2026年9月の質問内容について(第3回定例会)|お知らせ
こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。武蔵野市議会では、2026年9月1日から28日まで、今年第3回の定例会が開催されます。
今回の定例会でも、事前に提出したテーマに沿って、質疑をする「一般質問」に登壇します。10番目の提出となったため、登壇は9月2日(水)の10時~午前中のどこかになりそうです。
今回の武蔵野市議会一般質問は、防災/在宅避難/自助・共助・公助/防災人材/ハザードマップ/火山噴火・降灰/女性活躍/所得制限/子育てと働き方/これからの学校などを取り上げます。共通するのは「一人ひとりが選び、動ける環境をどうつくるか」。行政が用意するだけではなく、市民の主体性を支える仕組みへ。武蔵野市の考えを聞きます。以下、提出した質問一覧です。
1 防災施策の実効性を高めるための取組の「変革」について
近年、地震や豪雨などの自然災害が各地で相次いでいる。今夏においても豪雨による浸水被害等が各地で発生し、本市においても吉祥寺北町の一部で冠水が発生した。また先般、茨城県南部を震源とする地震が発生した際、私は仕事で茨城県牛久市内のホテルに滞在しており、震度5弱の揺れを体感した。深夜の発災であったため、すぐに避難できるよう準備を整え、テレビをつけて情報収集を行った。翌朝にはホテルのエレベーターが停止しており、特に高層階の宿泊者にとっては大きな負担となっていた。
こうした経験からも、災害はいつ、どこで発生するかわからないこと、また建物そのものに大きな損傷がなくとも、停電、断水、エレベーター停止等によって生活の継続が困難になる可能性があることを改めて実感した。
大規模災害時には行政の人的・物的リソースにも限界があり、行政のみですべての市民ニーズに対応することは困難である。防災においては「自助・共助・公助」の重要性が繰り返し言われてきた一方、それぞれが何を担い、どのようにつながるのかについて、市民と行政との間で十分な共通認識が形成されているのかという問題意識を持っている。
市民は行政から公共サービスや支援を受ける存在であると同時に、地域社会を構成し、公共をともにつくる主体でもある。これは行政の責任を市民に転嫁するということではない。行政にしか担えない役割を行政が確実に果たすためにも、市民自身でできること、地域で支え合えること、行政が担うべきことについて、それぞれの役割とそのつながりを平時から共有しておくことが重要と考える。
災害が激甚化・頻発化し、行政や地域の担い手にも限りがある中、「行政が何をするか」だけでなく、「市民や地域が実際に行動できる状態をどのようにつくるか」という観点から、防災施策をより実効性あるものへと変革していく必要があるとの問題意識から、以下伺う。
(1)自助・共助・公助と、市民と行政の関係性について
① 市民を行政サービスの受け手としてのみ捉えるのではなく、それぞれが可能な範囲で公共をともにつくる主体として捉えることが、これからの市政運営において重要と考える。行政の責任を果たすことと、市民の主体的な参画を促すことをどのように両立させていくべきと考えるか、市長の見解を伺う。
② 特に大規模災害時には、行政の人的・物的リソースが限られる一方、支援ニーズは急激に増大する。このような状況において、自助・共助・公助がそれぞれどのような役割を果たすことが望ましいと考えるか。また、それぞれを単に役割分担として捉えるのではなく、自助のみでは対応できない場合には共助へ、さらに必要な公助へとつながる仕組みとして捉えることが重要と考えるが、市の見解を伺う。
③ 自助・共助・公助について、市民一人ひとりが想定する役割と行政が想定する役割に乖離がある場合、実際の発災時に混乱や行政リソースの集中を招くおそれがある。行政ができること・できないこと、市民自身に備えてほしいこと、地域で支え合ってほしいことについて、平時から市民との共通認識を形成していくことをどのように捉えているか伺う。
(2)避難所への集中を防ぎ、必要な人に支援を届けるための避難のあり方について
