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市議会定例会がはじまりました(2024年9月)|武蔵野市議会レポート

武蔵野市議会定例会が始まりました。今回は2024年の第3回定例会ということで、決算特別委員会を含むまるまるひと月の議会です(2024年9月3日〜9月30日)。定例会は年に4回行われます。 流れとしては大きく3つです。 ①議員からの一般質問(3日〜5日) ②市からの議案と市民からの陳情審議(8日〜18日) ③2023年度の決算審議(18日〜30日) 初日の今日は9名の議員からの多様な質疑が行われました。私の一般質問は19番目のため、9月5日の予定です。今回の内容は「担い手不足への取組の方向性や子ども議会で出た要望を取り入れること等について」と題し、以下を質問趣旨として通告しています。ぜひ中継などご覧ください。 ▼一般質問通告内容 1 地域の担い手不足という課題に対する取組の方向性について (1)第六期長期計画・調整計画において十数回に渡って「担い手」についての記載がある。これに対する市長の見解を伺う。 (2)第六期長期計画・調整計画における「就労を含めた高齢者の社会参加の支援」について、市長としてどのような課題意識を持っているか伺う。 (3)武蔵野プロボノプロジェクト(むさぼの)について、取り組みを行うこととなった経緯、目指す成果や今後の方向性を伺う。 (4)ボランティア、有償ボランティア、プロボノ、雇用、委託等、市と人材とは多様なかかわり方がある。これについて庁内でどのような整理をしているか、基準や考え方、今後の方向性を伺う。 2 子ども議会で出た意見や要望を取り入れることについて (1)市立小中学校における新学期の登校日や普段の通学時の荷物重量の実態と改善状況を伺う。 (2)市立小中学校でタブレット利用の頻度や質に違いがあることについての実態と課題、スピード感を持った改善の取り組みについて伺う。 (3)ALTの固定化を解消するための取り組みや他校で授業を受けるといった斬新なアイデアが提案された。オンライン活用を含めたスピーディーな取り組みを求めるが見解を伺う。 (4)上記のような、子ども議会で出た具体的な意見や要望について、現在策定中の第四期武蔵野市学校教育計画の議論に取り入れてほしいと考えるが見解を伺う。 3 広報やDX等過去取り上げたテーマや市民からの相談事項について (1)広報戦略アドバイザーが決定された。戦略的な広報の実現に向け、現在取り組んでいることを伺う。 (2)今夏は特に地震について話題となることが多かった。家具転倒防止金具等購入費補助事業につき、現在の申請状況と今後の広報戦略等を伺う。 (3)市民参加についてアプリやシステムの導入が続いている。各分野でのこうした取り組みとCIO・CIO補佐官とのかかわりについて伺う。 (4)催眠商法についての相談があった。市のホームページでも注意喚起がされていることを確認している。市内の状況や相談体制、取り組み等を伺う。 [関連の武蔵野市ホームページリンク集] ・市長公約実現に向けて議論されている計画策定について https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisaku_keikaku/sogoseisakubu_shisaku_keikaku/chokikeikaku/1047890/index.html ・武蔵野プロボノプロジェクト むさぼの https://www.city.musashino.lg.jp/heiwa_bunka_sports/shiminkatsudo/1048096/index.html ・第四期学校教育計画 中間まとめに対する意見募集 https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/ikenboshu_enquete/public_comment/1048195.html ・広報戦略アドバイザーについて https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/koho/pressrelease/1046097/1047921/1048128.html ・家具転倒防止対策補助について https://www.city.musashino.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/bosai_anzen/bosai_anzen_center_web/jishintaisaku/1046773.html ・地域共助デジタルプラットフォームアプリcommon https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisaku_keikaku/sogoseisakubu_shisaku_keikaku/1048268/index.html ・オンラインディスカッションサービスDーAgree https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisaku_keikaku/sogoseisakubu_shisaku_keikaku/chokikeikaku/1047890/1048255.html ・催眠商法にご注意を https://www.city.musashino.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/sodan_komarigoto/shohiseikatsu/sodanjirei/1048159.html

