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「支え合いのまちづくりを持続可能にするために」質問原稿|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 2024年第4回定例会でも、一般質問を行いました。まずはその読み原稿を掲載します。今回はいつもより1000字ほど少ない5000字程度でしたが、ゆっくり読んだのでちょうどいい時間配分になりました。 以下原稿です。 2024年が終わろうとしています。皆さんはどんな1年だったでしょうか。武蔵野市政にとっては、とにかく選挙選挙の1年であったなぁと振り返っています。選挙があると、政策議論が活発化し、進むものは一気に進む、一方で進まないもの、やらなくなってしまうものもあります。 ただそうした各論的な部分での変化はあるにしても、武蔵野市の計画行政における軸足、長い時間をかけて築いてきた総論的な文化においては、どっしりとしたものがあり、脈々と繋がっている、それが豊かさに繋がっているのだろうという実感を私自身も持てるようになってきました。 もちろんそれに甘えていてはいけないわけで、今回はそんな危機感を持ちながらのテーマとなっています。 1. 持続可能な「支え合いのまちづくり」実現のための人材の考え方について 11月30日、武蔵境のスイングホールをいっぱいに使ってひらかれたケアリンピック武蔵野2024に伺いました。大変多くの方で賑わっていて、途中からはホールに入るのも難しいくらいでした。来年はもっと広いところでやることになるのではないかなど勝手に拡大の想像をしています。 このケアリンピック武蔵野は、介護や看護に従事する方々の取り組みを知って功績を讃えたり、そのノウハウを皆で共有したりするイベントですが、その大きな目的は「まちぐるみの支え合いの仕組みづくり」とされています。 まちぐるみの支え合いという言葉は、武蔵野市のさまざまな計画、取り組みにおいて出てくるキーワードです。市のホームページでも検索するとたくさんのページがヒットしますし、Google検索でも調べてみると、武蔵野市の情報ばかりが並んでいます。 そもそもこのまちぐるみの支え合いというのは、地域包括ケアシステムを意味していると以前に説明を受けました。地域包括ケアシステムというのを身近で親しみやすくした表現であると伺っています。 地域包括ケアシステムについて厚労省の資料を調べますと、団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきますとあります。 また続いて、地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要ですと書かれています。 2025年、もう来月からです。ケアリンピック武蔵野が始まったのが2015年かと思います、早10年です。武蔵野市の地域包括ケアシステム構築は間に合ったのか、どうなのでしょうか。 と思うとともに、私自身はこの武蔵野市の言うまちぐるみの支え合いというのは、地域包括ケアシステムよりもさらに広いイメージとして構築されてきたのではないかと感じています。 重度な要介護状態になっても住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的にというそれだけのイメージではないと思うのですが、皆さんはどう感じるでしょうか。 こどもも大人も関係なく、多様な状態にあるそれぞれの人、市民に対して、きめ細やかなアプローチを目指す。これが地域の自主性、主体性に基づいた、地域の特性に応じた構築となったということなのかもしれませんが、どうでしょうか。 一方、そうした素晴らしい理想を掲げる中でも、課題は常に変化し、山積しています。特に今年、大きなテーマとなったのは人材についてではないでしょうか。少子高齢化の波が、武蔵野市にも押し寄せているということです。 まちぐるみの支え合いを持続可能なものにするためには、人が必要です。人対人、これが一番大変で、それでいて代替することができないと私は確信しています。早期に手を打っていかないといけないと思いましたので、前回の一般質問と似ているところもありますが続けて扱うことにしました。それでは具体的な質問です。 (1) 武蔵野市職員における欠員状況について子ども家庭支援センターの相談件数が減少していることについて、先の文教委員会で質問したところ、欠員が生じており、相談体制が整っていない状態がわかりました。同様に欠員が生じている状況が武蔵野市職員の人員配置において、どの程度起きているのか、人数や、長期か短期かといった期間等含めて具体的に伺います。 こうしたマンパワーで行っている業務がとても多いのが行政分野の仕事と思います。全てを機械に替えることはできません。ニーズが多様化、複雑化している中で、人材の確保は喫緊の課題です。すでに近くで奪い合いが起きていることも、今年議会でよく話題になりました。 そうしたことを受けて、(2) 採用の方向性について採用力の強化、待遇改善に向けても、正規職員としての採用が求められる流れがあると感じますが、市としてどのような方向性を考えていますか。また具体的に動きのある職種について等詳細を伺います。 (3) 担い手不足への新たな一手について地域の力を発揮するためには、シルバー人材センターのみならず、全世代参加型の新たな仕組みの構築が必要と考えます。特に若い世代が公共サービスの担い手、補完する力となれるよう、行政版「すきまアルバイト紹介」のような取り組みを検討してはどうでしょうか。今後の可能性を伺います。 シルバー人材センターにとどまらない施策については、この間の二次調整計画の議論の中でも、何度か提案をさせていただいたと思います。少し調べますと、民間のアルバイト紹介事業をやっているところが、岐阜県下呂市と協定を結び展開しているというのもあったのですが、こちらはどちらかというというと行政の仕事というよりは、農業などの産業振興分野などにおける人材不足を解消することが主な目的であり、移住や定住についての取り組みとも連動しているようでしたので、武蔵野市の状況とは少々異なるなと感じました。 どちらかといえばやはりシルバー人材センターの若者版であったり、武蔵野プロボノプロジェクトの有償版であったり、市民社協で取り組まれているボランティアコーディネートの有償版であったりといったようなイメージで、今の取り組みをさらに拡大、整理をしていけば良いと考えています。こうした取り組みを根付かせていくことが、武蔵野市の風土「まちぐるみの支え合い」という理想像にも合っていると思います。ご見解を伺います。 2. ICT 活用や広報力向上の取り組みについて 毎度取り上げているテーマですが、実は先日、議会広報委員会としても広報戦略アドバイザーに面談いただく機会があり、大変有意義な時間を過ごさせていただきましたことを御礼申し上げたいと思います。 市議会で発行しております議会だよりについて、これまで長きにわたりリニューアルの検討が進められてきましたが、最終局面の段階で広報戦略アドバイザーが就任されたこともあって、最後の仕上げのところでお話を伺うことができました。庁内の皆さんもこんなふうにアドバイスをいただいているのだなと身をもって知ることができ、それも合わせてとても良かったなと思っています。そうした実体験も踏まえての質問です。 (1) 新たな取り組みの成果について質問/今年度は市民の声を聴くためのアプリケーション・システムの導入が相次ぎました。現段階での成果や検証状況を伺います。 長期計画や教育計画の策定プロセスにおいて、AIファシリテーターを活用したオンラインディスカッションサービスが、また吉祥寺のまちづくりを考えるプロジェクトの一環として地域共助デジタルプラットフォームアプリが試行的に導入されました。また、少し毛色は違いますが、武蔵野プロボノプロジェクト(むさぼの)においてはオンラインプラットフォームシステムが利用され、業務の見える化、繋がりを生む取り組みになったと思います。これらの成果はどうだったでしょうか。 もちろん年度途中ですので、まだ分析はこれからというのもわかりますが、例えば今回子どもプラン武蔵野の中間まとめ意見募集や、自転車等総合計画改定に役立てるための自転車利用に関するアンケートにおいても、このようなツールは使用されていません。せっかく試行的導入をしたのに、なぜなのかと気になっています。この辺りも含めて、どういうお考えなのか教えていただきたいと思います。 (2) ホームページリニューアルの成果について 質問/前回のリニューアル時に見直されなかった階層の課題について、広報戦略アドバイザーに意見を聞いているかを伺います。また、今後の対応についても伺います。 こちらはこれまでにも何度も質疑してきたことですが、広報戦略アドバイザーが就任されましたので、推し進めていただきたく再度質問しました。ほしい情報に辿り着くまでに、何回クリックしなければならないのかということです。情報の探しやすさについて、ずっと課題を抱えているホームページだと思います。 また、階層の課題と言いつつも、もっと簡単に解消できることもあります。最近の例で言えば、パブリックコメントのページから情報を見ようと入りますと、子どもプランの中間まとめの意見募集をやっているんだなとクリックするものの、そこにはパブリックコメントの情報しかありません。市民意見交換会の情報は、関連リンクからさらに飛んでいかないと知ることができないのです。 パブリックコメントのページには意見交換会という文字自体ないので、関連情報リンクを押すという行動を取っていただかないと見つかりません。そもそもセットの取り組みとすれば一緒に掲載してもいいかもしれませんし、あるいは関連情報リンクの上に市民意見交換会の情報はこちらといった文字を付け足すだけで済む話です。これは階層を見直すまでの話でもなく、動線を考えたページづくりをすればいいので、すぐにできることだと思います。 利用者目線でのサイト構築は市民の利便性向上というだけでなく、広報公聴のためにも重要な取り組みです。広報戦略アドバイザーの就任を機に、早急に見直していただきたいと思いますがいかがでしょうか。 (3) 意見募集の工夫について質問/パブリックコメントや市民意見交換会などのスケジュールについて、業務効率の側面もあるとは思いますが、効果的な広報の実施等を鑑みれば、期間の設定が短いと感じます。