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保健センター増改築の全員協議会を開催|武蔵野市議会レポート

保健センターとこども子育て支援複合施設についての会議(議員全員が参加する全員協議会)がひらかれました。 本件は健康だけでなく広く分野がまたがることから、議会でも各常任委員会に報告があったり、こうした全員協議会の場で議論がなされてきました。 今回は市長が変わり、予算額のめやすが以前示された40億円に比べて70億円規模になってきているということで、急遽報告の場として会議が設けられました。 一言で言えば大荒れの会議となりました。。 会議冒頭から、今日のこの会議をひらいた意図が質疑され、基本計画ができたので議会の意見を聞きたいとのことでしたが、各会派の議員からもこの場で説明を聞いたから内容に了承したというのはやめてほしいという声が相次ぎました。 また、前回までに出ていた意見についても反映されたところがわからず、なんのために意見を聞くと言っているのか、説明資料でも70億円になる積算の内容も詳細には書かれておらず議論するのに実態がわからないなど、厳しい指摘が続きます。 本当に必要な施設なのか?という議論を議会としてもずっと続けてきたことから、あの時あの時…という振り返りとなってしまい、紛糾。。持っている情報量に違いがありすぎて、どう議論をすればいいのか、情報を出すように重ねてお願いをする事態となりました。 <会派ワクワクはたらくから質問したこと> ・そもそもの40億の根拠も見えていなかった、妥当性があったのか ・費用対効果が見えない、事業別にどれくらいのコストがかかるのかをきちんと出してほしい →カフェ機能の提案もしたがなんら反映されていない、カフェがほしいのではなくその効果を訴えている、効果についての議論はできているのか ・こども子育ては市内に機能が分散する必要もあり、機能の再検討なのか仕様だけの再検討で済むのか ・保健所に児童相談所が入ることになった、もっと連携が取れないのか ・国や都からの補助金はないのか →1億円くらいしかないことが判明、もっと探してほしいと提案 1人6分しかないのでそんなにたくさんを聞くこともできず、そもそもこんな重大な内容で6分程度で議論できるものでもないと意見しました。 多くの議員が立ち止まるべきという意見を出し、行政側としてはどこまでコストを下げられるか検討中であるとのこと。このあと2月下旬から議会定例会がスタートしますが、そこで示される予算案の議論においても、さらに異論が噴出するのではないかと思われます。 武蔵野市はこれから学校をはじめ、公共施設の大更新時代に突入。入札不調も多発しており、時代の動きとどう向き合いながら施策を打っていく必要があります。 議会定例会に向け、準備を進めます… 市のホームページはこちら https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisaku_keikaku/sogoseisakubu_shisaku_keikaku/hokencenter_seibi/index.html

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調整計画リリースにともなう全員協議会を開催|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆(ほんだなつほ)です。第6期長期計画調整計画がリリースされたことから、その報告のための全員協議会が1月29日に開催されました。 この調整計画は10年の長期計画の途中で見直しをし、実行計画として後半戦に臨むためのもの。 会では計画案から確定版での変更点の説明があり、そのあと1人6分の制限時間制で質疑がありました。 多くの議員が質問したことは、この計画と市長交代との関係性がどうなっているかということです。 今回説明のあった案からの変更点では、新市長の意向で変更したというものはありませんでした。策定委員会からの答申をもって完成していたものをそのまま確定させたということです。 それでは新市長の公約はどこで実現されるのか、公約と矛盾するような内容はどうなるのか。 武蔵野市は市民参加のもとでできた長期計画を重視する、では選挙は市民参加の最たるものではないのか?という意見もありました。 また、計画に書いていないことはやらないのか?という議論もあるかと思います。 武蔵野市の市民参加を重視した計画策定プロセスを約2年間踏んできた中で、その答申が終わってから市長が交代となり、確かにタイミングは計画と全く合っていなかったと言えるでしょう。 