① 大規模災害時の限られた人的・物的リソースを真に支援を必要とする方に届けるためには、避難所への過度な集中を防ぎ、自宅等で安全に生活を継続できる市民には在宅避難等を選択してもらうことが重要と考える。避難所への避難と在宅避難等との施策のバランスをどのように捉えているか、市の見解を伺う。
② 避難所への避難には、健康問題、感染症、プライバシー、避難者間のトラブル等のリスクがある一方、在宅避難には、孤立、情報不足、物資の確保、必要な支援につながりにくいこと等の異なるリスクがある。いずれかを一律に推奨するのではなく、市民が自身や家族、住居等の状況に応じて適切な避難方法を判断できることが重要と考える。市民の主体的な判断を支える防災施策のあり方について見解を伺う。
③ 避難所への集中を防ぐためには、「在宅避難をしてください」と市民に求めるだけではなく、在宅避難を選択しても必要な支援から取り残されないという安心感が必要である。在宅避難者への情報、物資、相談、医療・福祉等の支援と避難所とのつながりをどのように構築していくべきと考えているか伺う。
④ 建物自体に大きな損傷がなくとも、停電、断水、エレベーター停止、トイレの使用不能等により生活の継続が困難になる場合がある。特に集合住宅において、「建物が安全であること」と「そこで生活を継続できること」は異なるという視点から、在宅避難を可能にする環境整備についてどのように考えているか伺う。
⑤ 「避難所へ行けば行政がすべて対応してくれる」「自宅が損壊していなければ避難所を利用してはいけない」といった両極端な認識ではなく、自身の状況に応じて避難方法を判断し、また状況の変化に応じて必要な支援につながることのできる柔軟な避難のあり方について、市民との認識共有をどのように進めるべきと考えているか伺う。
(3)「共助」を実際に機能させるための防災人材について
① 自助・共助・公助のうち、特に「共助」は、担い手となる人や地域のつながりがなければ実際の災害時に機能しない。共助を単に市民や地域に期待するものとするのではなく、共助が機能する環境を行政が平時からつくることが重要と考えるが、市の見解を伺う。
② 他自治体では、防災士資格の取得に対する助成を行い、大人だけでなく学生等を対象としている例もある。資格取得そのものを目的とするのではなく、若い世代を含め、防災に関心を持ち、地域の中で役割を担える人材を増やすという観点から、防災士等の育成支援を行うことについて見解を伺う。
③ 今夏、防災推進員の募集が行われた際、居住する地域の区割りに空きがなく応募できなかったとの声を聞いた。防災に関心を持ち、自ら地域に関わりたいと手を挙げた市民との接点を、その制度の対象にならなかったことをもって途切れさせるのではなく、別の活動につなぐことが重要と考える。防災活動への参加意欲を持つ市民を継続的に把握し、本人の希望や経験、専門性等に応じた活動につなぐ「防災人材バンク」のような仕組みを構築することについて見解を伺う。
④ 防災推進員や防災士だけでなく、商店会や町会・自治会、マンション管理組合、事業者、学生、ボランティアなど、地域には様々な形で防災を担うことのできる人や組織が存在する。既存の組織への所属や特定の役割を前提とせず、それぞれができる範囲で地域防災に関わることのできる、多様で緩やかな参加の仕組みをつくることについて見解を伺う。
(4)ハザードマップの「限界」と、想定を超える災害への対応について
① 今夏も各地で豪雨による浸水被害等が相次ぎ、本市においても吉祥寺北町の一部で冠水が発生した。災害が激甚化・頻発化する中では、行政が示す「想定」の範囲内でのみ災害が起こるわけではないという前提に立つ必要があると考える。ハザードマップ等によって災害リスクを示すことと、想定を超える事態への備えを促すことを、どのように両立させるべきと考えているか伺う。
② ハザードマップは市民が災害リスクを理解するための重要な情報である一方、一定の条件に基づく想定であり、着色されていない地域の安全性を保証するものではない。「色がついていないから安全」という認識を生じさせることなく、ハザードマップの前提や限界も含めて市民と共有していくことについて、市の見解を伺う。