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給食費無償化が決まるまで|武蔵野市議会レポート

令和6年第2回武蔵野市議会定例会が終了しました。今回は案件としては少なめの印象でしたが、法改正への対応だけでなく、給食費の無償化の補正予算やファツィオリのグランドピアノ購入について(結果:継続に)、路面下空洞調査についての陳情審査(結果:採択)なども行われました。 まず今回の記事では、給食費無償化について説明します。 ▼給食費無償化の議論について<議論が始まった経緯>経緯をおさらいすると、給食費無償化については昨今さまざまな区長公約などで出てくることが増え、当選した区長がすぐに着手し実現という流れが特に23区で起きていました。そうしたことを受け、昨年の武蔵野市議選でも訴える候補者が多くいました。 武蔵野市でこのような大きな規模の取り組みについては、基本的に長期計画策定の議論の中で揉むというのが通例で、昨年2023年の前半に前市長が取り組みたいと策定委員会に打診したことからこの議論が始まりました。 ちょうど昨年は第六期長期計画10年の後半のための、調整計画というものを策定する段階にあり、さまざまな論点が出される中で新たなものとして前市長から提案されたという形です。 策定委員会の中での議論はどちらかというと慎重で、というのも試算で毎年5億円規模の予算が必要とわかり、これからの財政の見通しや施策の優先順位などを考えた時にどうなんだという意見が多かったと記憶しています。 ちなみに私たちの会派ワクワクはたらくも同様の意見で、子が市立小学校に通う当事者としても無償化は嬉しいことではあるものの、今後の財政状況や優先順位を考えるとあまり積極的ではない姿勢でした。 そんな中前市長が辞職、そのタイミングでこの調整計画も完成を迎え、給食費無償化については国や都の動向を見ながら議論をしていくという方向性が示されました。 <新市長になるところからこれまで>その後の市長選においても、両候補者ともに無償化を謳っていましたし、そのうちやることになるのかなぁという流れの中にあったわけですが、やはりこの長期計画での議論というのを武蔵野市は大切にするので、さてどうなるかと思っていた矢先、今回の動きが出てきたということです。 ちなみに動き自体は少し前から見えていて、というのも小学校からのお知らせで1学期の給食費引き落としをいったん止めるという案内がなされ、手続きが終われば無償化されるのだろうという雰囲気があったということです。実際に我が子の引き落としもされませんでした。 そして今回の議案が補正予算として提出され、いよいよ給食費無償化実現へというところまで来たわけです。 <今回の議案審議でのポイント>①何のために無償化を行うのか議案審議の中で注目されたことは、質が守られるのかということと財政の見通しについてです。 ちょうど先日NHKで桜野小学校の給食が取り上げられたこともあり、武蔵野市の質を維持する取り組み、市内農家さんとの連携の工夫などへの評価が得られていることは一同再認識したところでした。 市の施策提案理由としては、この質を守るということ、それを実現するために無償化に取り組むというもので、ここについても本質的な議論をすることになりました。10年以上値上げをしてこなかった給食、現在も物価高騰対応のための補助金を投入することでなんとかまかなっているという状況で、これからもこの質を担保するためにはやはり資金が必要、値上げをするという議論ではなくて市が負担をすることで質を守っていくということが述べられました。 本来的には法律で保護者負担となっているので、国がこの考えを改める必要があることについても市は求めているとのこと。 これは子育て支援、少子化対策の一環なのかということも問いましたが、というよりは武蔵野市の給食の質を守るためというのが軸のようでした。めぐりめぐって当然にそうした子育て支援の一環になることは考えられますが、どういう理由づけを行うかはやはり重要なことであり、きちんと理由が伝わるように広報したほうがいいことも提案しました。 そうでないと他の施策との優先順位についても、なかなか説明が付かないのではないかと考えています。なぜ給食費なのか、例えば今回の委員会でも話しましたが鍵盤ハーモニカは6000円もして私自身驚きました。もちろん物価高騰などあると思いますので費用がかかることは仕方がないのですが、さまざまな学用品を購入したり、また修学旅行などにも費用がかかっています。 そうした中でなぜ給食かということはきちんと説明できないといけないと思いますし、その他についての議論を続けていく必要があります。 ②都の補助金ありきなのかなぜやるのかという議論においては東京都の補助金が大きいという答弁が何度もあり、都の補助金ありきなのかということも気になる点でした。すなわち補助金がなくなったらやめるのか?ということです。 折しも現在は都知事選真っ只中。都の方針に引っ張られることになるのでは、これまたどのように説明していくのかは大きなポイントになります。ちなみにこの都の補助金で約5億円予算のうちの半分がまかなわれることになります。確かにかなり大きいインパクトです。 補助金が出されることになったので議論が一気に前に進んだということでしたが、いくら補助が出るとはいえ10年で20から30億円規模になるわけで、公共施設などの建設費もとてつもない金額になってきていることを考えると、こうしたことの積み重ねが後から大きくきいてくることを想像しなくてはなりません。 ③対象外となるお子さんたちへはどうするのか市長公約にもあった、不登校や市立以外に通っているお子さんへの施策についても、議論を積み重ねる必要があります。 今回の施策では、アレルギーや宗教上の理由などにより、食べたいけど食べられないお子さんについては無償化相当分を支給するということが示されました。が、不登校のお子さんについては実費支給ではなく、例えば桜堤調理場などで給食を食べられるような取り組みを行うということでした。 同様の取り組みは八王子市でも行われているそうで、確かにそれ自体は良いと思いますが、行きたくても行けずに食べられないというお子さんも多くいるはずです。 実費支給について食べたくても食べられないという考え方であるならば、もう少し対象を広げることも今後検討することが必要ではないでしょうか。 また、先述したこの取り組みは子育て支援、少子化対策なのかという点に立ち返ることができるならば、市立以外へ通うお子さんにも何らか取り組む必要があることになります。 今回はそこまでの話に至りませんでしたが、課題として検討していくという答弁はありましたので、今後の動向を見ていきたいと思います。 <まとめ・今後に向けて>ということでまだ熟議には至っていない施策ですが、都の補助金申請のタイミングや引き落としの時期なども考えると、今回の補正予算で出すというのはひとつのやり方なのだろうと思います。 これからこの取り組みがどのように広報され、市民理解を得ていくか、また対象外となっているお子さんについての対応などもより議論がなされるよう求めていきます。

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一般質問まとめ|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。22名の一般質問が終わりましたので諸々報告します。 ▼自身の一般質問におけるやり取り まず今回は市政サービスが地域に偏っていることによるデメリット(アクセスの困難性・労力・財政面でのコストなど)を説明し、今後の公共施設更新における考え方の見直しを求めました。 何がどこに必要で今ある施設をどう活用/リニューアルするかを考える、この数年さまざまな機会を捉えて提案を続けてきたことです。 これに対し、今度の調整計画策定の段階から頭出しを行い、偏りの見える化と再構築に向けて動き出していただけるという非常に積極的な答弁をいただくことができました。 また、若年性認知症や起立性調節障害といった若い世代の病気や障害への対応を求め、相談窓口の課題やケアをする方への支援、ピアサポート、コミュニティなどの必要性について議論しました。 実態がまだ見えていないところもありますが、若年性認知症については40歳から64歳の介護保険の要介護認定を受けていて一定認知症の症状がある方が88名、起立性調節障害においては市立小中学校において各校3から5名ほどいるのではないかと考えているということがわかりました。 きちんと状況を把握し、全体から見て少人数だったとしても、寄り添い、最適な対応を行うことが必要です。当事者だけでなく周囲がこういった症状について理解し行動するためにも、市による啓発が大切であると取り組みをお願いしました。 そして、保育や教育におけるアプリ乱立についても全体の設計がないことを問題提起、また未就学児のいじめや日本版DBSについても今後のこどもプラン策定の議論に向けて頭出しを行うことができました。 ▼議員による一般質問のトレンド 2名以上が取り上げたテーマは主に以下の通りです。今回は割と内容がばらけた印象であまり重ならず、それぞれの興味関心の強い分野がよく表れていたように思います。 ・契約と監査 ・公共施設更新と財政の考え方 ・東京都知事選の出馬要請報道 ・防災対策 ・都の石神井川上流調節池事業と中央公園の工事状況 ・グループホームの整備 ・ハラスメント対策 ・教科書採択と教育委員の関係性 ・共同親権への対応 ・日本版DBSへの対応 ・熱中症対策 ▼今後の議会の動き 定例会もこれで前半が終了。これから各委員会で市からの提出議案審議が行われます。法改正への対応が多いですが、以下のような補正予算や議案の内容にも注目です。 ・市立小中学校の給食費無償化(約4億3000万円) ・グランドピアノの買入れについて 武蔵野スイングホールのピアノをファツィオリのグランドピアノに更新したいというもの(約3233万円) ・満3歳以上の児童に対する職員配置基準の改正対応 満3歳以上満4歳未満の児童20人につき1人→15人につき1人、満4歳以上の児童30人につき1人→25人につき1人に変更 ・おくやみサポートサービス事業 ・境南市民農園の廃止 なお、現在不在となっている教育長について新たな候補の方への同意議案が提出されていましたが、6月17日の休憩中に開かれた議会運営委員会において、議案の撤回が行われました。 候補の方が教科書の著者であることから、今年度中学校の教科書採択が行われることも鑑み、より一層の透明性・公平性を確保したいとのことです。 一般質問の中でも何名かの議員からこの点についての質疑があり、市としては慎重になった対応と思われます。 今後の選定については未定で、またも空席が続くこととなってしまいました。非常に難しい状況です。