議員にもそれぞれに考えるアイデアがあり、例えば調整計画の二次をすぐに作った方がいいのではないかとか、過去にも例がある長期計画の前倒し議論をやるだとか、そもそも長期計画が10年は長すぎるのではないかなど… 調整計画自体の議論というよりは、計画行政と民意の反映のバランスについて、多くの議論がなされる事態となりました(まぁ計画の中身について今議論するというのもタイミングとしては違うと思うので結果としては良かったのかもしれませんが)。 私自身は財政シミュレーションへの影響、全分野に共通する担い手不足の記述について、同じ会派の宮代議員はゼロカーボンシティについての考え方、インクルーシブ教育とインクルーシブ教育システムについての質疑をしました。1人6分は一瞬です。。 2月下旬に始まる定例会では予算審議があるため、ここで一度新市長の見解をさらうことができたのは良かったと思います。おそらく市長の施政方針演説の準備も、相当に庁内で大変なことになっているのではと推察しています。 トップが変わる大変さはあれど、組織にとって変化はチャンスでもあります。見直し、立ち止まってみること、ブラッシュアップ、新たなチャレンジ、さまざまな機会をプラスに働かせてほしいと願いつつ、2月の質問原稿提出に向けて準備を進めます。 第6期長期計画調整計画の策定に携われた皆さま、改めてありがとうございました。 計画はこちら

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2023年を振り返って|活動レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 今年もあっという間に過ぎ去っていった印象です。4月の市議会議員選挙、12月の市長選挙・市議補欠選挙とまさかの2回も選挙が行われる年となりました。私自身の2期目への挑戦を応援してくださり、改めて本当にありがとうございました。 ようやくコロナ禍を抜け、とはいえ感染症がおさまったということではなく、夏場は乳幼児の感染症もすごかったですし、秋口からはインフルエンザによる学級閉鎖なども多数ありましたね。 常にこうしたことと付き合いながら、環境整備や健康施策など行っていかなくてはならないのだと改めて思わされる1年でした。 武蔵野市は今回の選挙で市長が変わり、2024年からどのように市政が変化していくのか、注目されるところだと思います。 時の市長によりあまりに大きく急な変化が生まれないよう、長期計画などが重視される設計になっている武蔵野市。 前市長が他自治体のように給食費無償化を早く実現したいという要望を出しても、市民参加を踏まえた長期計画の議論にのせるという流れを今年踏んでいます。 無償化には年間約5億円がかかること、質が守られるのか、また市立にしか影響しないことなども含めて、丁寧な議論が必要だと考える私としても、このしくみは奏功していると感じています。 一方で議論には時間がかかること、また市民参加をするということは市民にとってもある意味で大変さはあります。 それでもまちづくりの当事者は市民であり、私たち自身がこのまちを形作っていくのですから、自分ごととして参加をしていきたい。その手間やわかりにくい部分などを省いていくのは私たち議員の役割でもあります。 2024年も情報発信に力を入れ、また市民の声を届ける存在として活動に励んでいきたいと思いますので、ぜひリアルでもオンラインでも、交流をお願いいたします。 直近の予定ですが、選挙が行われたことから、1月5日に議員の会議があり、さまざま整理がなされた後に2月より議会が開会されます。またタイムリーな発信はX(natsuhonda8)にて行っていきますのでぜひフォローしてくださいね。 今年もかかわりを持っていただき、ありがとうございました。健やかなよいお年をお迎えください。 ◆公式LINEの友達追加で最新情報をぜひお受け取りください!@740ouxev(https://lin.ee/E8Ah56Q) ◆資料公開用フォルダについてhttps://www.honda-natsuho.info/%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/1342/ ◆Youtubeチャンネルについてhttps://www.honda-natsuho.info/%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/1339/

