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こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。

2022年4月から、武蔵野市パートナーシップ制度が始まりました。これは、

「性別等にかかわらず、お互いを人生のパートナーとして日常生活において、互いに協力し、及び扶助し合うことを約した2人が届け出るパートナーシップ届を受理し、受理したことを証する書面を交付します」

武蔵野市ホームページ(引用元リンク

というものです。この書面交付については、パートナーシップを届け出る当事者の方について関係するものと考えられますが、今回の条例改正にはもうひとつ大きな意味合いがあります。それは、

「全ての人が、互いの人権を尊重し、多様な性の在り方に関する理解を深めることで一人ひとりの命と人権が守られ、性別等にかかわりなく、それぞれの個性と能力を十分に発揮できる男女平等社会の実現」に向けて、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

武蔵野市ホームページ(引用元リンク

とあるように、市民や事業者についても役割が定められていることです。

先日、私自身も会員である武蔵野商工会議所からもこのパートナーシップ制度についてのガイドブックが会報とともに届きました。

実際にどのような書面が交付され、それを例えば不動産での契約や医療機関、その他の場面で活用することができるのか、事例が掲載されています。

市内の状況

去年陳情が出されたことで、市内の市立小中学校での男女混合名簿が年度初めから実現していることと思われますが(全校で行われたかどうかはこれから確認され議会に報告があると思います)こうした変化は最初は当然、大変さも伴うと思います。

「男女平等社会の実現」というものが、その1つだけで出来上がるとは到底思えませんし、世の中にはなんで?と思うことが多数。

私自身は経験として、子育てを応援する企業に与えられる「くるみんマーク」が女性社員のみの企業に与えられないことや、女性活躍というものが男性に比してという制度設計になっていることも、疑問を拭い去れないでいます。

また「男女平等を目指そう」というのが総意であるとも言えないかもしれません。考え方はさまざまある、それが多様性であるはずで。

それでも少しずつ、一人ひとりが暮らしやすい、生きやすい社会を目指していくために積み重ねていくことが大切で、時代とともに変化しながら、終わりなき前進をしていくのだと思います。

「互いの人権を尊重する」この一言にすべてが込められているとでも言いましょうか。子どもの権利についても議論が進められていますが、そもそもは「人権」というものが大前提であり、人が人を大事にできるにはどうすればいいのか、その根本を考えていきたいという想いでいます。

そのことからパートナーシップ制度の話へ戻ると、今回市民や事業者にも示された役割という部分については、「性」という側面だけではなく、さまざま暮らしにくさを感じている人に対してどのような対応をしていくことができるのかを考える必要があるのではないかと思っています。

これは今回の制度が議会で議論されていたときにもお話したことですが、手続きにおける利便性、可能性を高めるということが効果のひとつとされるならば、これは性についてだけでなく、例えば高齢者や障がい者であるために契約をさせてもらえないとか、今ひとつ成年後見制度への理解が進んでいないことなども関係してきて、そういった暮らしにくさを感じている人に対して、「公」がどう解決を目指していくのかということも議論される必要があるだろうということです。

今回は男女平等という視点での制度化であり、そのためにこの制度も男女平等についての条例を改正することで形となりました。しかしそもそも人権の尊重ということで言うならば、上記のように性という側面からだけでなく、さまざま抱えられている課題についてどう向き合っていくのかも今後議論を広げていきたいと思います。

パートナーシップ制度のガイドブックはこちらからご覧いただけます。