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一般質問の読み原稿を掲載|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。2024年6月14日、市議会にて一般質問を行いました。前の記事では質問項目を掲載していますが、当日の読み原稿を以下掲載します。後日中継動画もアップされる予定です。 会派ワクワクはたらくの本多夏帆です。こどもが小学校に入学し、これまでとはまた違う非常にリアルな実感を日々得ています。 先日、自分の住む地区では、小学1年生の入学歓迎イベントということで学校の家庭科室をお借りしておやつを一緒に食べるというイベントが開かれました。私もこどもと参加しとても楽しかったのですが、運営をしてくださっているメンバーはほぼ地域防災の方々と同じでした。ありがたいなぁと思うとともに、このままではいけないなと改めて感じたところです。 今日もシルバー人材センターの話がありましたが、あらゆる分野で担い手不足が叫ばれる中、多様な人材、多様な世代がスキルと地域へのモチベーションを活かし、市民同士が幅広く支え合う仕組みづくりを早く実現していかなくてはならないと思います。 前回も質疑したことですので今回この点は質問に盛り込んでおりませんが、タイムリーな話題でしたので重ねて冒頭提案したいと思います。では今回の内容に入ります。 ■エリアマネジメントの推進や若い世代の病気・障害への対応等について 1. 市政サービスにエリアマネジメント的視点を導入することについて ここ数年、さまざまなところで提案していることですが、市長も交代され、新たな調整計画の策定も行われるとのことですので、改めて問題意識を共有したいと思い、質問に取り上げました。 エリアマネジメント的視点としているのは、エリアマネジメントという言葉自体ですと民間主導のイメージが強いことから、それよりかはもう少し官民連携の意味合いを強く、視点として考え方のメリットを活かしたいという少しぼかした表現をしています。 昨年2023年10月の第六期長期計画調整計画の策定委員会と議会との意見交換の場でも、このテーマについてやり取りをさせていただきました。 私からの問題提起として、武蔵野市は公共施設の配置については計画で整理がされていますが、機能・サービスについての配置は整理されていないのではないかということです。 例えばチャレンジルームやむさしのクレスコーレは異なる機能を持ち市内に1つずつしかない、三鷹駅北口近辺の公共施設には授乳室もない。最近話題によく上がりますが、東部には中高生の居場所が少ないよねとか、今回他の議員からもトイレの話がありましたがこの辺には全然ないよねとか、こうしたソフト面からの議論はどこが発信して議題として入り、そして実現していくのだろうかと。 これに対し策定委員長からは、健康福祉分野や保育分野においては機能を面的に考えることが根付いているが、そうでない分野との格差が大きくなっているというお話があり、都市基盤担当の委員からは同様の問題意識を委員になって最初に感じたというフィードバックをいただきました。公共施設等総合管理計画の中でハードだけでなくソフトまで考える必要があるということです。 委員のお言葉をそのまま引用しますと「今の個別計画の立て方がそれぞれ個別にみんな落とされちゃって、その段階では今までの機能を継続するのが前提になった検討しかされないんですね。都市施設はいろんな意味で統合されたり、廃止したり、新しい機能を入れたり、生きた都市にするには、 そういう議論が必要です。ところが、個別計画に落としちゃうと、今までの既得権とか、こうやっていたという慣習がどうしても強く出ちゃう。それは関係者だけで議論しているからであって、そこにコンペとかプロポーザルとか外部の人の意見とか、そういうのをまちづくりにもっと入れるべきと私がいつも主張しているのは、その意味です。基盤というか、問題意識は非常に共通しています。その辺はこれから努力したほうがいいと思います。」 引用を終わります。こうしたお話がある中で、先月5月の閉会中の文教委員会で行政報告がありました市民会館の改修についての議論においても、同様の問題提起をさせていただいたと思います。似たような機能が同じエリアに集積している中で、なぜ機能・サービスの配置についての議論をせずに同じものを続けるための話し合いしかしないのか。 先程のお言葉にもあった「生きた都市」を作っていくためには、行政自身がもっと先々の未来を描いていかないと、結局出来上がった時には時代遅れと言われてしまうわけです。私はここが政治家の役目でもあると思っています。 コスパならぬ「タイパ」という言葉をよく聞くようになりました。タイムパフォーマンス、時間対効果、すなわち費やした時間と得られた効果の相対性ということです。かけた時間に対して大きな満足を得たいという想い。時間についての考え方、価値観というものが変わってきていると思います。 機能・サービスが地域の中で偏っているということは、アクセスするのにとかく時間がかかります。必要なサービスなのに、たどり着くまでにすでに労力がかかっている。 これは最近議会でもよく話題に上がりますが、特別支援学級に通うお子さんの送迎についての課題、未就学児でも療育に通うまでも行き帰りだけで疲れてしまうという声もあります。そこにしかないからチャレンジルームには行けない、そんなお子さんも何人もいるのではないしょうか。 コロナ禍を経てオンラインの活用もされるようになりましたが、どうしても代替できないものも多数あります。サービスを利用する市民にとっては、これが生活であり、日常です。 だから移動支援をするという考え方もありますが、1日30分、1時間、2時間、こうした時間の積み重ねが大きな負担になっている可能性があるということについて、再度考えてみてほしいのです。 また、保健センターの機能についての議論も同様ですが、それこそ地域でどう機能を配置をするのかを考えれば、コストのかけ方も変わるかもしれません。 吉祥寺東町1丁目市有地利活用事業のこれまでの経緯の中でもお話しましたが、これから30年間の機能を見越して新しい箱物を作るというのは、時代の要請ではないということです。箱は箱として存在するけれども、中身は柔軟に変わり続ける。そうした考えで公共施設の更新や土地の活用を考えていかなくてはならないと思います。そこで以下3点質問します。 (1)サービス提供の地域偏在についての現状認識を伺う。(2)今後の長期計画や個別計画での議論の方向性を伺う。(3)具体的に解消していこうとすでに考えているサービスを伺う。 2. 若年性認知症や起立性調節障害といった若い世代への対応について 最近、当事者の方からのご相談なども増えており、縦割り構造などの影響をやはり受けていると感じましたのでテーマとして取り上げました。そこでまず(1)若い世代の病気や障害に対する市の主な取り組みを伺います。 ご相談を受ける中で、若年性認知症の方が市役所に来た際、当時は福祉総合相談窓口がなかったことから相談窓口がわからず、さらには担当が高齢者支援課であったというお話を伺いました。 現在は福祉総合相談窓口ができたわけですが、認知症とはいえ高齢者とは言えない世代の方がご相談に来ているわけです。そういう中で高齢者とつく名の課が窓口となった時の、当事者の想いというものをどう考えるかということです。 自分が病気になりこの先が不安でいっぱいな中、何をどう相談していいかもわからずに怖々市役所に来ている。そういう状態なわけです。 おそらく今、福祉総合相談窓口でお話をしたとしても、その先担当になるのは高齢者支援課であるというのは現在も変わっていないのではないでしょうか。こうしたことも踏まえて(2)市の福祉総合相談窓口事業の全体的な成果と今後の課題を伺います。 ちなみに、やはりという感じではありますが、武蔵野市のホームページで「健康・福祉」を押すと、出てくるのは高齢者支援・障害者福祉・生活福祉・地域福祉・健康保健・福祉総合相談窓口・ひきこもり相談というボタンです。ほぼ意味がわからないと思います。 サイトリニューアルにおいてなぜこうしたわかりにくい構造が見直されなかったのか、何のためにリニューアルをしたのか、強い疑問を持ち続けていることを改めてお伝えしておきます。新たに着任される広報戦略アドバイザーにも相談し、早期に見直していただきたいと思います。 (3)若年性認知症について 改めてになりますが、若年性認知症は、65歳未満で発症した際に診断されるものです。認知症自体ひとつの病名ではなく、さまざまな病気から起きるもので、多くの場合は脳の病気で進行性があります。症状としては新しい記憶から薄れていくといったことや、判断力の低下、また個人差が大きいそうですが徘徊してしまうことや、妄想、不安などが大きく現れることもあります。まず、①市内における状況を伺います。 ご相談の中で、若年性認知症の方はまだ年齢的にも体力があり、活動もできることから、なるべく外に出て刺激を受けることが大切だというお話がありました。危ないからといってこれまで行っていた家事や仕事などをさせないようにとなってしまい、そういったことからできることがどんどん減ってしまうということも伺いました。②予防や進行を遅らせるために市ができる取り組みを伺います。 一方、40代や50代といった年代からすれば、仕事や子育てなどが真っ最中であるケースも多くなります。当事者自身の経済的影響はもちろん、家族などへの影響も大きいと考えられます。そこで③ケアをする家族や介護者への支援について伺うとともに、④いわゆる「ヤングケアラー支援法」の成立にともない、市の取り組み推進についても伺います。 この法改正は子ども・若者育成支援推進法の改正のことで、これまで支援対象として明文化されていなかったヤングケアラーを「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義し、18歳未満・以上といった年齢で区切ることなく、国や自治体が支援に努めることをねらいとしています。 そして、若年性認知症について若い世代であってもこうした症状があるということを知っておくことは、自分が当事者となった際の早期発見につながるとともに、周囲として理解したうえで当事者に接するということにもつながります。 先日、とあるお店において若年性認知症の方が警察に通報されてしまい、大きなショックを受けたということがあったそうです。もちろん、徘徊などされていた場合に警察へ連絡するというのは重要なことですが、犯罪を疑われてしまうようなことがあったりすると、当事者としても悲しい思いをすることになります。 広く私たち自身が若年性認知症について知り、理解する必要があると考えます。⑤若年性認知症について知ってもらうための取り組みについて伺います。 (4)起立性調節障害について こちらも多くご相談があるもので、昨年9月、令和4年度決算特別委員会で初めて質疑をさせていただきました。特に不登校において、行きたくても行けないというケースとしてこの症状の児童生徒が多くいるのではないかという問いかけに対し、「数として確かにいらっしゃる」というご答弁がありました。 そこでまず①市内における把握状況と、②不登校との関連や対応について見解を伺います。 今年の3月、令和6年度予算特別委員会において、他の議員の質疑となりますがここでも起立性調節障害についての議論がありました。そこでは、ある程度教職員の間ではこの症状についての理解が広まっているものの、保護者においての抵抗感があったり、学校と保護者の間でのコミュニケーションにおける難しさがあったりするといったご答弁がありました。 症状を正しく捉え、当事者の方に寄り添った対応が必要と考えます。③当事者やケアをする家族等への支援について伺います。 こうした状況を踏まえ、④起立性調節障害についても啓発啓蒙が当事者にとっても周囲の理解にとっても重要であると考えています。知ってもらうための取り組みについて伺います。 今回、若年性認知症と起立性調節障害を具体的に取り上げましたが、これ以外にも若い世代の病気や障害における課題は山積していると考えています。高齢世代と比べるとどうしても世代の中でマイノリティとなってしまい、周囲の理解が得られないこと、孤独感、またケアをする人たちも制度が十分でなく疲弊してしまうことなど、容易に想像がつきます。 最初に述べましたが縦割り構造の影響、そしてどうしてもこの国の制度設計は大きなところからという視点でやられていることから、少数の対象者に対する視点が抜け落ちがちです。私は、そうしたところへの寄り添い、痒い所に手が届く対応、こうしたことこそが基礎自治体に求められていることだと思っています。 ぜひ若い世代の病気や障害について、武蔵野市に相談すれば大丈夫だよと言えるような、そうした状態を目指して一緒に取り組んでいきたいと考えていますので、積極的なご対応をよろしくお願いいたします。 3. 過去取り上げたテーマや市民からの相談事項について(1)保育や教育分野における DX が進んでいることは大変望ましいのですが、アプリの乱立や運用方法への課題が見えます。見解を伺います。 こちらは実体験でもありますが、小学校のアプリが複数、そして未就学児についても市から入れるようにという連絡があったアプリがあり、スマホにいくつものアプリが存在、さらには何でもかんでもそこに入ってくるため、緊急性や重要度がわからないという声も上がっています。 どういう経緯でこのアプリケーションを使っているのかもよくわかりませんし、学校ごとにも使用しているものは異なるものの複数に渡ってしまっているというのは同様の状況だそうです。利便性を向上させるためにやっていることが本末転倒になるようであれば非常にもったいないことです。 やり始めたところですのでこれからかと思っておりますが、こうしたものは最初の方に見直しをかけていかないとそのまま数年経ち形骸化してしまう可能性も高いため、導入初期のこのタイミングで質問させていただきました。 なにも大きなものをコストをかけて入れましょうということではなく、ユーザーのことを考えての全体の設計デザインが最初に必要だと思います。 令和5年度武蔵野市CIO直轄DX推進プロジェクトの報告書も拝見しました。プロジェクトについての伊藤CIOのお言葉に「単なる業務効率化ではなくてDXにより市民サービスの向上にもつなげられている」というのがありました。まさにここだと思います。 単に楽になればいいとか、簡素化できればいいということではなくて、市民福祉を向上するためにDXに取り組むということです。ぜひそうした視点で積極的に、スピーディーなご対応をお願いしたいと思います。 (2)未就学児のいじめについて市の取り組みを伺います。こちらは他区ではありますが実際にそうした事例があったという報道がされており、確かにあまりこれまで議論されたことがなかったのではないかという課題認識を持ちましたので質問します。 いじめ防止対策推進法では、いじめについて小学1年生以上でないと対象とはならないことから、対応がまちまちで被害者も加害者もケアされないケースが多いのではないかとのこと。 武蔵野市子どもの権利条例の運用においても、大きく関係すると考えていますし、今後のこどもプランの議論でも視野に入れる必要があるのではないでしょうか。いじめという表現ではないこともあるかもしれませんが、こども同士の権利侵害という視点で、取り組みを考えていく必要があると思います。 (3)最後に「日本版 DBS」について市の現状認識を伺います。日本版DBSとは、子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないか確認する制度のことで、国会での審議も最終局面を迎えています。 他の議員の質疑にもありましたので市の対応の概要は分かりましたが、私自身の問題意識としては、以前も提案をした民間のこども関連事業者への啓発啓蒙をどうやっていくのかということです。実効性のある形でこどもを守るためにそうしたネットワークが必要だと思います。 今回の法案では実際に運用に至ったとしても、例えば高校生や大学生といったアルバイトスタッフが前科ではなく厳重注意などを受けていたとしても、それを事業者が知り得る術はおそらくないだろうということです。 イギリスの手法ではそうした細かい情報も全て開示されるとのことで、どちらがいいのかという議論はあるにしても、実際これからこの制度を運用していくにあたっては、確認や労務トラブルなど含め事業者側の負担が相当大きいということを感じています。 市は事業者としての対応を行うことになりますが、それだけでなく市内事業者への啓発というのも役割になると思いますし、相談窓口のようなものも考えていく必要があるのではないかとも想像しています。こうしたことを踏まえて、まだ先の話ではありますが頭出しとして質問させていただきました。 以上、どうぞよろしくお願いいたします。

