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こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。武蔵野市議会では9月22日の週、決算特別委員会がひらかれています。

今回の決算審議における質疑の大きなテーマは「何をして、何をしなかったのか」ということです。コロナ禍においては、事業の中止や延期といったことが目立ちましたが、今回審議する2024年度(令和6年度)はその影響からようやく脱したタイミングとも言えます。

市においてどのような基準、価値観を持って、予算の配分・優先順位づけを行っているかを問いたいということです。

計画が進められる中で予算から外れたものとして、ひとつ大きな事例があります。公立保育園2園の建て直しについて延期の方針が示されたことです。理由は以下の通りで、コロナ禍の影響ではありません。

その一番の大きな理由としましては、近年の物価高騰の影響及び建築業界の人材不足など社会経済情勢の変化により、仮設園舎の建築について、建築費用が高額となることから、市民の皆様への十分な理解を得ることができないため、また2番目に、建て替え時期を延期することにより、今後の人口の推移及び保育需要の動向を見据え、本園舎の建物規模、定員の見直し及び地域子育て支援拠点の整備について検討を行うことができるためとしております。

武蔵野市議会 文教委員会(2025年2月4日)議事録

これまでの武蔵野市は計画行政を重視し、着実に事業に取り組んできたと思います。今回の延期がそれを無視したものであるとは思っていませんが、計画策定後の大きな方針変更であり、これまでと違うなという印象を受けたものです。

事業が行われるにあたっては、たいていの場合計画が策定され、庁内で担当から予算の要求があり、財務や企画調整の部門で審議され、予算書に載り、議会で予算が承認、そして執行するという大きな流れに乗る必要があります。

この延期については計画の審議においては進んできているものの中で、実際に予算を付ける段階で変更になったものであり、なかなかに珍しい事案でした。

がしかし昨今のもので言えば、保健センターの増改築について議会側で見直しを要求したものもあり、こうした社会情勢の変化による変更自体は増えてきているようにも思います。

一方、年度の途中で突然組まれる補正予算で出てくる新たな事業というものもあります。

最近ではトイレトラックの購入事案について、あまりに検討が足りていないのではと指摘したこともあります。

庁内での予算要求のフローで丁寧に審議されてきたものと比較して、少々そのプロセスが曖昧なのではないかと感じていることもあり、こうした事業の優先順位付け、庁内での議論のフローが少しでも見える化できないかと質疑してみることにしました。

初日の総括質疑、監査委員を含めた質疑時間の中でも上記の大テーマに触れ、価値観の部分を含めた議論をさせていただけたと思います。これまでの時間をかける計画行政の手法も、変化を求められています。私たち議会でも、質疑、指摘をするタイミングを考えていかなくては、結局もう遅いということになりかねません。

どういうかたちで情報交換をしていけばいいか、プロセスを見せながら議論をすればいいか、職員の方々にとっても考える機会になっていれば幸いです。

その他、法人市民税や固定資産税の分析、内部統制制度、基金管理の運用体制整備などについて質問しました。

2日目となる9月24日から3日間は、各分野別の質疑が中心に行われます。事業をピックアップしながら、大きなテーマにも触れつつ質疑を展開できればと思います。

・決算特別委員会のスケジュールや資料はこちら(市HP)