋がりがあり、食い気味にお話を伺いました。 特徴的と感じたのは、女性活躍と男女共同参画は切り分け、また具体的な創業支援フェーズも切り分け、とにかく一番最初の一歩を踏み出すためのきっかけづくりにとことん焦点を当てた事業だという点。 働き方や生き方を知る、そのためのサロンやマルシェ、施設見学、ミーティングなどを開催されているとのことです。コロナ禍はもちろんオンライン活用にて。 女性向けというのが押し出されることに敏感な私としては、女性以外からの反応はどうかといったことや、男性育休などの施策との絡みなども伺いましたが、その辺りは他の市の事業で整えている印象。 上記の通りこの事業はあらゆる角度から女性のきっかけづくりに集中していて、その統一感のようなものが事業効果に表れていると感じました。 1社が継続して事業を行っているとのことだったので、この部分が固定化せずに多様な事業者が主体になり市と協働していくことが今後の課題ではないかとも思いました。 ◆芦屋市ホームページはこちら ②西宮市:危機管理センター・防災事業について 西宮市では、市役所の第二庁舎として2年前に建てられたばかりの危機管理センターを見学し、その他防災情報システムの中身なども見せていただきました。 阪神淡路大震災の経験を振り返り、あの時はやはり市庁舎が大破して使うことができず、災害時にもきちんと活用ができる拠点が求められていたとのこと。 市内に点在する公共施設の統合や移設などを総合的に勘案して、市役所の目の前、元は教育委員会の施設だったところに今回のセンターが出来上がったとのことです。 整備の目的○庁舎機能の集約化老朽化や耐震性に課題を抱え、かつ本庁舎周辺に点在している庁舎機能を集約するとともに、各部門の効率的な再配置を行うことで、日常の市役所の業務効率化と連携強化を図ります。 ○危機管理体制の強化近年、頻発している地震や台風・豪雨などの自然災害をはじめ、様々な危機事案に対応する、防災・危機管理の中枢拠点となります。これまでは、災害発生後に中心的な役割を果たす対策本部機能や消防本部機能が複数の庁舎に分散していましたが、同庁舎の整備により庁舎を集約することで連携して迅速な対応することができます。 西宮市ホームページ 屋上にはヘリポートがあり、救急対応なども行われるとのこと。免震構造や発電施設なども見せていただきました。 運用はまだまだこれからというところで、実際に稼働することがないのが一番ではありますが、大きな施設ということでメンテナンスなども大変そうです。 地理的に山も河川も海もあるということで、武蔵野市とはまた全然違う課題が多くあるのだなという印象。最近は県や自衛隊、警察などと合同で大規模な訓練などもされたそうで、報道に取り上げられた様子をビデオで拝聴しました。 また、ハードだけではなくシステムについても大変興味深く、防災情報システムから市ホームページ、SNS、防災ポータルサイトへと一気に広報ができること、避難所開設時は現地で職員がタブレットから発信ができるなど、システム活用もとても充実していました。 何よりUIが魅力的で、簡単な操作画面、仕組みになっていて、有事の際もスピーディーに対応できそうな印象。 課題としてはやはりアクセス集中がどれくらい影響するか実際把握するのが難しいことや、個人情報の関係で要配慮者リストなどは別システムになっており直接的にはまだ連携ができていないこと、災害時のメディア対応などに触れられていました。 過去の経験からの本気度が伝わってくる内容で、近年の災害についての変化などを踏まえた非常に先進的な取り組みと感じました。 ◆西宮市危機管理センターの整備についてはこちら◆西宮市防災ポータルはこちら ③堺市:さかいSDGs推進プラットフォームについて 堺市では、さかいSDGs推進プラットフォームについてたくさんの事例を紹介いただきました。 市長の強い想いで行われている事業とのことで、市長公室という市長直下の組織にて事業を行うことで、全庁的に取り組みが繋がっている様子が伝わってきました。  SDGs未来都市とは、SDGsの理念に沿った基本的・統合的取組を推進しようとする都市・地域の中から、特に、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い地域として、国から選定されるものです。  堺市は、平成30年(2018年)6月、SDGs未来都市に大阪府内の自治体で初めて選定されました。 堺市ホームページ 堺市では、企業・団体・地域の人たちと連携し、SDGs達成に向けた取組を推進するため、さかいSDGs推進プラットフォームを開設しました。 