お知らせ

一般質問をします!2024年6月議会|お知らせ

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 2024年6月議会が始まります。今回も一般質問と言って、議員がそれぞれ事前に質問提出し議論する場面があります。 事前に提出した質問項目を掲載します。登壇は12番目のため、6月14日(金)の午後の予定になりそうです。 他の議員の提出内容も見出しのみ令和6年 一般質問|武蔵野市公式ホームページ (musashino.lg.jp)から見られます。 提出した質問項目 件名 エリアマネジメントの推進や若い世代の病気・障害への対応等について (要 旨) 1.市政サービスにエリアマネジメント的視点を導入することについて (1)サービス提供の地域偏在についての現状認識を伺う。 (2)今後の長期計画や個別計画での議論の方向性を伺う。 (3)具体的に解消していこうとすでに考えているサービスを伺う。 2.若年性認知症や起立性調節障害といった若い世代への対応について (1)若い世代の病気や障害に対する市の主な取り組みを伺う。 (2)市の福祉総合相談窓口事業の全体的な成果と今後の課題を伺う。 (3)若年性認知症について  ①市内における状況を伺う。 ②予防や進行を遅らせるために市ができる取り組みを伺う。 ③ケアをする家族や介護者への支援について伺う。 ④いわゆる「ヤングケアラー支援法」の成立にともない、市の取り組み推進について伺う。 ⑤若年性認知症について知ってもらうための取り組みについて伺う。 (4)起立性調節障害について  ①市内における把握状況を伺う。 ②不登校との関連や対応について見解を伺う。 ③当事者やケアをする家族等への支援について伺う。 ④起立性調節障害について知ってもらうための取り組みについて伺う。 3.過去取り上げたテーマや市民からの相談事項について (1)保育や教育におけるDXが進んでいることは望ましいが、アプリの乱立や運用方法への課題が見える。見解を伺う。 (2)未就学児のいじめについて市の取り組みを伺う。 (3)「日本版DBS」について市の現状認識を伺う。