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12月議会まとめ|武蔵野市議会レポート

12月議会が終わりました。当初予定されていたスケジュールを組み直し、選挙期間にかからないようにしたことから、2週間のコンパクトなものとなりました。 市長不在の議会ということでどうなるかと思いましたが、副市長をはじめ部課長の皆さんが専門的な質疑対応をされたことで、ある意味で議論の深まりもあったなと感じます。もちろん政治的な部分は市長がいないので答弁できないことも多数ありましたが。 今回の議会では、このたび行われる選挙への補正予算(予算上で見えない部分も含めて約9000万か…)やパートナーシップ条例と他条例の整合を目指すもの、期末手当、国保の財政健全化計画にともなう値上げなどが市からの議案として議論され、またパブリックコメントの募集や市政アンケートの結果速報など、多数の報告がありました。いくつかピックアップします。 【国民健康保険/議案】国保の値上げについて 国保に入っていない方からの税収入である一般会計から、毎年数億円が繰り入れされることで成り立っている赤字の現状に対し、財政の健全化を目指す計画を作ってそれに合わせての値上げが行われています。 国保はセーフティネットであるという考え方ももちろんありますが、そうした方に対する施策も合わせて行われていることを踏まえ、必要な方向性であるとして賛成をしています。 【こども/議案】認証保育所(武蔵野プチ・クレイシュ)の移転について 保育の質の向上のために近くに移転されるということで、その補助を1/2出すという補正予算が上がりました(そのうちのさらなる1/2は都から補助)。先日の保育園施設整備における補助金の不正受給があったことから、厳格な質疑が行われたと感じます。 補助制度自体はこれまで通りあるものですが、整備の必要性についてどう判断をしたのか、また申請や報告に対する改善点などが問われました。 また、この数年はこうした事例の場合、認証保育所を認可化するという対応がなされていたため、今回は違うのかという点も議論となりました。現在はその対応を休止しているとのこと、こうした方向性については今後こどもプランの策定においてさらなる議論がなされるものと考えられます。 【こども/行政報告】境南町へのこそだてひろば整備について 空白地帯となっていたエリアに、地域子育て支援拠点の新規開設を行うとのこと(ひまわりこそだてひろばRAKURU・境南町2-17-3/戸建て)。1月23日から利用開始で、実施日は日曜から木曜。ひろば事業と一時預かり事業。なお、西久保と吉祥寺南町がまだ空白とのことで運営事業者を募集していくそうです。 【道路/行政報告】2021年11月の吉祥寺での道路陥没について 開発事業者等に対し、市が調査と復旧に要した費用を請求していたもの。遅延損害金を含めた約4500万円の支払いがあったとして報告がありました。ゴミ収集車が陥没に巻き込まれた状況に、衝撃を受けた方も多かったと思います。朝6時という時間帯もあってか、怪我などされた方がいなかったことが不幸中の幸いでした。 こうしたことはあってはなりませんが、今回は原因の究明、支払いが実現しまずは安堵しています。工事の安全管理等はもちろん、こうしたトラブルへの対応、市民への情報共有のタイミングについても今後に繋げてほしいと思います。 【介護/陳情】ヘルパーについての待遇改善などについて サービス利用者としてヘルパーの待遇についてのさまざまな要望が書かれているものでしたが、市としての現在の取り組みがある中で具体的なところが読み取れないことから会派として反対しました。難しい判断ではありますが、これまでも書面主義が原則とされる陳情において、同様の判断をしてきています。 その他、吉祥寺東部地区のまちづくり、住民投票制度に関する陳情については、引き続いて継続審議にかけられています。 ▼募集中のパブリックコメントについて 年末年始の忙しい時期とは思いますが、ぜひご意見を市へお送りください。 ・武蔵野市第四期健康福祉総合計画・ 各個別計画中間まとめ 12/17まで。健康から食育、福祉、自殺対策など幅広い内容です。気になるところだけでもご意見ください。 ・武蔵野総合体育館大規模改修保全整備基本計画案 1/4まで。体育館をかなり大掛かりにリニューアル、1年半ほどの休館中の取り組みについても要望を。 ・武蔵野市第五次男女平等推進計画案中間のまとめ 1/5まで。男女平等がメインテーマではありますが、人権全般への取り組みが含まれています。 ・武蔵野市教育、文化等の総合的施策の大綱案 1/15まで。各種教育文化施策の考え方のベースとなるもの、主な取り組みも挙げられています。もっとこうしたこともやってほしいという意見をぜひ。こどもの教育から大人の生涯学習分野まで広く含みます。 パブリックコメントはこちらから

