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こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。今回の定例会でも一般質問を行いました。

(一般質問:議員それぞれが自分の関心あるテーマなどを質問としてまとめて事前に通告し、本会議にて質疑を行うもの)

ひとつ前の記事では質問項目について掲載しましたが、当日の読み原稿をそのまま掲載します。読みながら多少の修正を加えていることをご了承ください。

▼以下読み原稿です

ワクワクはたらくの本多夏帆です。ようやく暑さも和らいできたかというところで、今月は市内各所で秋のお祭りも多数開催されますね。この時期になってくるともう年末、年度末を意識し始めるのは私だけではないと思います。この3ヶ月ごとの定例会というのを考えても、たった3ヶ月でもとにかくいろいろなことが起きるなと。ものすごい早さで社会が動いているように感じます。

今回はそうした社会の変化、価値観の変化についてもっと議論したい、議論が必要だという想いで構成をしてきました。他の議員からもかなり近いお話が今回多数出ていると感じていますので、ぜひ一緒に考えていただければ幸いです。

1 地域の担い手不足という課題に対する取組の方向性について

今回の背景は、お金を稼ぐことは悪いことなのか?正当な対価とはなんなのか?という問いです。

先日市民からあったお話です。コミセンを借りようと思ったが、人によって営利だからだめ、非営利だから良いと毎回違うことを案内されもう疲れてしまったとのことでした。市民のさまざまな活動においても、営利の側面、非営利の側面が織り混ざったものは多数あると思います。誰がどう判断しているのでしょうか。

そもそも、営利と非営利という言葉を調べると、利益を追求するかしないかということになります。営利団体なら利益の分配があり、非営利団体では分配がない。

取り組みとしていくら社会的に良いと言われることをやっていたとしても、公共にかかわったとき、営利団体だからだめですと言われることがある。何がだめなんでしょうか。私自身もいろいろ言われてよくわからなくなっているひとりです。

営利と非営利という考え方にはグラデーションがあり、団体の取り組みにおいても営利と非営利が共存しているケースもあるわけで、なぜこうも営利だから、非営利だからとバッサリ区分けをする世の中なのかわからないと常に思っています。しかも先程のコミセンの運用においては、判断基準も個人によってバラバラということになります。本来的にはやっている内容、活動の方で区分けをしないといけないのではないかという問題提起です。

そしてまた営利だからだめと言うことではなくて、例えばこれはコミセンに限った話ではありませんが、公共施設において利用料を分けるといったやり方で営利と非営利を共存させることが可能な場合もあるかと思います。

私が議員になって初めての一般質問で、エコreゾートに災害時のことを考えてWi-Fiをつけてテレワークできるようにしたら職住近接も促進されて地域防災にもコミュニティにも良いのではないかと言ったことがありますが、その時もテレワークは営利目的だからだめと言われたことを覚えています。なんでだめなのか、いまだにわかりません。じゃあその人がNPO法人に勤めていたらテレワークしていてもいいということなのでしょうかと、よくわからないことを考えてしまいます。

フラッと立ち寄れる公共施設を増やそうと言っているさなか、市民がそこでテレワークをするのはだめなのでしょうか。民業圧迫とのラインはあるとは思いますが、そこは工夫、バランスを取るにしても、公共施設の利用の考え方として社会の変化、ライフスタイルの変化に追いついていないと思います。

そして以前の一般質問で、福祉とはなんなのかということについても取り上げたことがあります。福も祉もどちらもしあわせの意味で、その幅はとても広いよねという話でした。福祉サービスを行う営利事業者は多数いるわけですが、それについては公共性の高いものとしていわゆる非営利のようになんとなく扱っているところがありませんか。

エッセンシャルワーカーという言葉も、コロナ禍でよく聞かれるようになりました。日常生活を送るうえでなくてはならない仕事に従事する人という意味ですが、日常生活を送るうえでなくてはならない仕事というのはいったいどこからどこまでなのでしょうか。

コロナ禍でのさまざまな事業者向け支援金制度においても、職業に貴賎なしということがキーワードになるほど、この辺りの整理の難しさ、私たちの中にある感情の部分、なんとなく否定したり、ネガティブな目で見たりすることがあるというのが、浮き彫りになったと感じています。