設定の基準はあるのか、考え方や課題、方向性を伺います。 こちらもこれまで取り上げてきたテーマですが、大きく見直しをしていく必要があると感じ、質問します。イベントなどのPRにおいても、さまざまな手法がありますが、告知の期間については、最初が45日前、それから30日前、20、15、10…というように徐々に間を詰めてお知らせをしていくというのがポイントと言われることがあります。 どこまでやるかはもちろんコストパフォーマンスだとは思いますが、このやり方が示しているのはやはりお知らせが必要な方に届くまでには、1ヶ月ほどの時間が必要であるということだと思います。 パブリックコメントについてはだいたい1ヶ月ほどあるものもありますが、特に気になっているのは市民意見交換会です。どうしても議会日程に引っ張られるところがあると感じており、議会でお知らせをして、この週末に意見交換会が開かれますといったような直近のスケジュール感で設定されているものも多々あるのではないでしょうか。 業務の都合で致し方ないというのも理解はしているのですが、やはり必要な方に情報を届けるという視点でいくと、抜本的に大きくやり方を変えないといけないのではないかと思っています。いかがでしょうか。 3. 投票率向上の取り組みについて この1年、武蔵野市では選挙が続きました。市民の方も、そして選挙管理委員会など選挙に携わった方々も大変お疲れさまでした。選挙は価値観のぶつかり合いであり、非常に大きなエネルギーを感じるもので、近くにいるとちょっと疲れるなと思うところもあるのですが、それでもこの議論の中で、このまちが、暮らしがより良くなる可能性を実感することができ、市民の中でも問題意識の共有がなされる機会にもなるものと前向きに捉えています。 少し間が空いてまた来年も初夏に選挙が予定されていますので、このタイミングで一定の振り返りを行いたく以下質問します。 (1) 今回の都議補選の投票率について、世代別の結果を含めて市の分析を伺います。(2) 来年の都議選等各種選挙に向けての、新たな取り組みの方向性を伺います。(3) 投票所での撮影風景が SNS で問題になっています。市の見解や対策を伺います。これは投票用紙を撮影してSNSにアップしたりしているもののことです。投票所内での撮影は禁止ですという張り紙があることは認識しているのですが、それでもこのような状況にあることを懸念しての質問といたしました。 以上、よろしくお願いいたします。

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「支え合いのまちづくりを持続可能にするために」一般質問します|お知らせ

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 2024年12月の議会(第4回定例会)が4日から始まります。最初の3日間は一般質問といって、議員がそれぞれの関心事や市民からの相談などをもとに、自由に質問を組み立てて市長などと議論します。 私の今回のテーマは「支え合いのまちづくりを持続可能にするために」などについて。 以下は質問の通告といって、事前に市へ送付したものです。当日はこれをもとに演説のような形で登壇し、質疑を展開します。 持続可能な「支え合いのまちづくり」実現のための人材の考え方について  (1)武蔵野市職員における欠員状況について 子ども家庭支援センターの相談件数が減少していることについて、先の文教委員会で質問したところ、欠員が生じており、相談体制が整っていない状態がわかった。同様に欠員が生じている状況が武蔵野市職員の人員配置において、どの程度起きているのか、人数や、長期か短期かといった期間等含めて具体的に伺う。  (2)採用の方向性について 採用力の強化、待遇改善に向けても、正規職員としての採用が求められる流れがあると感じるが、市としてどのような方向性を考えているか。また具体的に動きのある職種について等詳細を伺う。  (3)担い手不足への新たな一手について 地域の力を発揮するためには、シルバー人材センターのみならず、全世代参加型の新たな仕組みの構築が必要と考える。特に若い世代が公共サービスの担い手、補完する力となれるよう、行政版「すきまアルバイト紹介」のような取り組みを検討してはどうか。今後の可能性を伺う。  ICT活用や広報力向上の取り組みについて  (1)新たな取り組みの成果について 今年度は市民の声を聴くためのアプリケーション・システムの導入が相次いだ。現段階での成果や検証状況を伺う。  (2)ホームページリニューアルの成果について 前回のリニューアル時に見直されなかった階層の課題について、広報アドバイザーに意見を聞いているかを伺う。また、今後の対応についても伺う。  (3)意見募集の工夫について パブリックコメントや市民意見交換会などのスケジュールについて、業務効率の側面もあるとは思うが、効果的な広報の実施等を鑑みれば、期間の設定が短いと感じる。設定の基準はあるのか、考え方や課題、方向性を伺う。  投票率向上の取り組みについて  (1)今回の都議補選の投票率について、世代別の結果を含めて市の分析を伺う。  (2)来年の都議選等各種選挙に向けての、新たな取り組みの方向性を伺う。  (3)投票所での撮影風景がSNSで問題になっている。市の見解や対策を伺う。  以上が質問となります。私は15番目の登壇のため、5日夕方以降か6日午前中の予定です。ぜひ中継などご覧ください。 ▼武蔵野市議会「第4回定例会を開催します」https://www.city.musashino.lg.jp/shigikai/kaigi/1001139.html ▼一般質問の登壇順とテーマhttps://www.city.musashino.lg.jp/shigikai/shitsumon/ippan/1046471.html

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決算の認定に対する討論|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。2023年度の決算について、会派として行った討論の原稿を以下に記載します。本会議にて読み上げました。 ワクワクはたらくを代表し、令和5年度すべての決算に賛成の討論を行います。内容を絞ってお話します。 まず、委員会の終わりに、市議会に対する市からの情報共有について課題が示されたことは、重要なことであると考えています。情報共有についてはこの数年、ひたすらに言われ続けてきたことです。 今回発端となったのは認可保育園におけるお散歩中のこどもの置き去り事案でしたが、この問題については去年の決算特別委員会でも同様に指摘をし、また今年の第1回定例会においても本件をはじめとする不適切保育についての対応をお願いしています。 議会の役割のひとつは、市に対する政策提案です。提案は何に基づいて行われるのでしょうか。さまざまあるでしょうが、その中の大きな割合を占めるのは、市の状態、実態であることに違いないと思います。実態把握もできずに、的確な提案ができるでしょうか。 何も情報共有というのは、すべてが公開の場で行われるわけではないことは、市が一番わかっているはずです。公開も非公開も、それぞれに機会を捉えてこれまでも共有が行われています。私たち議会が情報の取り扱いに細心の注意を払わなければならないことは当然として、市が、よりよい状態を目指すにあたり、適時適切な情報共有を議会、市民に行うことを強く求めます。 次に、根本的な問題解決に向けた議論、行動を取っていくために、いくつかの事例を取り上げます。ひとつは会計年度任用職員の処遇改善について、本定例会すべてのフェーズを使っての質疑が繰り広げられたと感じていますが、採用、人材育成における大きな転換期に入ったことがわかります。 失われた何十年、少子化のようにそのまま様子見をしていたら、取り返しのつかないことになるでしょう。戦略的な取り組みが必要です。 また、ベンダーロックインについて、これも大きな転換期。国のガバメントクラウド開発事業についても暗礁に乗り上げていることが報道からも感じられるように、課題は山積み、一方で加速するDXをとめないためにも、発注段階からどう工夫するのか、市の価値観を含めて議論する必要があると考えます。 そして教育費における議論が如実でしたが、エアコン設置については予算がないとされ、学習者用コンピュータの故障対応については補正予算を組むという相反する方針。この必要性の議論はどう捉えればいいのでしょうか。言うならばエアコンは命に関わることではないのか? 誰がどのようにこの優先順位付けを行っているのか、青天井ではないにしろ、予算配分の議論は議会の役割の大きなひとつであることを鑑みれば、提案のプロセスにおける透明性の確保は課題であると考えます。特に教育分野は執行部と各学校での決定までのプロセスが非常に見えにくく、どこが主導権を握っているのか、混乱の種であるとともにだからこそ実現に至りにくい印象を強く持っています。その関係性含めて議論と変化が必要ではないでしょうか。 これらのように、今回の決算特別委員会においても、本質的な部分に至る議論が多く出ていたように思います。毎年の監査報告にあるように、ヒューマンエラーが減らないどころか、今年は議決を飛ばし追認するという武蔵野市史上初めての事案も発生しました。 これらは、システムでアラートを出せばなくなるのでしょうか。しくみですべて解決できればいいですが、おそらくそんなことはないでしょうし、新たな問題が発生するであろうことは容易に想像がつきます。システム頼りでいくというのであればそれこそ思考停止、今回解決策として出されているのが経験不足のため研修をするということどまりなのも、大きな心配に繋がっています。 ここにいる何人の方が、議決を飛ばすプロセスにかかわったのか、はんこを押したのか、それは経験不足なのか、本当にそうなのでしょうか。プロセス自体が形骸化しているのではないか。長らく築かれてきた風土、文化を変えることは、簡単ではありません。それでも市民の生命・財産を守るために変化の時と捉え、市の未来のため、本質的な見直しをお願いしたいと思います。 最後に、今回は会派として初めて決算特別委員会委員長という役割を宮代議員が担わせていただきました。議会の一員として、大きな経験と学びを会派として得られたこと、今後の議会活動に活かしていきたいと思います。委員会運営へのご協力に感謝申し上げます。 以上、賛成討論とします。ありがとうございました。