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あなたが市長に求めるものは?|武蔵野市12/24選挙のお知らせ

X(@natsuhonda8)で聞いてみたところ、政策や姿勢についてなど、多数のコメントをいただきました。ありがとうございます。自分の考え、他の人の考えが見える化される、ワークショップのようなことがSNSで行えていると感じます。 選挙となるとどうしてもネガティブキャンペーンも多くなってしまい、もちろん落選運動も法で認められたものではありますが、あまりやりすぎるとその後の市政にも影響があると感じています。 このことから私自身は、まずは投票に行く人を増やす、投票率アップのためにあれこれスイッチを押すような取り組みを展開すべく、試行錯誤しています。 そもそもイレギュラーな選挙のため、まだまだその存在すら知られていない状況で、このままでは大幅に投票率が下がるのではないかと危機感を持っています。 他自治体の選挙では、投票率が30%台といったこともよく目にします。そんな中、前回の武蔵野市長選は48%、今年4月に行われた武蔵野市議選は50%を超えました。このことはまちの大きな誇りであると思っています。 さまざま取り組みを展開していきますので、ぜひ皆さまにもご参加いただくとともに、周りの方へ選挙の存在をお知らせください。 【今回の選挙経緯などまとめ】 ・市長が任期途中の11月末で辞職したことから、12月24日に市長選が行われることになった ・上記にともない市長選に立候補を予定する2名の市議会議員が辞職したことから、同日に市議補選が行われることになった ・12月17日に立候補手続きがなされ、18日から23日が期日前投票、24日が投票日となる ・個人名を出し投票をお願いすることができる選挙活動期間は12月17日の手続き完了後から23日まで ・12月22日までの期間は普段の政治活動期間となり、選挙活動は行えない ・12月24日の投票日も選挙活動は行えない(投票に行こうという呼びかけはOK) ・政治活動中の資料と選挙活動中の資料は異なるものとなるため、ぜひ各情報のチェックを →例えばポスター、チラシ、ホームページ、SNS、動画、選挙公報(選挙期間に入ると全戸配布される新聞のようなもの)、街頭活動、過去の議会中継動画や議事録など

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12月の市議会定例会スタート|武蔵野市議会レポート

2023年最後の市議会定例会が始まりました。11月末で市長が辞職したことから、市長不在の議会です。 初日からは議員からの一般質問が行われています。通常時のような議論をすること自体は可能ですが、どうしても内容によって「新市長の意向を確認する」という答弁となります。方針を示す経営者が不在なのですから、当然のことです。 このことから今回私は一般質問を行いませんでしたが、副市長や教育長、各担当部長が連携プレーで答弁を織りなす展開は専門的な情報も多く興味深いものでした。その点においては質問しても良かったのかも…とも思ったり。前回の市長不在時は6名ほどの質問者だったそうですが、今回は15名とびっくりな多さでもありました。 今回の一般質問で特に多かった話題は以下の通り。 ・市長が辞職したことによる市政への影響、住民投票条例検討の今後 ・小中学生の居場所、学校の統廃合、給食費無償化 ・桜堤ケアハウス含む10月の停電等 ・PFAS関連対応 このあとは市からの議案について各委員会で審議を行い、選挙への影響を避けるため12/15に議決し定例会は終了となります。2週間というとてもコンパクトな議会です。 12/24は武蔵野市長選・市議補選の2つが行われます。12/17に立候補の手続きがなされ、投票期間は12/18からスタート。年末の忙しい時期かと思います。ぜひ期日前投票をご活用ください。