このように私が政治に携わるようになってから、この場でたくさんの価値観に触れてきました。なんでも区切ろうとする考え方があります。制度設計上必要だという側面があることもわかりますが、そこからこぼれる人たちが必ず出てきます。その基準に納得感があるか。なぜそこに線を引くのかわからない、市民を含めて認識の共有はされているのか、根拠はどこにあるのか、こうした疑問が出てきます。

そしてこれは、時代の変化とともに本当は変わっていかなくてはならないのに、制度設計をした当初からずっと変わらないということも多いです。過去の経緯を守ろうという方が強くなってしまい、今の価値観に合わない制度を無理やり続けてしまうということです。

武蔵野市のことに話を戻すと、今回、市長公約にあった「就労を含む高齢者の社会参加の支援」が議論されています。これについては先日、第六期調整計画・第二次調整計画策定のプロセスの中で、なぜ高齢者だけなのかということについて問題提起をさせていただきました。高齢者の社会参加を議論するのはもちろん構わないのですが、なぜそこだけ就労を含めてなのかということです。

少なくとも、第六期長期計画・調整計画の中でも、担い手不足についての記述は十数回にわたっています。市民参加が求められているのは高齢者だけでなく、子どもから大人まである意味で全世代においてです。どの世代もまちにとっては当事者なわけですから、市民参加は全世代ということは当然のことです。

また、所得を増やすという点においては、いま働く世代の所得をどうやって増やしていくのかということも、これは国政において大きな課題として議論されていると思います。

所得制限という制度設計における考え方が、変わってきているのもひとつです。この4月から武蔵野市でも子どもの補装具費支給制度において所得制限が撤廃されました。10月からは国全体で児童手当制度での所得制限が撤廃されます。子どもを権利の主体として捉えるということに加えて、所得を増やしていこうという考え方が国全体に広まってきた変化だと思います。

所得制限によってお金を稼ぐことを控えるという、よくわからない施策になっていたわけです。経済成長を阻害するような設定だったとも思えてしまいます。こうした所得を増やすというのは国策として推し進める必要があり、全世代において施策を強化していく必要があるものと考えます。

市にシルバー人材センターを置かなくてはならないのは、法律で定められているとのことでした。昭和61年、1986年に施工された、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律によるものです。これ自体はこれまでの時代の経過の中で、国策として行われてきたものと思います。それを無くそうと言うつもりもありません。

が、武蔵野市としてもっと先を行くことはできないのでしょうか?全世代の市民参加を目指すにあたって、どのようなものに対しては対価のお支払いをするのか、そしてその対価とはいったいどれくらいのものなのか、何をお支払いするのか、きちんと議論したことはないのではないかと思っています。そうした議論の場を作りませんか?

今回別の議員からも、コミセンの窓口業務の報酬について、金額が低すぎるのではないかという意見があったと思います。妥当な金額を検討するという答弁がありました。テンミリオンハウスの運営費については物価高騰にともなう補助金を継続してという答弁がありました。物価高騰はどこも受けている話です。なぜこの金額なのか、というどの分野においてもその根拠はどこにあるのでしょうか。

一方で例えばこのコミセンの窓口業務については報酬が出ているわけですが、今回出てきた武蔵野プロボノプロジェクト(むさぼの)においては、特別なスキルを提供してもらうのにもかかわらず対価はお支払いしないのでしょうか。

プロボノというのは確かに、各分野の専門のスキルを持つ人がその知識やスキルを無償提供して社会貢献するもののことで、海外では弁護士が無料相談を受けるというのがプロボノの主流だそうです。ちなみにプロボノのプロというのはプロかアマチュアかを指す時のプロという意味ではなく、ラテン語の「公共性のために」という意味なので、そこは捉え方を間違えないようにしていただきたいのですが、武蔵野市としてそういった専門分野のスキル提供に対し、対価は支払わないという姿勢でやっていくということなのでしょうか。また、対価を支払わないことによるリスクは考えているでしょうか。

今回、プロボノで募集されているのがコミセンのサイトリニューアルへの助言をというものになっていて、窓口業務については改善をという話が出ているのに、その中でサイトリニューアルの専門的アドバイスについては無償でということになっているのが、頭の中でどうしても繋がりません。

この正当な対価というものの考え方について、私はこの国全体での、国民性と言いますか、非常に難しい価値観の部分であるとも感じています。これくらいもらって当たり前だ、いやいやボランティア精神でやるべきだ、好き好んでやっているのだからいいじゃないか、いやいややらされているのが実態、とまぁ意見や感想もバラバラなことでしょう。