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2024年9月定例会まとめ|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。2024年9月、まるまるひと月を要した市議会定例会が終了しました。この記事ではまとめとして、主な内容をピックアップしてお届けします。 ▼もくじ①議員からの一般質問②市からの議案や市民からの陳情③2023年度の決算 ①議員からの一般質問一般質問とは、議員が事前に通告した趣旨に沿って、市に質問するもの。それぞれの関心や市民からの相談などに基づいて構成されるため、幅広い分野にわたる質疑が展開されます。 ちなみにやってもやらなくてもよいものですが、今回は23人全員が登壇(議長・副議長・監査委員はできないことになっています)。他の自治体議会ではやらない人も多いようなので、武蔵野市議会は割とすごいというか、議論が充実しているような気がしています。 今回は8月に子ども議会を開催したことから、そこで中学生から提案された内容が多く反映されていたと思います。例えば荷物の軽量化やタブレット学習の向上、エアコン設置など。 また、市長公約についての議論が活発化していることから、子育て世代の移動支援や高齢者の社会参加についての議論も多くありました。 そして吉祥寺南病院の閉院にともなう地域医療体制や保健センターの改築について、武蔵野東学園友愛寮の今後など、地域で広がる不安からの質疑も出ていました。 ・質問項目の一覧はこちら・本多夏帆の一般質問についてはこちら ②市からの議案や市民からの陳情まず市からの議案としては、大きなものとしてさまざまな事業が詰め込まれる補正予算があります。私の担当する文教委員会では、タブレットの故障対応が挙げられており、導入から数年が経ち機器の状態が悪くなっていることがわかりました。現在新たな機器の調達について議論が始まっていることから、運用がどうなっているか各校の情報をもう少し提供してもらうよう、お願いをしました。 また、市における大きな変化として、指定管理者についての議案がありました。武蔵野芸能劇場、かたらいの道市民スペース、武蔵野スイングホールの3館の管理を一括して民間企業に委託するというものです。これまでは市の外郭団体が管理を担ってきたことから、そこからのメリット・デメリットについて質疑がなされました。初めてのことであるため、システム管理やそもそもの連携など、課題は多そうです。事業者のサイトを見る限り、かなりの数の施設管理運営を行っているようなので、そのノウハウを活かしていただきつつ、武蔵野市のこれまでのよき文化はうまく継承されていくような、市民のさらなる利便性に繋がる管理運営を求めていきたいと思います。 次に市民からの陳情です。 ・ボランティアごみ袋収集個数に関する陳情落ち葉の多い時期などに臨機応変な対応を求めるもので、採択となりました。 ・「当面の間、現行の健康保険証とマイナ保険証の両立を求める意見書」を政府に送付することを求める陳情委員会では可否同数で委員長採決となり採択すべきものとなりましたが、本会議において賛成少数で不採択となりました。我が会派ワクワクはたらくも、これまでマイナンバー活用推進の立場をとってきたことから反対しました。 ・三井不動産(株)が進める「(仮称)東京都武蔵野市吉祥寺東町三丁目計画」に関する陳情美大通り沿いでのマンション建設事案です。事業者の計画修正や、市のまちづくり条例の改正を求めるもので、これまでの土地/地域の経緯やまちづくり条例の趣旨など、深い議論が繰り広げられた一方、結論は出ず継続審査となりました。 ・ごみ減量と資源化に努める市民を励ます環境政策を求める陳情市長公約のペットボトル収集頻度見直しに対して慎重にというどちらかというと反対意見の内容です。武蔵野市は以前ペットボトル収集を毎週行なっていましたが現在は隔週で、その目的はペットボトルごみを減らしまた業務効率をということでした。しかし結果として他のごみは減少傾向の中ペットボトルだけは増えており、また隔週にしたことで一度に収集する量が増え乗り切らないなどの課題も生じている実態があります。こちらもさまざま意見がされましたが結論には至らず、継続審査となりました。 ・ごみ収集支援に関する陳情外の収集場所までごみを出すことが難しい方に向けた、ふれあい訪問収集についての活用を求めるものです。質疑の中で、本陳情に書かれている内容はすでに行われていることがわかり、議会の意見はわかれて不採択となりました。我が会派ワクワクはたらくもすでに行われているものということで反対しましたが、ほぼすべての会派の意見として合致していたのは、やっていることが伝わらないような広報ではダメで、制度活用について課題を認識してほしいということです。必要な方にサービスが届いていない可能性があります。 なお、継続審査となっていた歩行中及び自転車運転中の「ながらスマホ」規制に関する陳情は、「陳情の趣旨は了とし、今後交通環境の改善に向けて調査・研究に努められたい」という意見を付けての採択となりました。市と警察との連携強化など期待したいと思います。 ・実際に提出された陳情文についてはこちら ③2023年度の決算決算特別委員会において実質4日間にわたる審査が行われました。私自身は1期目からずっと会派内で決算を担当してきましたが、今回は宮代議員が担当となり、委員長職を務めるということで会派としては初めての経験を得ることとなりました。委員長は基本的に質疑はしませんが、各委員の質疑をアシストしスムーズな議論が行えるように調整を図っていきます。1日中集中を切らさずに頭をフル回転で挑むことになるため、宮代議員に聞くとやはり体力勝負であったとのことですが、無事に審査を終えることができ、会派としてもホッとしています。 質疑の中で大きなテーマとなったのは、認可保育園におけるおさんぽでの置き去り事案です。2023年12月に起きた事案で、2022年にも同様の事案が発生しています。第一報は議長らにあったそうですが、議長からその後の報告を求めたにもかかわらず、なんら情報共有がないままこの決算を迎え、議会からの不適切保育のデータ開示要求にともなって事態が明るみになったことに対する課題も多く言及されました。 また、物品購入が2000万円を超える場合に要する議決をすっ飛ばした指導用教科書購入事案についても振り返りが行われ、こうしたヒューマンエラーをどのように解消していくのか、システム改修や研修実施だけでは改善に至るのは難しいのではないかとの議論もありました。システムについては「ベンダーロックイン」も大きな問題です。 その他多数の議論がありますが、会派からのまとめとして討論を行いましたので、そちらの原稿は次の記事をぜひご覧ください。 ・会派としての決算討論原稿はこちら すべての決算については可決されました。なお、日本維新の会武蔵野市議団は行革の成果が見られないとのことから水道・下水道事業会計以外の決算認定については反対されていました。 以上、2024年9月の市議会定例会まとめでした。10月は保健センター増改築についての全員協議会開催や、各委員会での視察などがあります。ブログやSNSなどで発信しますのでぜひご覧ください。 ・中継録画はこちら

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こども関連コメントまとめ(一般質問)|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。3日間にわたる、議員からの一般質問が終わりました。 一般質問は議員それぞれの興味関心が濃く出るものなので、他の議員の話を聞いているのも非常に興味深いのですが、中でもこども子育て関連の市のコメントだけをピックアップしてみたのでぜひざっとチェックしたい方はご覧ください。 ▼母子手帳の電子化について・デジタル庁のほうで各自治体が利用する子育てアプリとマイナポータルとの連携含めて検討されていることは把握している・むさしのすくすくナビはアプリでなくWEBサイトであるため、現状どこまで連携できるかはまだわからない※三鷹市では母子手帳アプリを導入している ▼弱視や吃音について・3歳児健診など早期発見、早期治療に取り組んでいる・ことばの欄にまるがついている場合に具体的な聞き取りを行なっている、吃音という具体的なワードを入れられるかどうかについては前向きに検討する ▼通学時の荷物重量について・子ども議会でも出たので校長会でも話をしている・置き勉はかなりやっているはず・ロッカーサイズや冷水機は建て替えのところからで考えている・タブレットをこれから更新で調達するのでその際も軽量は考えたい ▼学童の弁当配食について・現在試行中のため、ある程度取りまとめてから議会に報告する予定・今夏は全体で合わせて5社の事業者利用があった・経済的な支援が必要な家庭に対し、弁当配食における支援の必要性については別途検討していく ▼むさしのジャンボリーが熊出没で中止となったことについて・中止の判断が遅くなったという認識は持っている・来年度の開催に向けて入念な準備を進める ▼不登校特例校について・統廃合の検討もこれからのため、施設整備など現時点では課題が多いと考えている・不登校の子どもの数は市内で300名を超えている状況・フリースクールの状況についてはすべては把握していない、インターネットで調査はしているが市としての把握は今後していきたいと考えている