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委員会視察へ行ってきました|活動レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 時間が経ってしまいましたが、10月の視察報告です。文教委員会で2泊3日、岐阜・大阪・兵庫と駆け巡ってまいりました。4自治体を回るのですが、とにかく間は移動し続けるので割とハードです。 今年もさまざま学びがありましたので、この記事にてシェアさせていただきます。 ◆昨年の総務委員会での視察レポはこちら総務委員会での視察に参加しました|武蔵野市議会レポート | 武蔵野市議会議員 本多夏帆 オフィシャルサイト (honda-natsuho.info) 岐阜市|岐阜市子ども・若者総合支援センター エールぎふ(子ども家庭総合支援拠点) 子ども・若者に関するあらゆる悩み、不安の相談に対応します。ワンストップで総合的に相談・支援します。発達段階に応じて継続的に支援します。 エールぎふ 岐阜市子ども・若者総合支援センター | 未来をつくる子ども・若者を応援します! (yell-gifu.jp) こちらはこども関連の相談拠点。総合相談から入り、5つの係が対応します(乳幼児相談支援係・家庭児童相談係・発達支援係・教育支援係・才能伸長自立支援係)。 岐阜県・岐阜県警・岐阜市・岐阜市教育委員会の連携も館内でなされており、例えば虐待の通報があった場合、それまで機関ごとにばらばらに動いていたのがここで即座に合同会議を実施する流れになっているとのこと。同じ執務室で働いていらっしゃいました。 幼児支援教室やペアレントトレーニング、保護者がざっくばらんに話すコミュニティ的な取り組みなど、多様なソフトメニューが展開されています。 武蔵野市でもこれから保健センターの増改築によりできる子育て支援施設において、このようなワンストップサービスの確立を目指しており、とても勉強になりました。 一方、こうしたひとつの拠点に機能を集めることにより市民にとっての利便性はどうなのかという、武蔵野市では私自身課題だと思っていることについても聞いてみましたが、やはり車文化ということでライフスタイルの違いがあり、その点については課題感はあまりなさそうという印象。 同じ場所でというのは働く組織側には大きなメリットがあるとは思っていますが、武蔵野市においてはサテライトやオンラインの活用など、工夫が必要であると考えています。 寝屋川市|監察課などによるいじめ防止対策 児童・生徒が「いじめ」と感じた時点で、監察課はすぐに動きます。あなたが知っている「いじめ」のことを教えてください。 いじめ相談窓口/寝屋川市 (city.neyagawa.osaka.jp) これまでの主であった教育的アプローチに加えて、監察課による行政的アプローチを並走させることで、ダブルチェックができることや、2つの選択肢を提示できること、役割分担ができることに繋がるというもの。 教育的アプローチのデメリットは人間関係の再構築に長期間を要すること、行政的アプローチのデメリットは人間関係の再構築が困難であること(被害者・加害者の概念を用いる)。 監察課により毎月いじめの通報チラシを配布、毎月内容も変えていて、早期発見や抑止力の効果があると考えているそうです。 被害者がまず何を望んでいるかを確認し、それを尊重。初期で止めることを重視していて、対応困難ケース、長期化ケースを監察課が担うことで教職員の負担軽減にも繋がっているとのこと。予防としては教育プログラムCAPを実施。 この手法は広瀬市長が所信表明の流れから始まった、トップダウンによるもの。現場との軋轢という点では、市長や副市長、執行部の上層部でかなり話をしたうえでスタートしているため、そこまで…という反応でした。 中学生に上がってくると声を出しにくくなる傾向を感じるとのことで、そこが課題であるとのお話もありました。 いじめ防止への取り組みはどこもさまざま悩みながらやっているところですが、こうして成果をあげている形を見せていただくことで新しい手法を学ぶことができました。 武蔵野市でもこどもの権利条例がスタートしましたが、こうした具体的なトラブル、事件となった際に具体的にどうこどもたちへアプローチすることができるのか、まだまだその実状の部分はこれからです。 高石市|小学校での読書推進への取り組み こちらは実際の小学校での授業を見せていただいたので写真はありません。 学力テストの結果がきっかけとなり、読解力や表現力の向上のために読書推進へ注力するように。 教科書で読むものの関連を「並行読書」したり、図書館から300冊もの本を一気に運んで「ひろば読み」なるイベントを学校で開催したり。コンクールの活用や本の総選挙、PTAからの古書の寄贈といった読書にまつわる多様な取り組みを展開されていました。 実際の授業では図書委員が作成したというクイズをオンラインツールを使って早押し大会に!