③ 想定を超える災害が発生した際には、行政からの情報や指示を待つだけではなく、市民一人ひとりが情報を取得し、自身が置かれている状況を把握し、適切な行動を判断することが必要となる。防災情報を単に「伝える」ことから、市民の判断と行動につながる情報提供、防災教育、訓練へと変革していく必要があると考えるが、市の見解を伺う。
④ 近年の短時間豪雨では、下水道管内に急激に雨水が流入することで空気圧等が上昇し、いわゆる「エアーハンマー現象」等によってマンホール蓋が浮上・飛散する事象も発生している。豪雨が激甚化する中、本市においても従来の想定を超える降雨を前提として、マンホール蓋の浮上・飛散等の道路上の危険について改めて検証し、必要な対策を講じるべきと考えるが、市の見解を伺う。
(5)火山噴火・降灰への備えについて
① 富士山等の大規模噴火に伴う降灰について、近年、防災団体等の集まりに防災課職員が出向き、東京都が作成した動画を活用して説明するなど、市民への周知を進めていることは承知しており、重要な取組と評価している。
一方、降灰災害は交通、物流、電力、通信、上下水道、健康等、都市生活の様々な機能に影響を及ぼす可能性があり、知識として理解するだけでなく、市民一人ひとりが具体的な備えや行動につなげることが重要である。「降灰について知っている」状態から「実際に備え、行動できる」状態へとつなげるため、今後どのように取組を発展させていく考えか伺う。
② 降灰後には、住宅、道路、事業所等の広い範囲に火山灰が堆積し、その除去、仮置き、収集等について行政のみですべてを担うことは困難と考える。市民、商店会や町会・自治会、マンション管理組合、事業者等がそれぞれどのような役割を担い、行政がどのように支えるのか、平時から具体的な役割や対応を共有しておくことが重要と考える。降灰対応における自助・共助・公助のあり方について、市の見解を伺う。
(6)「行政が何をしたか」から「地域が何をできるようになったか」へ、防災施策の実効性の評価について
① 防災施策について、計画を策定した、ハザードマップを配布した、訓練を実施したといった行政側の取組だけでは、その実効性を十分に評価することはできないと考える。「市民が適切な避難行動を判断できるか」「在宅避難を継続できるか」「地域で支え合うことができるか」など、市民や地域が実際の発災時に行動できる状態になっているかという観点を重視して防災施策を評価することについて、市の見解を伺う。
② 防災施策の目的を「行政が必要な施策を実施すること」にとどめず、市民一人ひとりが自ら備え、必要なときには支援を受け、可能なときには地域を支えることのできる状態をつくることに置くことが、地域全体の防災力を高めることにつながると考える。市民を公共の受け手としてのみならず、公共をともにつくる主体として位置づけるという観点から、今後の本市の防災施策をどのように変革していく考えか、市長の見解を伺う。
2 一人ひとりの選択を支える政策について
東京都では、「東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例」が施行された。同条例では、女性がその個性と能力を十分に発揮できる環境の整備とともに、性別による無意識の思い込みの解消や、本人の意思の尊重などが掲げられている。
性別によって本人の選択肢が狭められたり、能力を発揮する機会が失われたりすることは解消されるべきであり、その背景に社会や組織の構造的な要因がある場合には、障壁を取り除いていく必要がある。
こうした考え方は女性活躍に限らず、子育て、働き方、教育など様々な政策にも通じるものと考える。一人ひとりを行政が考える望ましい姿へ導く対象としてではなく、自ら考え、選択する主体として捉え、その選択を不必要に阻害する要因を取り除くことが重要ではないか。