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一般質問原稿(2024年9月)|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。今回の定例会でも一般質問を行いました。 (一般質問:議員それぞれが自分の関心あるテーマなどを質問としてまとめて事前に通告し、本会議にて質疑を行うもの) ひとつ前の記事では質問項目について掲載しましたが、当日の読み原稿をそのまま掲載します。読みながら多少の修正を加えていることをご了承ください。 ▼以下読み原稿です ワクワクはたらくの本多夏帆です。ようやく暑さも和らいできたかというところで、今月は市内各所で秋のお祭りも多数開催されますね。この時期になってくるともう年末、年度末を意識し始めるのは私だけではないと思います。この3ヶ月ごとの定例会というのを考えても、たった3ヶ月でもとにかくいろいろなことが起きるなと。ものすごい早さで社会が動いているように感じます。 今回はそうした社会の変化、価値観の変化についてもっと議論したい、議論が必要だという想いで構成をしてきました。他の議員からもかなり近いお話が今回多数出ていると感じていますので、ぜひ一緒に考えていただければ幸いです。 1 地域の担い手不足という課題に対する取組の方向性について 今回の背景は、お金を稼ぐことは悪いことなのか?正当な対価とはなんなのか?という問いです。 先日市民からあったお話です。コミセンを借りようと思ったが、人によって営利だからだめ、非営利だから良いと毎回違うことを案内されもう疲れてしまったとのことでした。市民のさまざまな活動においても、営利の側面、非営利の側面が織り混ざったものは多数あると思います。誰がどう判断しているのでしょうか。 そもそも、営利と非営利という言葉を調べると、利益を追求するかしないかということになります。営利団体なら利益の分配があり、非営利団体では分配がない。 取り組みとしていくら社会的に良いと言われることをやっていたとしても、公共にかかわったとき、営利団体だからだめですと言われることがある。何がだめなんでしょうか。私自身もいろいろ言われてよくわからなくなっているひとりです。 営利と非営利という考え方にはグラデーションがあり、団体の取り組みにおいても営利と非営利が共存しているケースもあるわけで、なぜこうも営利だから、非営利だからとバッサリ区分けをする世の中なのかわからないと常に思っています。しかも先程のコミセンの運用においては、判断基準も個人によってバラバラということになります。本来的にはやっている内容、活動の方で区分けをしないといけないのではないかという問題提起です。 そしてまた営利だからだめと言うことではなくて、例えばこれはコミセンに限った話ではありませんが、公共施設において利用料を分けるといったやり方で営利と非営利を共存させることが可能な場合もあるかと思います。 私が議員になって初めての一般質問で、エコreゾートに災害時のことを考えてWi-Fiをつけてテレワークできるようにしたら職住近接も促進されて地域防災にもコミュニティにも良いのではないかと言ったことがありますが、その時もテレワークは営利目的だからだめと言われたことを覚えています。なんでだめなのか、いまだにわかりません。じゃあその人がNPO法人に勤めていたらテレワークしていてもいいということなのでしょうかと、よくわからないことを考えてしまいます。 フラッと立ち寄れる公共施設を増やそうと言っているさなか、市民がそこでテレワークをするのはだめなのでしょうか。民業圧迫とのラインはあるとは思いますが、そこは工夫、バランスを取るにしても、公共施設の利用の考え方として社会の変化、ライフスタイルの変化に追いついていないと思います。 そして以前の一般質問で、福祉とはなんなのかということについても取り上げたことがあります。福も祉もどちらもしあわせの意味で、その幅はとても広いよねという話でした。福祉サービスを行う営利事業者は多数いるわけですが、それについては公共性の高いものとしていわゆる非営利のようになんとなく扱っているところがありませんか。 エッセンシャルワーカーという言葉も、コロナ禍でよく聞かれるようになりました。日常生活を送るうえでなくてはならない仕事に従事する人という意味ですが、日常生活を送るうえでなくてはならない仕事というのはいったいどこからどこまでなのでしょうか。 コロナ禍でのさまざまな事業者向け支援金制度においても、職業に貴賎なしということがキーワードになるほど、この辺りの整理の難しさ、私たちの中にある感情の部分、なんとなく否定したり、ネガティブな目で見たりすることがあるというのが、浮き彫りになったと感じています。 このように私が政治に携わるようになってから、この場でたくさんの価値観に触れてきました。なんでも区切ろうとする考え方があります。制度設計上必要だという側面があることもわかりますが、そこからこぼれる人たちが必ず出てきます。その基準に納得感があるか。なぜそこに線を引くのかわからない、市民を含めて認識の共有はされているのか、根拠はどこにあるのか、こうした疑問が出てきます。 そしてこれは、時代の変化とともに本当は変わっていかなくてはならないのに、制度設計をした当初からずっと変わらないということも多いです。過去の経緯を守ろうという方が強くなってしまい、今の価値観に合わない制度を無理やり続けてしまうということです。 武蔵野市のことに話を戻すと、今回、市長公約にあった「就労を含む高齢者の社会参加の支援」が議論されています。これについては先日、第六期調整計画・第二次調整計画策定のプロセスの中で、なぜ高齢者だけなのかということについて問題提起をさせていただきました。高齢者の社会参加を議論するのはもちろん構わないのですが、なぜそこだけ就労を含めてなのかということです。 少なくとも、第六期長期計画・調整計画の中でも、担い手不足についての記述は十数回にわたっています。市民参加が求められているのは高齢者だけでなく、子どもから大人まである意味で全世代においてです。どの世代もまちにとっては当事者なわけですから、市民参加は全世代ということは当然のことです。 また、所得を増やすという点においては、いま働く世代の所得をどうやって増やしていくのかということも、これは国政において大きな課題として議論されていると思います。 所得制限という制度設計における考え方が、変わってきているのもひとつです。この4月から武蔵野市でも子どもの補装具費支給制度において所得制限が撤廃されました。10月からは国全体で児童手当制度での所得制限が撤廃されます。子どもを権利の主体として捉えるということに加えて、所得を増やしていこうという考え方が国全体に広まってきた変化だと思います。 所得制限によってお金を稼ぐことを控えるという、よくわからない施策になっていたわけです。経済成長を阻害するような設定だったとも思えてしまいます。こうした所得を増やすというのは国策として推し進める必要があり、全世代において施策を強化していく必要があるものと考えます。 市にシルバー人材センターを置かなくてはならないのは、法律で定められているとのことでした。昭和61年、1986年に施工された、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律によるものです。これ自体はこれまでの時代の経過の中で、国策として行われてきたものと思います。それを無くそうと言うつもりもありません。 が、武蔵野市としてもっと先を行くことはできないのでしょうか?全世代の市民参加を目指すにあたって、どのようなものに対しては対価のお支払いをするのか、そしてその対価とはいったいどれくらいのものなのか、何をお支払いするのか、きちんと議論したことはないのではないかと思っています。そうした議論の場を作りませんか? 今回別の議員からも、コミセンの窓口業務の報酬について、金額が低すぎるのではないかという意見があったと思います。妥当な金額を検討するという答弁がありました。テンミリオンハウスの運営費については物価高騰にともなう補助金を継続してという答弁がありました。物価高騰はどこも受けている話です。なぜこの金額なのか、というどの分野においてもその根拠はどこにあるのでしょうか。 一方で例えばこのコミセンの窓口業務については報酬が出ているわけですが、今回出てきた武蔵野プロボノプロジェクト(むさぼの)においては、特別なスキルを提供してもらうのにもかかわらず対価はお支払いしないのでしょうか。 プロボノというのは確かに、各分野の専門のスキルを持つ人がその知識やスキルを無償提供して社会貢献するもののことで、海外では弁護士が無料相談を受けるというのがプロボノの主流だそうです。ちなみにプロボノのプロというのはプロかアマチュアかを指す時のプロという意味ではなく、ラテン語の「公共性のために」という意味なので、そこは捉え方を間違えないようにしていただきたいのですが、武蔵野市としてそういった専門分野のスキル提供に対し、対価は支払わないという姿勢でやっていくということなのでしょうか。また、対価を支払わないことによるリスクは考えているでしょうか。 今回、プロボノで募集されているのがコミセンのサイトリニューアルへの助言をというものになっていて、窓口業務については改善をという話が出ているのに、その中でサイトリニューアルの専門的アドバイスについては無償でということになっているのが、頭の中でどうしても繋がりません。 この正当な対価というものの考え方について、私はこの国全体での、国民性と言いますか、非常に難しい価値観の部分であるとも感じています。これくらいもらって当たり前だ、いやいやボランティア精神でやるべきだ、好き好んでやっているのだからいいじゃないか、いやいややらされているのが実態、とまぁ意見や感想もバラバラなことでしょう。 しかしこの対価の支払いというのも、市政において言えば当然原資は税金なわけですから、無償か有償か、支払うものには支払う姿勢だがそれはどんなものなのか、どれくらいなのか、例えばお金やポイントなど何を対価にするのか、きちんと整理して考えていかないと、活動の維持、そして質の担保を行なっていくことはどんどん難しくなると思います。 他の自治体では、有償ボランティアの枠組みの中でも、最低賃金より高い金額を設定し、一方で扶養の範囲におさまる総量を年間で設定して、こどもたちの居場所を運営するスタッフをしっかりと集めているという話を聞きました。担い手不足は武蔵野市だけの問題ではありません。戦略的に取り組んでいかなくては、せっかく育まれてきた武蔵野市のさまざまな活動のノウハウも、引き継いでいけなくなってしまうのではないでしょうか。 淘汰されるものは淘汰されていく、これは民間で言う、営利事業における常です。しかし税金が投入されているものについてはどうでしょうか。自然と淘汰されるという民間の原理ではないところにあるわけですが、だからこそそこにはきちんとした根拠が必要だと思います。