しかしこの対価の支払いというのも、市政において言えば当然原資は税金なわけですから、無償か有償か、支払うものには支払う姿勢だがそれはどんなものなのか、どれくらいなのか、例えばお金やポイントなど何を対価にするのか、きちんと整理して考えていかないと、活動の維持、そして質の担保を行なっていくことはどんどん難しくなると思います。

他の自治体では、有償ボランティアの枠組みの中でも、最低賃金より高い金額を設定し、一方で扶養の範囲におさまる総量を年間で設定して、こどもたちの居場所を運営するスタッフをしっかりと集めているという話を聞きました。担い手不足は武蔵野市だけの問題ではありません。戦略的に取り組んでいかなくては、せっかく育まれてきた武蔵野市のさまざまな活動のノウハウも、引き継いでいけなくなってしまうのではないでしょうか。

淘汰されるものは淘汰されていく、これは民間で言う、営利事業における常です。しかし税金が投入されているものについてはどうでしょうか。自然と淘汰されるという民間の原理ではないところにあるわけですが、だからこそそこにはきちんとした根拠が必要だと思います。私自身もなんでも支払いが必要と考えているわけではありません。価値観によるところが大きいからこそ、議論が必要ということです。以下まとめて4点質問します。

(1)第六期長期計画・調整計画において十数回に渡って「担い手」についての記載がある。これに対する市長の見解を伺います。
(2)第六期長期計画・調整計画における「就労を含めた高齢者の社会参加の支援」について、市長としてどのような課題意識を持っているか伺います。
(3)武蔵野プロボノプロジェクト(むさぼの)について、取り組みを行うこととなった経緯、目指す成果や今後の方向性を伺います。
(4)ボランティア、有償ボランティア、プロボノ、雇用、委託等、市と人材とは多様なかかわり方がある。これについて庁内でどのような整理をしているか、基準や考え方、今後の方向性を伺います。

2 子ども議会で出た意見や要望を取り入れることについて

8月に武蔵野市議会初となる、子ども議会が開催されました。今回多くの議員がその内容を取り上げていると思います。ハッとさせられる意見や、やっぱり現場でもそうなのかといった気づきも多く、リアルな提案に心動かされた人も多かったのではないでしょうか。他の議員とも重なりますが、私の視点も加えながら質問したいと思います。

まず、通学時の荷物についてです。これは過去にも質疑をさせていただいたことがあり、その際にも文科省の事務連絡をもとに各校へ指導を行なっているという説明がありました。今回私自身の息子も市立小学校へ入学し、日々の現実も目の当たりにしております。そこで、
(1)市立小中学校における新学期の登校日や普段の通学時の荷物重量の実態と改善状況を伺います。

他の議員からも同様の意見が出ていたと思いますが、基本的にはこの実態を把握するということがやはり重要かと思っております。実際にどれくらいのものを持ち歩いているのか、指標がないのでとりあえずこれくらいというようなことになっているのではないでしょうか。精神的なストレスもそうですし、健康を損なわないようにすることが一番です。

次にタブレットです。利用頻度や活用方法についてさまざま意見が出される中、現在意見募集が行われている第四期学校教育計画中間まとめにも、その証拠となるアンケート結果が掲載されています。小学生はたくさん使っているのに、中学生になるとその数値がガクンと落ちるというものですね。

すなわちそれにより、中学生としてはなぜ今まで使っていたのに使って学べないのか、将来のスキルに向けての不安といったことが出てくる。データの裏付けのもとに現場の子どもの意見がリアルに伝わる機会となりました。これを受けまして、
(2)市立小中学校でタブレット利用の頻度や質に違いがあることについての実態と課題、スピード感を持った改善の取り組みについて伺います。

また、息子が今年入学したと言いましたが、1学期のタブレット配布はなく、夏休み前にマニュアルのみが配布され、2学期以降のどこかでタブレットが配布されるようだという状況がわかっています。これについては1学期から配布してほしかったという思いは実際全くなく、これまでどうしていたのかわかりませんが、1年生という慣れない新生活の中で、さらに慣れないタブレットというものまで導入する必要はおそらくないだろうなという実感があります。

現在、次のタブレット調達に向けて議論がなされていると思いますが、必要台数や学年ごとに必要な仕様の検討にあたっても、ぜひ参考にしていただきたいと思う次第です。なお、3年生からが持ち帰りとなっていたかと思いますが、2年生でも持ち帰りになっているという話を聞いております。