ものすごい白熱っぷりに見ているこちらも楽しかったです。 武蔵野市ではこれから学校の改築の中で、図書室というこれまでのものが大きく変わり、共用スペースに本が多数配置されるなど環境が変化します。 読書というものがどのように行われ、どんなかたちでこどもたちの力やはたまた安らぎといったものにも繋がっていくか、ハードだけでなくソフト面での工夫がやはり大切だと考えさせられました。 川西市|校内サポートルーム 川西市では、学校内の空きスペースを活用し、自分のクラスに入りづらい児童生徒に対し、落ち着いた空間で、学習支援や生活支援を行う「校内サポートルーム」の取り組みを進めています。 校内サポートルームについて|川西市 (city.kawanishi.hyogo.jp) 校内フリースクールとして始まったこちらの取り組み、校外のフリースクールとの住み分けをするため校内サポートルームと改名したばかりだそうです。 全ての児童に使う権利があり、不登校児童のみが対象ではなく、体調不良で少し休むなどもできるとのこと。学校に行けない、学校に行くのはいいけどずっと教室にはいられない、学校は嫌だけど勉強はしたいといったさまざまなニーズ。 これまでさまざまな取り組みをしてきたが不登校は減らず、校内の学びの場を充実させることにしたのがきっかけだそう。 選択肢を増やすこと。オンライン授業・デジタルドリル・宿題なども用意、ただし来て勉強を強要することはない、トランプで遊んでいる子もいる。他の友達と一緒に登校してきて普通にじゃあね〜と分かれていく感じもある、休み時間に集まってサポートルームで遊んでいる子たちもいたりする。人間関係が勝手にできてきて皆でUNOしていることも。 給食は教室に配膳するか職員室に配膳するかなので、そこからもらってきてサポートルームで食べることが多い、自分で取りに行ったり友達が持ってきてくれたりとさまざま、その子に合わせての対応。 始業式や終業式などもオンラインで参加できるようになっている。 校内サポートルーム支援員を配置、子どもたちに寄り添う、話を聴く。→有償ボランティア(1500円/時・年間120万くらいになるので扶養の範囲内に)、人柄の良さを重視し教職資格は不要、結果的に優しい方が揃った、1日4時間にしたことで子育て中の方や学生、PTAなどさまざまな人材が集まったとのこと。 教職員の負担を増やさないことを重視したが、不登校は教室に戻すことが第一なのだという教職員の昔ながらの意識、自分のクラスに不登校はおらず体調不良だと言うなど、いろんなことを現場から言われる実態もある。 こんな大変興味深いお話を伺うことができました。有償ボランティアは割と労働寄りで際どいのではと思い質問しましたがやはりギリギリを攻めているようでした。この辺のリスクの取り方がまた難しいところ。弁護士さんに相談しながら設計しているようです。 現在は校外のフリースクールとの連携を強化するなど、取り組みを広げているとのことでした。 武蔵野市でも一部の学校でこうした校内の居場所づくりの取り組みがあることを聞いています。教室以外にも多様な居場所があること、学びの場を自分で選択できること、こうした取り組みは今後さらに必要とされていくと考えられます。 武蔵野市ではオンライン授業についてもコロナ禍当初から強い要望があるにもかかわらず、まだまだ後ろ向きな現場、といった印象もあります。今回他自治体でもお話を伺って、古い教育観のようなものが根付く存在していること、現場の先生方においてもそれぞれに難しさがあることを改めて感じました。 今回の視察を受け、市内の校内の居場所についても見学ができるよう、調整中です。 まとめ 長くなりましたが今年の委員会視察報告でした。現地まで足を運ぶことで、その空気感のようなものや、そのまちの暮らし・ライフスタイルといったことまで含めて実感できることは、武蔵野市ではどうするかといったその先の議論に繋げるためのひとつのポイントであると考えています。 オンライン視察などもすでに武蔵野市では実現しているので、どうしても現地で聞いて・見てこなくては!というものが今後も委員会視察として残り続けていくのではないかなと思います。 今回ははじめて文教委員会に所属しての視察となったため、一貫してこどもに関連する内容で学びも深まりました(昨年は総務だったので所掌範囲が広すぎてテーマがバラバラに…それはそれで広く学べますが)。 自主的な学びの場もさらに広げていけるよう努めたいと思います。また学びをシェアしてまいります。 最後に、視察を受け入れてくださった自治体の皆さま、ありがとうございました!