私自身もなんでも支払いが必要と考えているわけではありません。価値観によるところが大きいからこそ、議論が必要ということです。以下まとめて4点質問します。 (1)第六期長期計画・調整計画において十数回に渡って「担い手」についての記載がある。これに対する市長の見解を伺います。(2)第六期長期計画・調整計画における「就労を含めた高齢者の社会参加の支援」について、市長としてどのような課題意識を持っているか伺います。(3)武蔵野プロボノプロジェクト(むさぼの)について、取り組みを行うこととなった経緯、目指す成果や今後の方向性を伺います。(4)ボランティア、有償ボランティア、プロボノ、雇用、委託等、市と人材とは多様なかかわり方がある。これについて庁内でどのような整理をしているか、基準や考え方、今後の方向性を伺います。 2 子ども議会で出た意見や要望を取り入れることについて 8月に武蔵野市議会初となる、子ども議会が開催されました。今回多くの議員がその内容を取り上げていると思います。ハッとさせられる意見や、やっぱり現場でもそうなのかといった気づきも多く、リアルな提案に心動かされた人も多かったのではないでしょうか。他の議員とも重なりますが、私の視点も加えながら質問したいと思います。 まず、通学時の荷物についてです。これは過去にも質疑をさせていただいたことがあり、その際にも文科省の事務連絡をもとに各校へ指導を行なっているという説明がありました。今回私自身の息子も市立小学校へ入学し、日々の現実も目の当たりにしております。そこで、(1)市立小中学校における新学期の登校日や普段の通学時の荷物重量の実態と改善状況を伺います。 他の議員からも同様の意見が出ていたと思いますが、基本的にはこの実態を把握するということがやはり重要かと思っております。実際にどれくらいのものを持ち歩いているのか、指標がないのでとりあえずこれくらいというようなことになっているのではないでしょうか。精神的なストレスもそうですし、健康を損なわないようにすることが一番です。 次にタブレットです。利用頻度や活用方法についてさまざま意見が出される中、現在意見募集が行われている第四期学校教育計画中間まとめにも、その証拠となるアンケート結果が掲載されています。小学生はたくさん使っているのに、中学生になるとその数値がガクンと落ちるというものですね。 すなわちそれにより、中学生としてはなぜ今まで使っていたのに使って学べないのか、将来のスキルに向けての不安といったことが出てくる。データの裏付けのもとに現場の子どもの意見がリアルに伝わる機会となりました。これを受けまして、(2)市立小中学校でタブレット利用の頻度や質に違いがあることについての実態と課題、スピード感を持った改善の取り組みについて伺います。 また、息子が今年入学したと言いましたが、1学期のタブレット配布はなく、夏休み前にマニュアルのみが配布され、2学期以降のどこかでタブレットが配布されるようだという状況がわかっています。これについては1学期から配布してほしかったという思いは実際全くなく、これまでどうしていたのかわかりませんが、1年生という慣れない新生活の中で、さらに慣れないタブレットというものまで導入する必要はおそらくないだろうなという実感があります。 現在、次のタブレット調達に向けて議論がなされていると思いますが、必要台数や学年ごとに必要な仕様の検討にあたっても、ぜひ参考にしていただきたいと思う次第です。なお、3年生からが持ち帰りとなっていたかと思いますが、2年生でも持ち帰りになっているという話を聞いております。 これは先ほどの荷物の重さについての懸念として市民からの声がありましたが、この辺りも当初のルールから各校でさまざま運用が変わってきているのか、こちらとしては実態把握ができていない状況です。どういう状況になっているのか、きちんとした情報のもとに今後の議論がなされることを望みます。 次にALTや学校を超えた交流についてです。ALTの方による学習は語学力の向上だけでなく、世界の文化を知るとてもいい機会になっていることが、今回の中学生の提案の中でよく感じることができました。市内にいるALTの先生皆と会って話してみたらどんな感じなんだろうと、ワクワクするのも想像できます。また、学校を超えた交流についても要望が多数あり、学区を超えた繋がりがもたらすものを考えてみると、これもいろいろな可能性がありそうだなぁとイメージが膨らみます。 昨今の情報社会というのもあるのかもしれませんが、住んでいる、目の前の世界だけでなく、距離や時間、言語を超えてたくさんの繋がりが生み出されること自体が当たり前の世代になっているのだと思います。捉えている世界が私たちに比べてもっともっと広いのだと思います。そこで、(3)ALTの固定化を解消するための取り組みや他校で授業を受けるといった斬新なアイデアが提案されました。オンライン活用を含めたスピーディーな取り組みを求めるが見解を伺います。 さまざま子どもたちの要望から私の視点を取り混ぜながら、提案へ繋げさせていただきました。施策を具体化していくためには、どこか形として盛り込める先はないかと考えましたが、ちょうど今意見募集を行っていることを踏まえて4点目の質問です。(4)上記のような、子ども議会で出た具体的な意見や要望について、現在策定中の第四期武蔵野市学校教育計画の議論に取り入れてほしいと考えるが見解を伺います。 では最後に、3 広報やDX等過去取り上げたテーマや市民からの相談事項についてです。 (1)広報戦略アドバイザーが決定された。戦略的な広報の実現に向け、現在取り組んでいることを伺います。今回別の議員からも質疑がありました。私自身以前に広報専門の方をぜひと提案したので、今回のことはとても嬉しく思っています。まだ始まったばかりなので、状況の確認レベルにはなりますが、質問いたしました。 (2)今夏は特に地震について話題となることが多かったです。台風でもこの辺りは今回そこまで酷くなかったかもしれませんが、備えあれば憂いなしと思ってできることに取り組んでいくものと思います。地震の報道の中でタイムリーに、武蔵野市は今年始めた家具転倒防止金具等購入費補助事業があり、注目もされたのではないかなと思っていますが、この事業につき、現在の申請状況と今後の広報戦略等を伺います。 (3)市民参加についてアプリやシステムの導入が続いています。今月の市報では地域共助デジタルプラットフォームアプリcommon、第六期長期計画・第二次調整計画や第四期学校教育計画の意見募集に使われているオンラインディスカッションサービスDーAgree、そして武蔵野プロボノプロジェクトむさぼのではGRANTというシステムが導入されています。 今ここにいる皆さんは今お伝えした3つ、ひらいてみましたか?私ですらというのもなんですが、だんだんついていけなくなる感覚があります。とはいえチャレンジの気持ちを持って、まずはやってみようと思っているわけですが、こうした取り組みは使いこなせる、ちゃんと市民に使ってもらえるように広げていかないと、とてももったいないと思うわけです。この辺りはどう戦略的に運用していくのか、お試しで終わらないためにも質問しますが、各分野でのこうした取り組みとCIO・CIO補佐官とのかかわりについて伺います。 (再質問ー市民参加の方法を一覧でまとめたページを作ったらどうか?現状市民参加はイベントと並列になっており、パブリックコメント、市長への手紙だけがボタンになっていて、他の市民参加の方法がわからない)(CIO補佐官と広報戦略アドバイザーの対談などはしないのか、親和性高いと思うが) (4)催眠商法についての相談がありました。近所で行われているのではないか、毎日たくさんの高齢者が中に入って長時間出てこない様子で、もう見ていられないとのことです。非常に難しい問題であると思います。市のホームページでも注意喚起がされていることを確認していますが、おそらくホームページを見るような世代の方々なのか、疑問もあります。市内の状況や相談体制、取り組み等を伺います。

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市議会定例会がはじまりました(2024年9月)|武蔵野市議会レポート

武蔵野市議会定例会が始まりました。今回は2024年の第3回定例会ということで、決算特別委員会を含むまるまるひと月の議会です(2024年9月3日〜9月30日)。定例会は年に4回行われます。 流れとしては大きく3つです。 ①議員からの一般質問(3日〜5日) ②市からの議案と市民からの陳情審議(8日〜18日) ③2023年度の決算審議(18日〜30日) 初日の今日は9名の議員からの多様な質疑が行われました。私の一般質問は19番目のため、9月5日の予定です。今回の内容は「担い手不足への取組の方向性や子ども議会で出た要望を取り入れること等について」と題し、以下を質問趣旨として通告しています。ぜひ中継などご覧ください。 ▼一般質問通告内容 1 地域の担い手不足という課題に対する取組の方向性について (1)第六期長期計画・調整計画において十数回に渡って「担い手」についての記載がある。これに対する市長の見解を伺う。 (2)第六期長期計画・調整計画における「就労を含めた高齢者の社会参加の支援」について、市長としてどのような課題意識を持っているか伺う。 (3)武蔵野プロボノプロジェクト(むさぼの)について、取り組みを行うこととなった経緯、目指す成果や今後の方向性を伺う。 (4)ボランティア、有償ボランティア、プロボノ、雇用、委託等、市と人材とは多様なかかわり方がある。これについて庁内でどのような整理をしているか、基準や考え方、今後の方向性を伺う。 2 子ども議会で出た意見や要望を取り入れることについて (1)市立小中学校における新学期の登校日や普段の通学時の荷物重量の実態と改善状況を伺う。 (2)市立小中学校でタブレット利用の頻度や質に違いがあることについての実態と課題、スピード感を持った改善の取り組みについて伺う。 (3)ALTの固定化を解消するための取り組みや他校で授業を受けるといった斬新なアイデアが提案された。オンライン活用を含めたスピーディーな取り組みを求めるが見解を伺う。 (4)上記のような、子ども議会で出た具体的な意見や要望について、現在策定中の第四期武蔵野市学校教育計画の議論に取り入れてほしいと考えるが見解を伺う。 