活動報告

2024年3月発行報告-後編|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。年度末のまとめ記事、後編です。こちらは今回2~3月に開かれた定例会での内容が主です。 ▼一般質問をしました一般質問は議員がそれぞれ設定するテーマに基づいて質疑をするものです。今回は市長が変わったことから、これまで何度か考え方を聞いてきた「少子高齢化」について、改めて質問をしました。 国がこの6年がラストチャンスと言っていることに対し、義務教育で危機感を学んできた身として、この20年何をやっていたのかという強い疑問をお伝えするとともに、基礎自治体としてどう取り組むか、住民の奪い合いをしている場合ではないと提起しました。 市長は国と同様の考えを持っているというお答えでしたので、これからの6年がラストチャンスであることを踏まえ、市の少子化に対する施策への提案を続けていきたいと思います。 また、今後さらに深刻化する担い手不足についても、シルバー人材センターしかないことへの疑問を伝え、働く世代や学生などがもっと仕事としてまちのことにかかわれるしくみづくりができないか提案しました。 そして子どもの権利条例が施行されて1年が経とうとするタイミングであることから、その実効性を高めるための質問、提案を多数させていただきました。 ・事務事業見直しのように全ての課で条例の理念実現に向けた検証をすること(施策や窓口業務など含めて取り組みを見直す) ・兵庫県川西市のサポートルームのように校内の居場所を充実させること(不登校に限らず体調不良など誰でも利用できる教室の設置と教室至上主義からの意識改革) ・校外でこどもが出入りするところと、官民問わずネットワークを構築すること(理念の浸透のみならず事故予防など情報共有にも) ・学びの場と居場所それぞれのニーズ配分はこどもにより異なるので横断的に細やかなサポートをすること(かかわる人が多いからこそたらい回しや対応漏れにも繋がる) ・未就学児の居場所を運営してきた団体と現状や今後の見通しなど情報共有をすること(こどもが来ないのでやめようかという悩みに対しての寄り添いや工夫) ・こどもの事故防止に全力を注ぐこと(時間なく再質問できませんでしたが事故情報の共有など都度やってほしいし親になる前の学びの部分でも積極的な情報提供が必要) こども関連は話したいことがあふれてしまい、時間が足りませんでしたが、条例ができたからこそやれることの徹底、拡充をお願いしたいと思います。 最後にこれまでも質疑してきたことから、産後ケア事業の利用実態把握と安全管理の徹底のために事業者と連携すること、12月の選挙についての振り返りについて質問をしました。過去の質疑についても定期的に振り返り、そのままにしないよう努めています。 小美濃市長になり初めての一般質問となり、細かい点は部長からの答弁というスタイルでしたが、市長には価値観や方針を問い、細かいことは部長からとなればやり取りとしては濃くスムーズな議論の展開になると感じました。今後も質疑の充実を図れるよう、こちらも準備の徹底をしていきたいと思います。 ▼他の議員の一般質問は?一般質問は議員が自分で内容を決められるため、分野は多岐に渡りますが、それでもトレンドなどあり、割と内容が被る傾向にあります。今回2名以上が取り上げたテーマは、 ・能登半島地震を受けての防災減災対策・給食費無償化・HPVワクチン男性接種助成・こどもの居場所、多世代の居場所・武蔵野市子どもの権利条例の取り組み・市長公約の住民投票条例の凍結とは・市長公約の水素バスの実現性・公園管理体制の見直し・国民保護計画についての取り組み・教科書採択の経緯 このような内容が複数回登場しました。 市内小学校において発生した児童による盗撮事件について、教育委員会は非行行為と捉えており、人権道徳教育、いのちの安全教育、情報モラル教育の3つに重点的に取り組み、自分の大切さ、他の人の大切さについて指導していくとのこと。姿勢としては被害者の思いを第一にというコメントがありました。 また、市内私立学校における問題というのが、固有名詞を避けながら話題にあがりました。こちらは私学ということもあり、議会という場で取り上げることについての是非もあるため、慎重な対応が求められると考えます。答弁としては市の権限の説明があり、そのうえで子どもの権利条例の理念と救済制度についての解説がなされました。 こどもの権利という視点からすれば、市民の救済のために取り組むのが市の役割です。市民からの声を受け止め、でき得る対応を全力でやっていただきたいと思います。 [包括的性教育についての陳情の議論]盗撮事案を踏まえて、学校で包括的性教育を実施するよう市民から陳情がありました。報道もあり大きな話題となりましたが、まずは被害者を守ることが大前提であり、個人が特定されるような表現をしないなど議会でも配慮しながらの議論となりました。 陳情の審議においては包括的性教育についての是非が議論される場面もありましたが、どちらかというとこの教育内容が学習指導要領などに含まれていないことから、教育基本法の定め、そして教育の独立性・不可侵性と議会の関係性が問われることが多かったように思います。私たちの会派ワクワクはたらくとしてもその視点から反対の立場を採り、結果として反対多数で陳情自体は不採択となりました。 無論、こどもたちに対していのちの安全教育など、必要な取り組みを行っていくことは大前提です。学校・家庭・地域が連携しながら、充実した教育体制となるよう今後も尽力していきたいと思います。 月に数回お知らせをしています。公式LINEでの友達追加をぜひお願いいたします! タイムリーな発信はXにて行っています。ぜひフォローしてください!

