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こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。武蔵野市議会では、9月の19日から26日まで、決算特別委員会がひらかれ、2024年度の決算について集中的に審議が行われました。

・詳細な資料などはこちら(市ホームページ)

私も委員として参加しましたので、簡単にどのような質問をしたか紹介します。4日間で分野ごとに順番に質問をしていくのですが、私の持ち時間は1日20分(答弁は含まれない)。どう聞くかで議論の深さが変わるので、計算しながら展開をしていきます。

まずは行財政的なところやこども関係です。

[決算全体のテーマ]
全体として、「何をして何をしなかったのか、優先順位付けや予算配分の考え方の変化について問う」として、コロナ禍からのシフトを大きなテーマに置きながら質疑を展開しました。

コロナ禍が落ち着いたと思ったところで大きな影響をもたらす物価高騰の流れ。武蔵野市でも実際に事業の延期や見直し、優先順位の変化にも繋がっています。

[歳入である税の分野について]
市の収入である税については、安定的で高い水準が保たれていますが、法人市民税が景気の回復とともに増加する一方で、中小企業にとってはそのような状況ではまったくないのではないかと指摘。

また、路線価の上昇(前年度比6.6%増)にともない固定資産税も2.9%増加しているものの、個人市民税とのバランスも考えていかないと長く住み続けることができず、流出に繋がってしまうのではないかという課題感を共有しました。

キャッシュレス導入により税の徴収事務は効率化されているとのこと。市が手数料を負担するという影響は出ているものの、そこまで大きな負担には至っていないとのことです。

・令和6年度決算等審査意見書はこちら

[教育費の規模感について]
また、中学校費が前年度比198.7%増というように、学校の建て替えが大きな影響を及ぼしている一方で、こうした改築事業が入ることによって教育事業そのものの金額の傾向が見えづらくなることや、やたらと教育費が高く見えてしまうことによる影響についても考えて表現をしていってほしいと依頼。

学校は教育活動としてだけでなく、地域の核であり防災にも役立てる施設であり、多目的なものですが、どうしても予決算ではすべて教育費に含まれてしまうために全体の中で相当大きな配分をしていると見えてしまいます。

子育て世代が少なくなりこどもが減っている中でもはやこどもはマイノリティであり、教育にこんなにお金がかかるのはおかしいと言われることもある。そういった懸念や、庁内での予算の配分においても、そのような見え方で課題が出てくるようなことはあってはならないという思いから質問をしました。

[こどもたちへのアプローチ強化]
関連してこども関係ではまず「子どもの権利擁護センター」ができ、こども自身、保護者からの相談に対応できている旨がわかりました。学校との連携もできているようで、教育委員会側としても学校との調整役になってくれている、またこどもたちの意見表明に繋がる取り組みなどにも繋がってきているといった成果が報告されました。事業の初年度のため、今後ますますよい事例が出てくるものと思われます。

学校では外国にルーツのあるお子さんも増え、日本語指導の相談も増加傾向。拡充や実施場所の検討なども提案しました。また、家庭と子どもの支援員の常駐型が増員となり、学校の中での居場所というのが増え、しっかりと運営されているようです。

学校に行きたくても行けない、例えば起立性調節障害のようなお子さんもいることから、学校ごとの居場所だけでなく市全体でひとつのオンラインでの居場所をつくるなど考えてみてもいいのではとお伝えしました。メタバースの試行事業なども行われているため、今後の発展を望みます。

[学校施設や教育活動の支援]
物価高騰などの波は学校にも当然に押し寄せており、また中学生議会でもたびたび空調や給水機などの要望が出ていることから、学校がそれぞれの課題解決に使える学校裁量予算の拡充をお願いしました。やはり物価高騰の影響は受けているとのことで、この学校裁量予算だけでなくさまざまなところで工夫をする必要がありそうです。

施設整備についても建て替えの議論に待ったがかかった状態で、老朽化していく部分をどうするかという課題が残ります。待っている間にこどもたちはどんどん卒業してしまいます。施設の中で校庭についてもそのままにせず、きちんと点検をして補修をと思います。

また、武蔵野市の魅力的な教育が伝わるよう、学校ポータルサイトのリニューアルやSNSの活用についても要望しました。「選ばれる学校」となるには、やはり発信も大切です。非常に充実した発信が行われているのに、見てもらえるツールを使わないのはもったいないので、改善を望みます。

[産後の支援強化]
産後ケア事業については、予約の取りにくい状況について重ねて質疑。今すぐ助けてほしいという状況に対しても、助産師会の協力などを得ながら対応している状況がわかりました。予約状況の見える化などを通じて見通しを立てられるようにし、さらに利用しやすい状態へ繋げていってほしいと要望しています。

[世代間ギャップへのアプローチ]
男女平等施策において、データに基づいた施策の展開をお願いするとともに、性別というよりも親子といった世代間での価値観の違い、社会背景の違いについて理解できるような取り組みを増やしたほうが、効果が出るのではないかと提案しました。白書などを読むと「親から逃げたい」といった理由で地方から東京へ移住するという事例もよく見られます。相互理解という意味においては世代に着目するのもひとつではないかと思います。

・男女共同参画白書はこちら
・東京都の女性活躍施策データ集はこちら

[保育現場への支援]
保育所に出ている補助金の中で、性被害防止や安全対策のものについても触れました。度重なる痛ましい事故や事件によって、こうした補助金が国から出てきているものと思われます。パーテーションや簡易更衣室、熱中症対策のテントなどにも活用されており、こうした取り組みによってこどもたちがきちんと守られるようにと切に願います。

また、保育現場での事故情報についても、この前の年度まで2年連続で起きていたおさんぽ中の置き去りについては0件となっていて、良かったです。あってはならないことですので、改善をし続けてほしいと思います。

[子育て世代の所得制限撤廃]
先日の一般質問でも取り上げた子育て世代の所得制限撤廃については、放課後等デイサービスを例に挙げて具体的に質疑を展開しました。年間5万円程度のところから一気に44万円超になってしまう。国の制度とはいえ、こうした状況に目を向けて市独自の支援を考えてほしいと訴えました。

児童手当の所得制限があったコロナ禍当時、所得制限に引っかかっているのは武蔵野市の子育て世代のうち約4割という答弁が当時の議論でありました。そこから考えれば労務単価の上昇もあり、さらに割合として増えていることも考えられます。昨今の日本の状況からして働き控えが起きるような所得制限のしくみは撤廃、見直しをすべきです。武蔵野市からも声をあげていってほしいと思います。

[こどもの交通事故防止のために]
こどもの交通事故が増えている傾向にありましたが、この年度は少し落ち着きを見せたとのこと。とはいえ市全体の事故は増えており、特に自転車がかかわるものが多くなっているとのことです。

小さい頃からの交通ルール徹底が大切だということでしたので、武蔵野市にはない交通公園の整備や、1歳児になる前にヘルメットを配布しこどものヘルメット着用率100%を目指してほしいといったことを要望しました。

まずは行財政のところからこども関係を紹介しました。長くなってきたので、市の広報や産業振興、防災などは次の記事に続きます。