3 広報やDX等過去取り上げたテーマや市民からの相談事項について (1)広報戦略アドバイザーが決定された。戦略的な広報の実現に向け、現在取り組んでいることを伺う。 (2)今夏は特に地震について話題となることが多かった。家具転倒防止金具等購入費補助事業につき、現在の申請状況と今後の広報戦略等を伺う。 (3)市民参加についてアプリやシステムの導入が続いている。各分野でのこうした取り組みとCIO・CIO補佐官とのかかわりについて伺う。 (4)催眠商法についての相談があった。市のホームページでも注意喚起がされていることを確認している。市内の状況や相談体制、取り組み等を伺う。 [関連の武蔵野市ホームページリンク集] ・市長公約実現に向けて議論されている計画策定について https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisaku_keikaku/sogoseisakubu_shisaku_keikaku/chokikeikaku/1047890/index.html ・武蔵野プロボノプロジェクト むさぼの https://www.city.musashino.lg.jp/heiwa_bunka_sports/shiminkatsudo/1048096/index.html ・第四期学校教育計画 中間まとめに対する意見募集 https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/ikenboshu_enquete/public_comment/1048195.html ・広報戦略アドバイザーについて https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/koho/pressrelease/1046097/1047921/1048128.html ・家具転倒防止対策補助について https://www.city.musashino.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/bosai_anzen/bosai_anzen_center_web/jishintaisaku/1046773.html ・地域共助デジタルプラットフォームアプリcommon https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisaku_keikaku/sogoseisakubu_shisaku_keikaku/1048268/index.html ・オンラインディスカッションサービスDーAgree https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisaku_keikaku/sogoseisakubu_shisaku_keikaku/chokikeikaku/1047890/1048255.html ・催眠商法にご注意を https://www.city.musashino.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/sodan_komarigoto/shohiseikatsu/sodanjirei/1048159.html

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給食費無償化が決まるまで|武蔵野市議会レポート

令和6年第2回武蔵野市議会定例会が終了しました。今回は案件としては少なめの印象でしたが、法改正への対応だけでなく、給食費の無償化の補正予算やファツィオリのグランドピアノ購入について(結果:継続に)、路面下空洞調査についての陳情審査(結果:採択)なども行われました。 まず今回の記事では、給食費無償化について説明します。 ▼給食費無償化の議論について<議論が始まった経緯>経緯をおさらいすると、給食費無償化については昨今さまざまな区長公約などで出てくることが増え、当選した区長がすぐに着手し実現という流れが特に23区で起きていました。そうしたことを受け、昨年の武蔵野市議選でも訴える候補者が多くいました。 武蔵野市でこのような大きな規模の取り組みについては、基本的に長期計画策定の議論の中で揉むというのが通例で、昨年2023年の前半に前市長が取り組みたいと策定委員会に打診したことからこの議論が始まりました。 ちょうど昨年は第六期長期計画10年の後半のための、調整計画というものを策定する段階にあり、さまざまな論点が出される中で新たなものとして前市長から提案されたという形です。 策定委員会の中での議論はどちらかというと慎重で、というのも試算で毎年5億円規模の予算が必要とわかり、これからの財政の見通しや施策の優先順位などを考えた時にどうなんだという意見が多かったと記憶しています。 ちなみに私たちの会派ワクワクはたらくも同様の意見で、子が市立小学校に通う当事者としても無償化は嬉しいことではあるものの、今後の財政状況や優先順位を考えるとあまり積極的ではない姿勢でした。 そんな中前市長が辞職、そのタイミングでこの調整計画も完成を迎え、給食費無償化については国や都の動向を見ながら議論をしていくという方向性が示されました。 <新市長になるところからこれまで>その後の市長選においても、両候補者ともに無償化を謳っていましたし、そのうちやることになるのかなぁという流れの中にあったわけですが、やはりこの長期計画での議論というのを武蔵野市は大切にするので、さてどうなるかと思っていた矢先、今回の動きが出てきたということです。 ちなみに動き自体は少し前から見えていて、というのも小学校からのお知らせで1学期の給食費引き落としをいったん止めるという案内がなされ、手続きが終われば無償化されるのだろうという雰囲気があったということです。実際に我が子の引き落としもされませんでした。 そして今回の議案が補正予算として提出され、いよいよ給食費無償化実現へというところまで来たわけです。 <今回の議案審議でのポイント>①何のために無償化を行うのか議案審議の中で注目されたことは、質が守られるのかということと財政の見通しについてです。 ちょうど先日NHKで桜野小学校の給食が取り上げられたこともあり、武蔵野市の質を維持する取り組み、市内農家さんとの連携の工夫などへの評価が得られていることは一同再認識したところでした。 市の施策提案理由としては、この質を守るということ、それを実現するために無償化に取り組むというもので、ここについても本質的な議論をすることになりました。10年以上値上げをしてこなかった給食、現在も物価高騰対応のための補助金を投入することでなんとかまかなっているという状況で、これからもこの質を担保するためにはやはり資金が必要、値上げをするという議論ではなくて市が負担をすることで質を守っていくということが述べられました。 本来的には法律で保護者負担となっているので、国がこの考えを改める必要があることについても市は求めているとのこと。 これは子育て支援、少子化対策の一環なのかということも問いましたが、というよりは武蔵野市の給食の質を守るためというのが軸のようでした。めぐりめぐって当然にそうした子育て支援の一環になることは考えられますが、どういう理由づけを行うかはやはり重要なことであり、きちんと理由が伝わるように広報したほうがいいことも提案しました。 そうでないと他の施策との優先順位についても、なかなか説明が付かないのではないかと考えています。なぜ給食費なのか、例えば今回の委員会でも話しましたが鍵盤ハーモニカは6000円もして私自身驚きました。もちろん物価高騰などあると思いますので費用がかかることは仕方がないのですが、さまざまな学用品を購入したり、また修学旅行などにも費用がかかっています。 そうした中でなぜ給食かということはきちんと説明できないといけないと思いますし、その他についての議論を続けていく必要があります。 ②都の補助金ありきなのかなぜやるのかという議論においては東京都の補助金が大きいという答弁が何度もあり、都の補助金ありきなのかということも気になる点でした。すなわち補助金がなくなったらやめるのか?ということです。 折しも現在は都知事選真っ只中。都の方針に引っ張られることになるのでは、これまたどのように説明していくのかは大きなポイントになります。ちなみにこの都の補助金で約5億円予算のうちの半分がまかなわれることになります。確かにかなり大きいインパクトです。 補助金が出されることになったので議論が一気に前に進んだということでしたが、いくら補助が出るとはいえ10年で20から30億円規模になるわけで、公共施設などの建設費もとてつもない金額になってきていることを考えると、こうしたことの積み重ねが後から大きくきいてくることを想像しなくてはなりません。 ③対象外となるお子さんたちへはどうするのか市長公約にもあった、不登校や市立以外に通っているお子さんへの施策についても、議論を積み重ねる必要があります。 今回の施策では、アレルギーや宗教上の理由などにより、食べたいけど食べられないお子さんについては無償化相当分を支給するということが示されました。が、不登校のお子さんについては実費支給ではなく、例えば桜堤調理場などで給食を食べられるような取り組みを行うということでした。 同様の取り組みは八王子市でも行われているそうで、確かにそれ自体は良いと思いますが、行きたくても行けずに食べられないというお子さんも多くいるはずです。 実費支給について食べたくても食べられないという考え方であるならば、もう少し対象を広げることも今後検討することが必要ではないでしょうか。 また、先述したこの取り組みは子育て支援、少子化対策なのかという点に立ち返ることができるならば、市立以外へ通うお子さんにも何らか取り組む必要があることになります。 今回はそこまでの話に至りませんでしたが、課題として検討していくという答弁はありましたので、今後の動向を見ていきたいと思います。 <まとめ・今後に向けて>ということでまだ熟議には至っていない施策ですが、都の補助金申請のタイミングや引き落としの時期なども考えると、今回の補正予算で出すというのはひとつのやり方なのだろうと思います。 これからこの取り組みがどのように広報され、市民理解を得ていくか、また対象外となっているお子さんについての対応などもより議論がなされるよう求めていきます。