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2024年3月発行報告-前編|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。年度末ということで、あらかたまとめたレポートをお届けします。 ▼大まかな年間スケジュール5月 新しい任期がスタート!臨時会開催6月 定例会開催7月 予算要望・議会視察(友好都市:安曇野市)8月 委員会開催9月 定例会開催(決算特別委員会)10月 委員会視察11月 委員会開催12月 定例会開催・市長選・市議補選1月 選挙結果への議会対応・新年のご挨拶2月 委員会開催3月 定例会開催(予算特別委員会) 前任期4年の半分以上はコロナ禍の影響を受けさまざまな取り組みが中止になる中、新任期のこの1年は行事やイベントなども復活し、賑やかな1年であったと思います。議会での視察も本格的になり、実際の現場を目にすることができました。 ▼急遽の市長選・市議補選実施この1年の大きな出来事として市長選があります。松下前市長が2023年11月末で辞職され、同年4月の市議会議員選挙から間もない12月に市長選が行われることになりました。これに出馬するために市議が2名辞めたことから市議補選もあわせて実施されることに。 時間がない中で各陣営では選挙準備が行われ、論点整理もままならなかったのではないかと感じます。市長選の結果はオミノ安弘氏が27,024票、笹岡ゆうこ氏が26,685票と339票という僅差で小美濃新市長が誕生、市議補選では山崎たかし氏、菅源太郎氏が当選しました。 市民への選挙があることの周知についても短い時間の中で行われ、投票率が低迷するのではないかと言われた12月24日のクリスマスイブ選挙でしたが、44.77%とそこまで落ち込まずに終えることができました(前回2021年市長選:47.46%)。投票率アップに向け、期日前投票所の拡充や若年層へのアプローチなど、今後も市のさらなる取り組みを期待したいです。 なお、この選挙の影響で12月の定例会は空転することとなり、議員の1人として大変残念な想いでした。定例会は年に4回、集中的に審議をする大切な機会です。ものごとを決め、進める場。市長が不在となり、議論の機会が失われてしまったことに、なぜこのタイミングだったのかという疑問が残っています。 ▼市長が交代してからの変化は?年始から市長交代の影響が少しずつ表れるように。保健センターの増改築については当初議会に説明されていた40億規模が70億の試算となっており、その説明のために全員協議会が開かれました。そこでの議論を踏まえ小美濃市長は立ち止まることを決め、2024年度の予算案にあった設計についてはストップすることになりました。※ただしこの設計予算自体は書面により審議にかかってしまっていたことから、市長の口頭だけで止めることはできないと考えられ、議会側が修正案を出し、議決する運びとなりました。 また、市長の公約とされていた住民投票制度についての検討は凍結すること、二中・六中の統廃合については白紙に戻し中学校全体の検討を行っていく方向性が示されました。私自身はこの2件ともに議論することはどんどんすれば良いと考えていましたが、さまざま優先順位もある中でこのような判断がなされ、とはいえ他の議論の場面でも今後多々登場することが考えられることから、この話はしないということではなくまち全体で議論し続けていくものであると受け止めています。 ▼新年度予算は?今回の予算案は、ほぼ前市長時代に内容が詰められているものというのが前提であり、審議の場面でも話がうまく噛み合わない、なかなかに難しい議論が行われることとなりました。 また、物価高の影響だけに目を向けるのではなく、契約や見積もり段階からのリスクマネジメントのより一層の実施、市民への説明責任を果たすことなど、必要な対応は山積しています。武蔵野市は現在豊かな財政を保っていると言われていますが、いつまでもそうなのか?常にその視点を持って議論をしなくては、湯水のようにお金を使うことになるだけです。 公共施設の大更新時代に入り、市の貯金である基金も今後大きく減少していきます。必要な機能を洗い出し、市内全域で効率的な配置を考えながら、建て替えや改修に取り組んでいくことが求められます。 ▼大きく動いている事業について市民参加の機会も多数用意されています。ぜひ情報をチェックのうえ、さまざまなプロジェクトに参加してみてくださいね。 ・吉祥寺パークエリアのまちづくり南口の交通問題を解決するための広場整備や武蔵野公会堂を含むエリア全体での将来像づくりが進められています。 ・三鷹駅北口広場の再整備ロータリーの再編など交通課題を解決するための構想が進められています。 ・武蔵野プレイス前の広場公園リニューアル芝生の育成に課題があるとして現在の状態になっている公園を今後どのようにしていくのか、議論が行われています。 ・旧赤星邸の利活用成蹊学園そばにある建物と広い庭で構成された空間をどう利活用するか、実証実験などが行われています。 ・本町コミセン移転と複合化吉祥寺ヨドバシ裏にてコミセンとそれ以外の機能を含めた複合施設の建設が検討されています。 ・保健センターと子育て支援施設の複合化当初の予算規模40億から70億と大きく増加していることから、市役所内で見直しの議論が進められています。 ・小中学校の改築順に対象校から進められていますが、中学校全体の適正配置などについても議論がなされることになりそうです。 武蔵野市ホームページではパブリックコメントやアンケート、市民意見交換会、ワークショップなどの情報が発信されています。SNSや公式LINEでもピックアップされたものが流れているのでご注目ください。