また、自ら選択するためには、単に複数の選択肢が存在するだけでは十分ではない。どのような選択肢があるのかを知ることができ、それぞれの違いを理解・比較し、必要に応じて相談しながら、自身の価値観や状況に応じて実際に選ぶことのできる環境が必要である。
一人ひとりの選択を支える政策のあり方について、以下伺う。
(1)女性活躍と一人ひとりの選択について
① 東京都において女性活躍を推進する新たな条例が施行された。本市においても女性管理職比率等について課題があると認識しているが、都条例の施行を受け、本市として女性活躍に関する現状と課題をどのように捉え、今後どのように取組を進めていく考えか伺う。
② 女性管理職比率等、性別による構成の偏りを見ることは、その背景に存在する構造的な課題を把握する一つの手段となる。一方、数値上の男女均衡そのものを目的とすることと、性別によって本人の選択肢が狭められない環境を実現することは必ずしも同義ではない。「女性だから」という理由で機会が失われることも、「女性だから」という理由で特定の役割や活躍を期待されることもなく、一人ひとりが自ら選択できる状態を目指すことが重要と考える。本市が女性活躍施策によって最終的に実現したい状態について見解を伺う。
(2)「選択肢がある」から「実際に選べる」政策について
① 一人ひとりが自ら選択するためには、選択肢が存在することに加え、その存在を知ることができ、それぞれの特徴や違いを比較でき、必要に応じて相談しながら、自身の価値観や生活状況に合ったものを選べることが必要である。また、制度上は選択肢が存在していても、所得制限、利用要件、経済的負担、情報へのアクセスのしやすさ等によって、実質的に選択が困難となる場合もある。「選択肢を用意する」ことから「実際に選べる状態をつくる」ことへ政策の視点を広げることについて、市の見解を伺う。
② 本市では、子育て家庭の相談に応じ、必要なサービス等につなぐコーディネーターが配置されている。子育て期において、「どのように子育てしたいか」と「どのように働きたいか」は密接に関係しており、行政の所管ごとに切り分けられるものではない。
こうしたコーディネート機能について、行政が提供する子育てサービスを案内することにとどまらず、本人の希望を起点として、公民を問わず様々な選択肢を提示し、必要な支援につなぐ役割として捉えることが重要と考える。例えば、働き方やキャリアについてはキャリアコンサルタントや社会保険労務士等の専門職との連携も考えられる。
現在のコーディネート機能をどのように位置づけているのか。また、子育て、労働等の行政分野や公民の枠を超えて、一人ひとりの選択を支援する機能へ発展させることについて見解を伺う。
③ 女性活躍や就労促進を進める一方で、所得制限等の制度が、働きたい人が働くことを抑制する要因となっている場合には、政策間に矛盾が生じる可能性がある。子育て施策をはじめ、市民の働き方や生き方に影響を与える制度について、本人が望む選択を不必要に阻害していないかという観点から検証することについて、市の見解を伺う。
(3)これからの学校のあり方について
① 現在、本市では将来の生徒数等を踏まえ、中学校の適正規模や学校数、学校施設のあり方について議論が進められている。一方、子どもの学び方が多様化し、学校に求められる役割そのものも変化している中で、学校数や施設を考える前提として、「これからの学校は何のためにあり、子どもにとってどのような場所であるべきか」という議論が必要と考える。教育長が考える、これからの学校の役割について伺う。
② 私はこれまでも、中学校の適正規模や適正数の議論に先立ち、これからの教育や学校のあり方について十分に議論する必要があるのではないかと指摘してきた。今回の審議においては、未来を見据えた学校施設についての議論は行われているものの、「これからどのような教育を実現したいのか」「そのために学校はどのような役割を担うのか」という根本的な議論よりも、適正規模や適正数の議論が先行したと考えている。
これからの教育や学校そのもののあり方について、今後改めて議論する考えはあるのか。ある場合には、いつ、どのような場で議論するのか、ない場合にはその理由を伺う。