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一般質問まとめ|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。22名の一般質問が終わりましたので諸々報告します。 ▼自身の一般質問におけるやり取り まず今回は市政サービスが地域に偏っていることによるデメリット(アクセスの困難性・労力・財政面でのコストなど)を説明し、今後の公共施設更新における考え方の見直しを求めました。 何がどこに必要で今ある施設をどう活用/リニューアルするかを考える、この数年さまざまな機会を捉えて提案を続けてきたことです。 これに対し、今度の調整計画策定の段階から頭出しを行い、偏りの見える化と再構築に向けて動き出していただけるという非常に積極的な答弁をいただくことができました。 また、若年性認知症や起立性調節障害といった若い世代の病気や障害への対応を求め、相談窓口の課題やケアをする方への支援、ピアサポート、コミュニティなどの必要性について議論しました。 実態がまだ見えていないところもありますが、若年性認知症については40歳から64歳の介護保険の要介護認定を受けていて一定認知症の症状がある方が88名、起立性調節障害においては市立小中学校において各校3から5名ほどいるのではないかと考えているということがわかりました。 きちんと状況を把握し、全体から見て少人数だったとしても、寄り添い、最適な対応を行うことが必要です。当事者だけでなく周囲がこういった症状について理解し行動するためにも、市による啓発が大切であると取り組みをお願いしました。 そして、保育や教育におけるアプリ乱立についても全体の設計がないことを問題提起、また未就学児のいじめや日本版DBSについても今後のこどもプラン策定の議論に向けて頭出しを行うことができました。 ▼議員による一般質問のトレンド 2名以上が取り上げたテーマは主に以下の通りです。今回は割と内容がばらけた印象であまり重ならず、それぞれの興味関心の強い分野がよく表れていたように思います。 ・契約と監査 ・公共施設更新と財政の考え方 ・東京都知事選の出馬要請報道 ・防災対策 ・都の石神井川上流調節池事業と中央公園の工事状況 ・グループホームの整備 ・ハラスメント対策 ・教科書採択と教育委員の関係性 ・共同親権への対応 ・日本版DBSへの対応 ・熱中症対策 ▼今後の議会の動き 定例会もこれで前半が終了。これから各委員会で市からの提出議案審議が行われます。法改正への対応が多いですが、以下のような補正予算や議案の内容にも注目です。 ・市立小中学校の給食費無償化(約4億3000万円) ・グランドピアノの買入れについて 武蔵野スイングホールのピアノをファツィオリのグランドピアノに更新したいというもの(約3233万円) ・満3歳以上の児童に対する職員配置基準の改正対応 満3歳以上満4歳未満の児童20人につき1人→15人につき1人、満4歳以上の児童30人につき1人→25人につき1人に変更 ・おくやみサポートサービス事業 ・境南市民農園の廃止 なお、現在不在となっている教育長について新たな候補の方への同意議案が提出されていましたが、6月17日の休憩中に開かれた議会運営委員会において、議案の撤回が行われました。 候補の方が教科書の著者であることから、今年度中学校の教科書採択が行われることも鑑み、より一層の透明性・公平性を確保したいとのことです。 一般質問の中でも何名かの議員からこの点についての質疑があり、市としては慎重になった対応と思われます。 今後の選定については未定で、またも空席が続くこととなってしまいました。非常に難しい状況です。

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一般質問の読み原稿を掲載|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。2024年6月14日、市議会にて一般質問を行いました。前の記事では質問項目を掲載していますが、当日の読み原稿を以下掲載します。後日中継動画もアップされる予定です。 会派ワクワクはたらくの本多夏帆です。こどもが小学校に入学し、これまでとはまた違う非常にリアルな実感を日々得ています。 先日、自分の住む地区では、小学1年生の入学歓迎イベントということで学校の家庭科室をお借りしておやつを一緒に食べるというイベントが開かれました。私もこどもと参加しとても楽しかったのですが、運営をしてくださっているメンバーはほぼ地域防災の方々と同じでした。ありがたいなぁと思うとともに、このままではいけないなと改めて感じたところです。 今日もシルバー人材センターの話がありましたが、あらゆる分野で担い手不足が叫ばれる中、多様な人材、多様な世代がスキルと地域へのモチベーションを活かし、市民同士が幅広く支え合う仕組みづくりを早く実現していかなくてはならないと思います。 前回も質疑したことですので今回この点は質問に盛り込んでおりませんが、タイムリーな話題でしたので重ねて冒頭提案したいと思います。では今回の内容に入ります。 ■エリアマネジメントの推進や若い世代の病気・障害への対応等について 1. 市政サービスにエリアマネジメント的視点を導入することについて ここ数年、さまざまなところで提案していることですが、市長も交代され、新たな調整計画の策定も行われるとのことですので、改めて問題意識を共有したいと思い、質問に取り上げました。 エリアマネジメント的視点としているのは、エリアマネジメントという言葉自体ですと民間主導のイメージが強いことから、それよりかはもう少し官民連携の意味合いを強く、視点として考え方のメリットを活かしたいという少しぼかした表現をしています。 昨年2023年10月の第六期長期計画調整計画の策定委員会と議会との意見交換の場でも、このテーマについてやり取りをさせていただきました。 私からの問題提起として、武蔵野市は公共施設の配置については計画で整理がされていますが、機能・サービスについての配置は整理されていないのではないかということです。 例えばチャレンジルームやむさしのクレスコーレは異なる機能を持ち市内に1つずつしかない、三鷹駅北口近辺の公共施設には授乳室もない。最近話題によく上がりますが、東部には中高生の居場所が少ないよねとか、今回他の議員からもトイレの話がありましたがこの辺には全然ないよねとか、こうしたソフト面からの議論はどこが発信して議題として入り、そして実現していくのだろうかと。 これに対し策定委員長からは、健康福祉分野や保育分野においては機能を面的に考えることが根付いているが、そうでない分野との格差が大きくなっているというお話があり、都市基盤担当の委員からは同様の問題意識を委員になって最初に感じたというフィードバックをいただきました。公共施設等総合管理計画の中でハードだけでなくソフトまで考える必要があるということです。 委員のお言葉をそのまま引用しますと「今の個別計画の立て方がそれぞれ個別にみんな落とされちゃって、その段階では今までの機能を継続するのが前提になった検討しかされないんですね。都市施設はいろんな意味で統合されたり、廃止したり、新しい機能を入れたり、生きた都市にするには、 そういう議論が必要です。ところが、個別計画に落としちゃうと、今までの既得権とか、こうやっていたという慣習がどうしても強く出ちゃう。それは関係者だけで議論しているからであって、そこにコンペとかプロポーザルとか外部の人の意見とか、そういうのをまちづくりにもっと入れるべきと私がいつも主張しているのは、その意味です。基盤というか、問題意識は非常に共通しています。その辺はこれから努力したほうがいいと思います。」 引用を終わります。こうしたお話がある中で、先月5月の閉会中の文教委員会で行政報告がありました市民会館の改修についての議論においても、同様の問題提起をさせていただいたと思います。似たような機能が同じエリアに集積している中で、なぜ機能・サービスの配置についての議論をせずに同じものを続けるための話し合いしかしないのか。 先程のお言葉にもあった「生きた都市」を作っていくためには、行政自身がもっと先々の未来を描いていかないと、結局出来上がった時には時代遅れと言われてしまうわけです。私はここが政治家の役目でもあると思っています。 コスパならぬ「タイパ」という言葉をよく聞くようになりました。タイムパフォーマンス、時間対効果、すなわち費やした時間と得られた効果の相対性ということです。かけた時間に対して大きな満足を得たいという想い。時間についての考え方、価値観というものが変わってきていると思います。 機能・サービスが地域の中で偏っているということは、アクセスするのにとかく時間がかかります。必要なサービスなのに、たどり着くまでにすでに労力がかかっている。 これは最近議会でもよく話題に上がりますが、特別支援学級に通うお子さんの送迎についての課題、未就学児でも療育に通うまでも行き帰りだけで疲れてしまうという声もあります。そこにしかないからチャレンジルームには行けない、そんなお子さんも何人もいるのではないしょうか。 コロナ禍を経てオンラインの活用もされるようになりましたが、どうしても代替できないものも多数あります。サービスを利用する市民にとっては、これが生活であり、日常です。 だから移動支援をするという考え方もありますが、1日30分、1時間、2時間、こうした時間の積み重ねが大きな負担になっている可能性があるということについて、再度考えてみてほしいのです。 また、保健センターの機能についての議論も同様ですが、それこそ地域でどう機能を配置をするのかを考えれば、コストのかけ方も変わるかもしれません。 吉祥寺東町1丁目市有地利活用事業のこれまでの経緯の中でもお話しましたが、これから30年間の機能を見越して新しい箱物を作るというのは、時代の要請ではないということです。箱は箱として存在するけれども、中身は柔軟に変わり続ける。そうした考えで公共施設の更新や土地の活用を考えていかなくてはならないと思います。そこで以下3点質問します。 (1)サービス提供の地域偏在についての現状認識を伺う。(2)今後の長期計画や個別計画での議論の方向性を伺う。