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2022年度の決算審議|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 ▼決算特別委員会での審議 例年9月は前年度の決算についての集中審議が行われます。 今回は令和4年度ということで、コロナ禍3年目。緊急的な施策とともに、さまざまな事業がようやく前に進められるような状況になっていった年でもありました。会派ワクワクはたらくからは私が委員として審議に参加しました。質疑の際に述べた主な意見を紹介します。 【市が行っているサービス、事業の精度を高めるために】 施策の全体的な考えとして、例えばサービスの使用率が低いのは需要がないのではなくて知られていないのではないか?あるいは行きたいけど行けないとか、制度の狭間に落ち込んでいるとか、どこか使い勝手の悪いところがあるのではないか?という視点を持ち、「疑う」ということをしてほしい。 【広報のさらなる工夫を】 ①中高生が市の情報を取りにくいという声がある。保護者を通じてではなく自分で情報を取る世代。媒体含め工夫してほしい。 ②縦割りでの事業別広報ではなく、例えば公共施設なら公共施設、まちづくりなども含めて一体的にPRをするとわかりやすいのではないか。 ③情報公開とその後の審査請求においては大変に時間がかかる。市民の知る権利の保障、透明性の高い姿勢運営の実現のため、広報と連動させて市民の「知りたい」にタイムリーに応えてほしい。 【安全性を高める取り組みを】 ①保育現場での重大事故、不適切保育などについてデータをいただいた。骨折や公園への置き去りが発生しており、しくみの部分からの改善が求められる。 ②吉祥寺駅周辺での客待ち行為などへのアプローチがいたちごっこになっている。市としての強いメッセージが必要。また、全市的に治安の向上を追求してほしい。 ③公共施設などの更新を多数行っていくにあたり、建築指導課などのチェック体制が重要になってくる。道路陥没でも不安がある。ベテラン職員のノウハウ継承もお願いしたい。 【データの積極的な活用を】 ①ゴミの組成分析を継続して行なっているが、そこからわかっていることは分別が正しく行われていないということ。LINEで分別について聞いても的確な答えはない。ユーザー目線に立ち、地道な改善を。 ②健診結果が悪化傾向にある。コロナ禍でのライフスタイル変化も考えられるが、個人に対してだけでなく全体的な取り組みにもデータ活用を。 ③ふるさと応援寄附では11.4億もの住民税が流出している。寄附された3600万円においてもその約半分は事業実施のための手数料など支出になる。都内からの寄附が多いことなどニーズ捉え、返礼品の拡大を。 【適切・的確な対応を】 ①学校に行けない、行かないこどもたちにとって、ICTの積極的活用を再度お願いしたい。また、起立性調節障害といった症状がある場合もある。こどもも保護者も含めて、医療など専門家との連携を欠かさずに。 ②特別支援学級の教員は児童生徒の人数により配置されることはわかっているが、その教員数が1名である場合引継ぎや特に新任時のフォロー体制は必須である。介助についても専門人材によるサポートなど検討を。 ③武蔵野市開発公社が管理運営するF&Fビルの5階フロア名がずっと「ママ&キッズ」であることについて、時代に合わせ変更を検討、委託先などとも連携して早期に対応してほしい。 【組織的視点での向上を】 ①学校においては市講師などさまざまな施策を追加していただいているが、それにより組織が大きくなる。情報連携などについても業務として定め支払いをし、現場が組織活動を取りやすいようにしてほしい。 ②例えば孤立防止対策について福祉×産業振興という視点で事業者のコミュニティを巻き込むといった、庁内での横断的な連携体制が求められる。経営サイドからさらなる可能性の模索に努めてほしい。 ③採用について、特に技術者の獲得が年々厳しくなってくる。武蔵野市で働くことについて広報の工夫もしていただいているが、定着についてもさらに取り組み、安定した組織づくりをお願いしたい。