堺市ホームページ 実はホームページにはそれほどプラットフォームにおける事例が載っていなかったので、これからなのかなと思っていたのですが、1年半で数十件のプロジェクトがこのプラットフォームにおける出会いの中ですでに実現していることが分かり、市のサイトということで掲載量を絞っているとのことでした。 プラットフォームでは企業や団体、学校といったところが会員となり、市はマッチングを主に担っているようです。また、全庁的に課題や要望が出てきたときにそれを民間や学校などに繋ぐという、行政と民とのマッチングにも貢献しているよう。 行政の信頼性を活かした立ち位置で、実際の事業は会員同士で行うというのが主流になっており、市としては人件費くらいしかかかっていないそうです。これにはびっくり。 SDGsとは?という時代は終わり、いかに実践をしていくかというフェーズに早くから取り組んでいることで、この実績に繋がっているのだなと思いました。 行政課題というのはたいていの場合SDGsとも関連するので、非常に親和性が高く、そのうえで市民参加もしやすい流れができていることにこの事業の魅力が詰まっています。 ◆堺市ホームページはこちら ④尼崎市:あまラブ指数などを活用したシティプロモーションについて 最後は尼崎市のシティプロモーションです。 シティプロモーションの取り組みが3つの賞を受賞ということで、とても期待値高く伺いました。動画にもまとめられているのでぜひ。 「あまがさきを好きな人(=あまらぶな人)があふれるまち」を目指して 「そのまちを好きな人と出会うことが、そのまちを好きな人を増やすことにつながる。」そんな思いから、本指針は「あまらぶ大作戦」と名付けました。今後、本市の全部局で、本指針を踏まえ、個々の事業を展開していきます。まずは職員一人ひとりが、尼崎のプロモーター(尼崎のまちを知り、好きになり、良さを伝えていく人) となること。そして、尼崎に関わるすべての人や市内で活動する様々な団体とも連携していきながら、取組を進めていきます。 尼崎市ホームページ なぜこの事業を行うことになったかという点において、尼崎市は過去からネガティブイメージが強いエリアであるというのに驚きました。私はそういう事情をあまり知らなかったのですが、昔から工場地帯として公害が問題になったり、犯罪が多かったりして、関西圏における印象があまり良くなかったとのこと。 その頃のことを今も引きずっていて、テレビ番組などでも「いじり」の対象となっていたのだとか。そういう現実があることにまずびっくりしました。 そうした背景があり、尼崎市を好きな人を増やしたい、好循環を生み出していきたいという想いを持って、シティプロモーションに早くから取り組みだしたとのことです。 印象的だったのは、説明してくださる職員の方が巧みに数字を扱っていたこと。データに基づいて事業を行っていること、進める中での目標設定や振り返りにおいてきちんとデータを取り、それを活用していることが感じられました。 政策評価の手法は多岐に渡りますが、事業の成果を分析し、しっかりと振り返りを行って次に向かうことの意義を改めて感じたところです。 特にこの広報分野については武蔵野市でも現在大きな課題となっていることからも、尼崎市では各課に広報担当を置き、どのように広報をすれば事業効果を高められるかまで考えたうえで事業を進めているといったことは、姿勢としてとても大切なことだと思いました。 ◆尼崎市ホームページはこちら 視察のまとめ 以上、簡単ではありますが視察の内容レポートでした。総じて多岐に渡るテーマ、かつ今の武蔵野市にとっても関心度の高い内容が多く、調整していただいた事務局の皆さまに感謝です。 また改めて、臨月前とはいえもうかなりお腹も大きい中で、公務としての責任を果たせるようサポートしていただいた方々に心から感謝いたします。休むという選択肢もあるものの、やはりいち議員として、経験させてもらえることはしたい、学びを市政に活かしたいという想いで取り組んでいます。 当然危険が及んだり、周囲に迷惑をかけたりするような場合は自分の想いだけでなくぐっとこらえなくてはならないこともありますが、今回は健康状態やタイミングも鑑み参加を決断、無事に行って帰ることができ、本当にありがたく思っています。 行く先々でもあたたかいお言葉を頂戴し、ありがとうございました。コロナ禍での視察受け入れということで、さまざまご調整いただきました。もう少し落ち着いてきたらもっともっと外へ出ていきたいなぁと思わされる久々の視察となりました。 堺市役所の展望ロビーにて、ハニワ部長と(古墳のまち!)