これは先ほどの荷物の重さについての懸念として市民からの声がありましたが、この辺りも当初のルールから各校でさまざま運用が変わってきているのか、こちらとしては実態把握ができていない状況です。どういう状況になっているのか、きちんとした情報のもとに今後の議論がなされることを望みます。

次にALTや学校を超えた交流についてです。ALTの方による学習は語学力の向上だけでなく、世界の文化を知るとてもいい機会になっていることが、今回の中学生の提案の中でよく感じることができました。市内にいるALTの先生皆と会って話してみたらどんな感じなんだろうと、ワクワクするのも想像できます。また、学校を超えた交流についても要望が多数あり、学区を超えた繋がりがもたらすものを考えてみると、これもいろいろな可能性がありそうだなぁとイメージが膨らみます。

昨今の情報社会というのもあるのかもしれませんが、住んでいる、目の前の世界だけでなく、距離や時間、言語を超えてたくさんの繋がりが生み出されること自体が当たり前の世代になっているのだと思います。捉えている世界が私たちに比べてもっともっと広いのだと思います。そこで、
(3)ALTの固定化を解消するための取り組みや他校で授業を受けるといった斬新なアイデアが提案されました。オンライン活用を含めたスピーディーな取り組みを求めるが見解を伺います。

さまざま子どもたちの要望から私の視点を取り混ぜながら、提案へ繋げさせていただきました。施策を具体化していくためには、どこか形として盛り込める先はないかと考えましたが、ちょうど今意見募集を行っていることを踏まえて4点目の質問です。
(4)上記のような、子ども議会で出た具体的な意見や要望について、現在策定中の第四期武蔵野市学校教育計画の議論に取り入れてほしいと考えるが見解を伺います。

では最後に、
3 広報やDX等過去取り上げたテーマや市民からの相談事項についてです。

(1)広報戦略アドバイザーが決定された。戦略的な広報の実現に向け、現在取り組んでいることを伺います。
今回別の議員からも質疑がありました。私自身以前に広報専門の方をぜひと提案したので、今回のことはとても嬉しく思っています。まだ始まったばかりなので、状況の確認レベルにはなりますが、質問いたしました。

(2)今夏は特に地震について話題となることが多かったです。台風でもこの辺りは今回そこまで酷くなかったかもしれませんが、備えあれば憂いなしと思ってできることに取り組んでいくものと思います。地震の報道の中でタイムリーに、武蔵野市は今年始めた家具転倒防止金具等購入費補助事業があり、注目もされたのではないかなと思っていますが、この事業につき、現在の申請状況と今後の広報戦略等を伺います。

(3)市民参加についてアプリやシステムの導入が続いています。今月の市報では地域共助デジタルプラットフォームアプリcommon、第六期長期計画・第二次調整計画や第四期学校教育計画の意見募集に使われているオンラインディスカッションサービスDーAgree、そして武蔵野プロボノプロジェクトむさぼのではGRANTというシステムが導入されています。

今ここにいる皆さんは今お伝えした3つ、ひらいてみましたか?私ですらというのもなんですが、だんだんついていけなくなる感覚があります。とはいえチャレンジの気持ちを持って、まずはやってみようと思っているわけですが、こうした取り組みは使いこなせる、ちゃんと市民に使ってもらえるように広げていかないと、とてももったいないと思うわけです。この辺りはどう戦略的に運用していくのか、お試しで終わらないためにも質問しますが、各分野でのこうした取り組みとCIO・CIO補佐官とのかかわりについて伺います。

(再質問ー市民参加の方法を一覧でまとめたページを作ったらどうか?現状市民参加はイベントと並列になっており、パブリックコメント、市長への手紙だけがボタンになっていて、他の市民参加の方法がわからない)
(CIO補佐官と広報戦略アドバイザーの対談などはしないのか、親和性高いと思うが)

(4)催眠商法についての相談がありました。近所で行われているのではないか、毎日たくさんの高齢者が中に入って長時間出てこない様子で、もう見ていられないとのことです。非常に難しい問題であると思います。市のホームページでも注意喚起がされていることを確認していますが、おそらくホームページを見るような世代の方々なのか、疑問もあります。市内の状況や相談体制、取り組み等を伺います。