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2023年9月定例会での議案と陳情審議|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 2023年9月の定例会が開かれてきましたが、市からの議案と市民からの陳情について、まとめてお伝えします。 ▼議案 市からの議案について、ピックアップしたものをお伝えします。 ・下水道使用料が4年に一度の改定で値上げに 4年に一度見直しのあることになっている下水道使用料、さまざま議論が行われた結果、今後のインフラ整備のためのコストもかさむことから、市から値上げの案が示され、可決されました。 コロナ禍での議論ということもあり、次の4年の中である程度新たな可能性の模索など、広い議論がなされるのではないかという話も出ています。 ・一中の改築工事事業者が入札で決定、契約へ 前回入札不調となった一中改築の件、工期や金額の見直しを行い再入札がなされ、無事に事業者が決まりました。 さらなるスケジュール遅延にならず安心したところではありますが、現在行われている解体工事での杭撤去に追加工事が発生し、さらに5000万円ほどが必要になっています。物価高など今後も影響が見込まれ、引き続きの注視が必要です。 ・御殿山の市民農園が土地の返還のため廃止に もともと借地であったところを返還することとなり、現在の利用期間で終了、廃止となりました。 などさまざまな議案の審議が行われました。 ▼陳情 ・紙の保険証を残すことについて国に意見書を出してほしい→不採択 廃止予定とされている紙の保険証について、現行のまま残すよう市議会から国へ要望してほしいというもの。DX推進のためや代替策が検討されていることから、我が会派も反対、全体としても反対多数で否決されました。 ・境南ふれあい広場公園に芝生等の復活を→不採択 今後再整備が行われることがこの陳情質疑の際にもわかりましたが、陳情の文として芝生という素材や時期が限定されるのではという意見があり、反対多数で否決されました。我が会派は文章の中で芝生等やその他の方法という記載もあったことから、限定的なものではなく、再整備を求めるものとして賛成しました。 その他、吉祥寺東部地区のまちづくり関連、住民投票制度の検討過程、保育園の補助金不正受給といった内容の陳情が審議されましたが、継続となり結論は持ち越しとなっています。

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補正予算の審議について|武蔵野市議会レポート

本日、だいぶざわつきました武蔵野市議会の報告をします。そもそも本日は定例会の会期最終日ということで、例年では決算認定だけをやって終わりなのですが、補正予算が提出されたため、その審議を追加で行うことになりました。 【予算の内容】資料を2点つけますが、予算の主な内容は消防団第2分団の改築にともなう、仮詰所のリース契約の入札が不調となったことから、見積もりを取り直し、約1.5倍に増額をするというものです。 【審議の経緯】最終日ということでこの日しか審議する日がないことから、執行部側からは本会議での即決を求められましたが、本来こうした議案は基本的に委員会へ送り、委員会でじっくり議論するもの。さすがにこれを即決はないだろうということで、議会側の総意で総務委員会を開くこととし、本会議を中断して急遽総務委員会を開会。そこで質疑が行われることになりました。 【会派の意見】私たちの会派ワクワクはたらくは総務委員がいないため、直接質疑をすることはできませんでしたが、議論を拝聴し、金額の適正性が検証されたと言えないこと、今後さまざまな発注の困難さが浮き彫りとなる中でこのやり方を認めてしまってはさらに苦しくなるという未来を見据え、予算に反対をしました。 【審議の結果】結果的には1票差で可決。私たちの考えと似た視点もあれば、吉祥寺東部のまちづくりをとめることはできない、入札をする中でこの予算額よりさらに下がるはずだといった肯定意見もあり、賛成が上回ることとなりました。 【私見】今回の内容は、確かに物価高騰などを踏まえればリスク管理と言える一手かもしれません。しかし、だからといって焦って上程し熟慮せず、また計画のスケジュールを優先するあまり高い金額設定をしていくということは今後の市の事業全体の首を絞めることにもなりかねません。 まちづくりを進めたいのは皆同じ想いです。どこを優先するかということでもありますが、今回はまだもう少し時間的余裕があったことからも、ブラッシュアップしたうえでタイミングを再度はかってほしいと考えていました。予算は通ってしまいましたが、担当課などとも議論を続け、来年の予算にも繋がる話をしていきたいと思います。