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こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。昨日6月28日、保健センター増築・複合施設整備について、議員全員が行政に質疑をする意見交換の場である、全員協議会が行われました。

全員協議会とは

6月にも行われた定例会での議案を審議・採決する本会議や委員会とは異なり、特定のテーマに対して全員で質疑をする場なので、ここで何かを決定するという感じではなく、行政と議会が情報共有、意見交換をし、それが行政の施策に反映されていくイメージです。直近では前回は「学校改築」をテーマに行われました。

今回の事業について

中央図書館や市民文化会館そばにある武蔵野市立保健センター、子育てをしていると赤ちゃんの健診などでお世話になる場所。市内の医療機関と連携し、人間ドックや各種検診・健診事業を行うところでもあります。会社で健康診断を受けているという方だとあまり馴染みがないかもしれませんが、さまざまな健康づくり事業なども行われています。災害時には医療の拠点にもなる大切な場所です。

大規模改修の必要性が急に出てきたのは、2年前の配管調査においてずいぶんと劣化が進んでいるというのが分かったこと。実際に水漏れも発生していて、老朽化していることは判明したものの、市側の説明としては保健センターの機能を止めることができないため、施設を動かしながら修繕するには増築と大規模改修が必要ということで、事業として予算委員会に出てきました。増築については旧図書館跡地(図書館裏の今空き地になっているところ)が利用されることになります。

すでに基本計画の素案などが示されていますが、保健センターの大規模改修を行うために、市はさまざまな手法を検討し、施設の基本的な方針や役割、機能などを整理したとされています。

一方で、事業についてはまだ不明な点が多く、予算規模としても今すぐに予算として計上されないものの全体で40億規模ということが伝えられており、そもそも公共施設としては60年もたせるのがめやすとして計画に示されているのに今回35年でこのようなリニューアルとなっていることや、保健センターの機能を拡充するのかと思いきや庁内検討のみで専門家の意見を入れていないこと(通常は有識者会議を行うことが多いです)さらには他で動いていたはずの子育て支援施設構想と事業がくっついたことで、議論がさまざま複雑化してしまいました。

こうした流れの中で3月の予算委員会でこの事業についてもっと議論の場と専門家の意見をという付帯決議(予算に賛成するものの、議会として意見を付けるもの)を議会側が全会一致で行ったことにより、現在行われている有識者会議(保健センター機能充実検討有識者会議)と並行して全員協議会を開催することになりました。今回の6月と8月の2回に渡って開かれることになっています。

協議会での説明

会ではまず行政から以下の説明がありました。

①保健センター機能充実検討有識者会議での議論のまとめ

健康増進事業、健診・検診機能、妊娠期から切れ目のない支援、感染症対策・災害時医療対策、自殺総合対策及びメンタルヘルス対策といったテーマごとに出された有識者による意見について

②整備の事業スケジュール案

今年度は有識者会議を踏まえ基本計画案を策定しパブリックコメントを実施、計画策定後に近隣説明会や市民説明会を実施
→来年度以降は基本設計を行いながらまちづくり条例の手続きを行い実施設計へ、さらに撤去工事を進行
→2025年度には増築工事を開始、2027年度には保健センターを暫定利用しながら大規模改修工事、2028年度から新たな施設利用がスタートという想定

③市民(利用者)の動線イメージ

レイアウトはまだで、どのようなフロアが必要か、健診や相談、手続きといった内容が組み込まれている

④給排水管応急対応工事について

大規模改修工事の実施までの応急工事として、配管の更新や点検口の増設などを直近の7月で行いたいというもの(420万円規模)

以上を踏まえ、議員からの質疑がさまざま行われました。

自身が行った質問等

いずれ議事録が公開されますが、ひとまず速報版として自身の質問のまとめを紹介します。

前段で述べた感想

・有識者会議第2回を傍聴して、そこで議論するというより有識者の知見をとにかくいただくというスタイルであると認識した、内容も多岐に渡るためこれを反映するのもなかなか大変だなというのも感じた
・会議の中で医療拠点、特に災害時に「ここを作っておいて良かったよね」となることが理想だと思う
・当初から申し上げている通り、ソフトとハードの議論が入り混じることで話がややこしくなっている気がする

施設整備の考え方について

・こども子育て支援についても、全世代の健康づくりについても、コンテンツとしては外に出ていく必要がある、この場所はある意味ハード面の強化ということがまず第一になるのではないか。例えば建物的な面で言えば耐震的な意味でも災害時ここが倒れたら元も子もない、人的リソースで言えば組織の中の連携を強めるための施設でもあると思うがこれについての見解は。

・複合化というのではなくて、「包括化」みたいな考え方なのではないか。複合化とすると結局別のものが単に同じ建物に入りますという印象を受けるが、目指しているところは違うのではないか。表現として違うように伝わっていてもったいないと思う。

・必要な機能は社会情勢の中で変わっていくので学校の改築のように変化を見据える必要もあると思うがどうか。

・医療面において備蓄もそうだが運び出しについても有識者の指摘あった、備えなくてはならない機能が多いと感じるが、こうした建物のつくりについても有識者意見はきちんと反映されるのか。

・一般質問で聞いた際も子育て支援について地域差ができないようにするとの答弁、サテライトやオンライン活用については。

細かな機能面について

・チャレンジルームの記載があるが、これまでの仕組みにおけるチャレンジルームと同義なのか、近くの小学生だけが視野?ここだけが対象が限定的でこの図において浮いている感じがする。

・こども家庭センターの設置について、こども自身からの相談を受けていくことになる、こどもにとっても安心できる居場所として作り込む必要あると思うが、想定されているのか。

・相談機能の面で駆け込み寺になるには、日頃からふらっと立ち寄れる環境であること、そこにいていいんだよということが伝わるために考えていることはあるか。

・多世代が共存するためにはさまざまハードルがある、子どもの権利のほうで居場所についての議論の中でもあったが、なんで学校に行っていないんだとか赤ちゃんの泣き声がうるさいとかそうしたちょっとした一言、チッとか言われることによってもうそこへ来なくなる。コーディネーター的な存在が必要かもしれないがどうか。

その他の質問や今後の予定

1人10分あたりで会派ごとに時間が割り振られるのですが、私だけで13分ほど使わせてもらい、宮代議員からはそもそもの大規模改修の必要性、事業の進め方について質疑を行いました。

他の議員からも内容はさまざまで、第六期長期計画との関連性、応急工事ができるとなるとそもそもの大規模改修の必要性はなど、事業自体についての質疑が多かったように思います。

8月の全員協議会の際には、基本計画案が示されるとのことなので、さらに細かい中身についての議論が行われる予定です。基本計画案についてはパブリックコメントも行われるため、ぜひご注目いただきたいと思います。またお知らせします。

▶基本計画の素案など事業の全体についてはこちら