(3)具体的に解消していこうとすでに考えているサービスを伺う。 2. 若年性認知症や起立性調節障害といった若い世代への対応について 最近、当事者の方からのご相談なども増えており、縦割り構造などの影響をやはり受けていると感じましたのでテーマとして取り上げました。そこでまず(1)若い世代の病気や障害に対する市の主な取り組みを伺います。 ご相談を受ける中で、若年性認知症の方が市役所に来た際、当時は福祉総合相談窓口がなかったことから相談窓口がわからず、さらには担当が高齢者支援課であったというお話を伺いました。 現在は福祉総合相談窓口ができたわけですが、認知症とはいえ高齢者とは言えない世代の方がご相談に来ているわけです。そういう中で高齢者とつく名の課が窓口となった時の、当事者の想いというものをどう考えるかということです。 自分が病気になりこの先が不安でいっぱいな中、何をどう相談していいかもわからずに怖々市役所に来ている。そういう状態なわけです。 おそらく今、福祉総合相談窓口でお話をしたとしても、その先担当になるのは高齢者支援課であるというのは現在も変わっていないのではないでしょうか。こうしたことも踏まえて(2)市の福祉総合相談窓口事業の全体的な成果と今後の課題を伺います。 ちなみに、やはりという感じではありますが、武蔵野市のホームページで「健康・福祉」を押すと、出てくるのは高齢者支援・障害者福祉・生活福祉・地域福祉・健康保健・福祉総合相談窓口・ひきこもり相談というボタンです。ほぼ意味がわからないと思います。 サイトリニューアルにおいてなぜこうしたわかりにくい構造が見直されなかったのか、何のためにリニューアルをしたのか、強い疑問を持ち続けていることを改めてお伝えしておきます。新たに着任される広報戦略アドバイザーにも相談し、早期に見直していただきたいと思います。 (3)若年性認知症について 改めてになりますが、若年性認知症は、65歳未満で発症した際に診断されるものです。認知症自体ひとつの病名ではなく、さまざまな病気から起きるもので、多くの場合は脳の病気で進行性があります。症状としては新しい記憶から薄れていくといったことや、判断力の低下、また個人差が大きいそうですが徘徊してしまうことや、妄想、不安などが大きく現れることもあります。まず、①市内における状況を伺います。 ご相談の中で、若年性認知症の方はまだ年齢的にも体力があり、活動もできることから、なるべく外に出て刺激を受けることが大切だというお話がありました。危ないからといってこれまで行っていた家事や仕事などをさせないようにとなってしまい、そういったことからできることがどんどん減ってしまうということも伺いました。②予防や進行を遅らせるために市ができる取り組みを伺います。 一方、40代や50代といった年代からすれば、仕事や子育てなどが真っ最中であるケースも多くなります。当事者自身の経済的影響はもちろん、家族などへの影響も大きいと考えられます。そこで③ケアをする家族や介護者への支援について伺うとともに、④いわゆる「ヤングケアラー支援法」の成立にともない、市の取り組み推進についても伺います。 この法改正は子ども・若者育成支援推進法の改正のことで、これまで支援対象として明文化されていなかったヤングケアラーを「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義し、18歳未満・以上といった年齢で区切ることなく、国や自治体が支援に努めることをねらいとしています。 そして、若年性認知症について若い世代であってもこうした症状があるということを知っておくことは、自分が当事者となった際の早期発見につながるとともに、周囲として理解したうえで当事者に接するということにもつながります。 先日、とあるお店において若年性認知症の方が警察に通報されてしまい、大きなショックを受けたということがあったそうです。もちろん、徘徊などされていた場合に警察へ連絡するというのは重要なことですが、犯罪を疑われてしまうようなことがあったりすると、当事者としても悲しい思いをすることになります。 広く私たち自身が若年性認知症について知り、理解する必要があると考えます。⑤若年性認知症について知ってもらうための取り組みについて伺います。 (4)起立性調節障害について こちらも多くご相談があるもので、昨年9月、令和4年度決算特別委員会で初めて質疑をさせていただきました。特に不登校において、行きたくても行けないというケースとしてこの症状の児童生徒が多くいるのではないかという問いかけに対し、「数として確かにいらっしゃる」というご答弁がありました。 そこでまず①市内における把握状況と、②不登校との関連や対応について見解を伺います。 今年の3月、令和6年度予算特別委員会において、他の議員の質疑となりますがここでも起立性調節障害についての議論がありました。そこでは、ある程度教職員の間ではこの症状についての理解が広まっているものの、保護者においての抵抗感があったり、学校と保護者の間でのコミュニケーションにおける難しさがあったりするといったご答弁がありました。 症状を正しく捉え、当事者の方に寄り添った対応が必要と考えます。③当事者やケアをする家族等への支援について伺います。 こうした状況を踏まえ、④起立性調節障害についても啓発啓蒙が当事者にとっても周囲の理解にとっても重要であると考えています。知ってもらうための取り組みについて伺います。 今回、若年性認知症と起立性調節障害を具体的に取り上げましたが、これ以外にも若い世代の病気や障害における課題は山積していると考えています。高齢世代と比べるとどうしても世代の中でマイノリティとなってしまい、周囲の理解が得られないこと、孤独感、またケアをする人たちも制度が十分でなく疲弊してしまうことなど、容易に想像がつきます。 最初に述べましたが縦割り構造の影響、そしてどうしてもこの国の制度設計は大きなところからという視点でやられていることから、少数の対象者に対する視点が抜け落ちがちです。私は、そうしたところへの寄り添い、痒い所に手が届く対応、こうしたことこそが基礎自治体に求められていることだと思っています。 ぜひ若い世代の病気や障害について、武蔵野市に相談すれば大丈夫だよと言えるような、そうした状態を目指して一緒に取り組んでいきたいと考えていますので、積極的なご対応をよろしくお願いいたします。 3. 過去取り上げたテーマや市民からの相談事項について(1)保育や教育分野における DX が進んでいることは大変望ましいのですが、アプリの乱立や運用方法への課題が見えます。見解を伺います。 こちらは実体験でもありますが、小学校のアプリが複数、そして未就学児についても市から入れるようにという連絡があったアプリがあり、スマホにいくつものアプリが存在、さらには何でもかんでもそこに入ってくるため、緊急性や重要度がわからないという声も上がっています。 どういう経緯でこのアプリケーションを使っているのかもよくわかりませんし、学校ごとにも使用しているものは異なるものの複数に渡ってしまっているというのは同様の状況だそうです。利便性を向上させるためにやっていることが本末転倒になるようであれば非常にもったいないことです。 やり始めたところですのでこれからかと思っておりますが、こうしたものは最初の方に見直しをかけていかないとそのまま数年経ち形骸化してしまう可能性も高いため、導入初期のこのタイミングで質問させていただきました。 なにも大きなものをコストをかけて入れましょうということではなく、ユーザーのことを考えての全体の設計デザインが最初に必要だと思います。 令和5年度武蔵野市CIO直轄DX推進プロジェクトの報告書も拝見しました。プロジェクトについての伊藤CIOのお言葉に「単なる業務効率化ではなくてDXにより市民サービスの向上にもつなげられている」というのがありました。まさにここだと思います。 単に楽になればいいとか、簡素化できればいいということではなくて、市民福祉を向上するためにDXに取り組むということです。ぜひそうした視点で積極的に、スピーディーなご対応をお願いしたいと思います。 (2)未就学児のいじめについて市の取り組みを伺います。こちらは他区ではありますが実際にそうした事例があったという報道がされており、確かにあまりこれまで議論されたことがなかったのではないかという課題認識を持ちましたので質問します。 いじめ防止対策推進法では、いじめについて小学1年生以上でないと対象とはならないことから、対応がまちまちで被害者も加害者もケアされないケースが多いのではないかとのこと。 武蔵野市子どもの権利条例の運用においても、大きく関係すると考えていますし、今後のこどもプランの議論でも視野に入れる必要があるのではないでしょうか。いじめという表現ではないこともあるかもしれませんが、こども同士の権利侵害という視点で、取り組みを考えていく必要があると思います。 (3)最後に「日本版 DBS」について市の現状認識を伺います。日本版DBSとは、子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度のことで、国会での審議も最終局面を迎えています。 他の議員の質疑にもありましたので市の対応の概要は分かりましたが、私自身の問題意識としては、以前も提案をした民間のこども関連事業者への啓発啓蒙をどうやっていくのかということです。実効性のある形でこどもを守るためにそうしたネットワークが必要だと思います。 今回の法案では実際に運用に至ったとしても、例えば高校生や大学生といったアルバイトスタッフが前科ではなく厳重注意などを受けていたとしても、それを事業者が知り得る術はおそらくないだろうということです。 イギリスの手法ではそうした細かい情報も全て開示されるとのことで、どちらがいいのかという議論はあるにしても、実際これからこの制度を運用していくにあたっては、確認や労務トラブルなど含め事業者側の負担が相当大きいということを感じています。 市は事業者としての対応を行うことになりますが、それだけでなく市内事業者への啓発というのも役割になると思いますし、相談窓口のようなものも考えていく必要があるのではないかとも想像しています。こうしたことを踏まえて、まだ先の話ではありますが頭出しとして質問させていただきました。 以上、どうぞよろしくお願いいたします。