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2024年3月陳情への討論原稿|武蔵野市議会レポート

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。今回の定例会で審議された陳情につき、会派ワクワクはたらくとして討論したものの原稿を掲載します。 「女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める意見書」提出に関する陳情 ワクワクはたらくを代表し、採択の立場で討論します。条約の理念に賛同するものであり、国内でのあらゆる救済措置がかなわなかった場合に通報をするしくみ自体があることは、反対するものではないと考えました。一方で懸念されている、国内における混乱や不当な扱いを受けるといった勧告等の処分については、この選択議定書にかかわらずすでに問題視される事象が発生しているとのことです。 コロナ禍のときもそうでしたが、各国の価値観というものは否定されるものではなく、勧告等を受けて考え、そしてそのうえでどうするのかというのは自国に委ねられているものと思います。そこで真剣に議論がなされ、はねのけるものははねのけるということもあり得ると思います。コロナ禍でそうした場面を多く見たことは記憶に新しいのではないでしょうか。 なんであってもそうですが、鵜呑みにするのではなく、熟議熟慮、そうやって人間社会の理想を追い求めていくものと考えます。以上、賛成討論とします。 子どもを性犯罪、性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせないために市内教育機関において「生命の安全教育」及び発達の段階や子どもの実態に応じた包括的性教育を充実させることに関する陳情 ワクワクはたらくを代表し、不採択の立場で討論します。なお、今回の陳情のきっかけとなった小学校での盗撮事案については、個別具体的なことになるため本日は触れませんが、市内ではこの件に留まらずさまざまな問題が発生していることは現実であると思います、原因の分析、協議、対話、対策の実行、情報公開そして市内のこどもたちや保護者等に向けたメッセージの出し方については、より一層のご尽力をお願いいたします。 そのうえで今回の陳情については相当悩みました。というのも、過去の陳情を調べても、学校教育の内容について議会が進言するという例がありませんでした。そもそも議会にそうした権限があるのかという問いかけです。 これまで武蔵野市議会であった教育関連の陳情は、教科書採択について国に対する意見書を出すものや、給食実施のための予算措置についてなどでした。確かに今回のものも教育の充実をというもので予算措置的な訴えと読むこともできるかもしれませんが、そこにおいてさらに大きな課題となったのは学習指導要領という法規範性のあるものの範囲内と言えない教育内容について、地方議会がどこまで、そしてどのように物申すことができるのかという点です。 私自身は人権教育、性教育のより一層の充実について賛同していますし、こどもたちの世代がこの情報社会、グローバル社会を生きていく中で、現在の学習指導要領や教育内容をブラッシュアップしていく必要性は強く感じています。 一方で、義務教育の課程のベースとなる学習指導要領は国において一律に定められるものであり、そのうえで学校での教育内容を決める権限は校長にあります。当然、学校ごとに独自性を持たせることはできると考えられますが、その範囲はどこまでなのか。議会は何に基づいて進言すればよいのか、相当に悩んだということです。 公教育とは何か、そうした問いと向き合わなくてはなりません。自分自身が今このテーマに、内容に賛成できるからそれでいいというのは、地方議会の権能としてどうか。この判断が前例になるということを考える必要があると思います。 定められた教育内容に対して、あれをやれ、あるいはこれをやるな、そうしたことが今後もこの場で行われていくというのでいいのでしょうか。それこそ教育は安定的な運用が求められるものであり、時の政治が混乱をきたさないようにすることも必要だと考えます。 教育基本法第16条には「教育は,不当な支配に服することなく,この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり,教育行政は,国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下,公正かつ適正に行われなければならない。」と規定されています。「不当な支配」とは、教育の自主性、自律性を侵害するあらゆる支配を意味し、その趣旨に従って、教育現場・内容への過度の介入は許されないという制約が生まれるとのことです。 このことは、かの七尾養護学校事件において議論されたことです。地方自治における教育の権限はどこまでか、議論する場はどこなのか、私たちも学び、よく整理をしなくてはならないと思います。 無論、市民からの陳情はとても重いものです。今回の会派の判断において、だったら市民はどこに助けを求めればいいのかとお𠮟りもいただきました。ただ今回、陳情者による陳述や質疑等を通して、書面から読み取れない部分含め、市に陳情の趣旨は伝わったと考えており、私たちもこれで終わりにするのではなく、今後さまざまな機会を捉えて、目的が達成されるよう重ねて働きかけをしていく所存です。 議会の権限などという、どこを向いて仕事をしているのかというご意見も受け止めてはおりますが、私たちとしては今後、自分が賛成しかねる内容の教育がこの場で議論された際にも、自分たちの立場が変わっても、議会が言うならば権限の濫用といったようなことが起こらないよう考え努めることも、役目のひとつと考えて今回の決断をいたしました。 こどもたちへの教育の充実はきっと誰もが望むものです。それはこどもたち自身の幸せであり、こどもたちの未来にも繋がる大切な取り組みです。自身も子育てに直面する者として、こどもが加害者・被害者・傍観者にならないための行動をしていきたいと思いますし、これは私たち自身、大人にも言えることです。より一層の教育の充実に向け、社会全体での議論へ、繋げていきたいと思います。以上です。 隠し事のない市政実現のために、市報の公報機能の強化に関する陳情 市報とはなんなのかという議論になりましたが、他自治体でのアンケート等を読んでいても、市報に求めるものはかなり幅広いことがわかります。私たち議会の市議会だよりを検討するにあたっても、結果をということもあればプロセスをというのもあり、何が求められるのか非常に難しいものだと感じております。 優先順位を固定することなく、広報の専門員を入れると予算案も出ているのでよく議論してほしいと考えます。 「燃料費等物価高騰に対する市内中小事業者を救済するための助成制度の創設」を求める陳情 本件については討論はしていませんが、対象の絞り込みが難しいと考え不採択の立場を取りました。

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他の議員の一般質問まとめ|武蔵野市議会レポート

武蔵野市議会では、15名による議員からの質疑(一般質問)が2024年2月27日から29日に行われました。 さて、今回の議会では市長の施政方針・予算編成方針についての質疑(代表質問)を先にやっているため、そこで登壇していない議員のうち、事前に質問事項を提出した議員が一般質問を行います。いつも20名ちょっとくらいが少し少ないのはこのためです。 ちなみに他自治体の議会に比べると、質問をする議員の割合はかなり多いそうです。武蔵野市議会だと基本やるものという感覚ですが、実はそうではないそう。年に4回しかないのでフル活用したいところです。 一般質問は議員が自分で内容を決められるため、分野は多岐に渡りますが、それでもトレンドなどあり、割と内容が被る傾向にあります。今回2名以上が取り上げたテーマは、 ・能登半島地震を受けての防災減災対策 ・給食費無償化 ・HPVワクチン男性接種助成 ・こどもの居場所、多世代の居場所 ・武蔵野市子どもの権利条例の取り組み ・市長公約の住民投票条例の凍結とは ・市長公約の水素バスの実現性 ・公園管理体制の見直し ・国民保護計画についての取り組み ・教科書採択の経緯 このような内容が複数回登場しました。 市内小学校において発生した児童による盗撮事件について、教育委員会は非行行為と捉えており、人権道徳教育、いのちの安全教育、情報モラル教育の3つに重点的に取り組み、自分の大切さ、他の人の大切さについて指導していくとのこと。姿勢としては被害者の思いを第一にというコメントがありました。 また、市内私立学校における問題というのが、固有名詞を避けながら話題にあがりました。こちらは私学ということもあり、議会という場で取り上げることについての是非もあるため、慎重な対応が求められると考えます。答弁としては市の権限の説明があり、そのうえで子どもの権利条例の理念と救済制度についての解説がなされました。 こどもの権利という視点からすれば、市民の救済のために取り組むのが市の役割です。市民からの声を受け止め、でき得る対応を全力でやっていただきたいと思います。 3月初旬は各委員会が開かれ、市からの議案と市民からの陳情について、それぞれ審議されます。それが終わると中旬は予算特別委員会です。インターネット中継もありますのでぜひご覧ください。 https://www.city.musashino.lg.jp/shigikai/kaigi/1001139.html

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一般質問の振り返り|武蔵野市議会レポート

今回は市長が変わったことから、これまで何度か考え方を聞いてきた少子高齢化について、改めて質問をしました。 国がこの6年がラストチャンスと言っていることに対し、義務教育で危機感を学んできた身として、この20年何をやっていたのかという強い疑問をお伝えするとともに、基礎自治体としてどう取り組むか、住民の奪い合いをしている場合ではないと提起しました。 市長は国と同様の考えを持っているというお答えでしたので、これからの6年がラストチャンスであることを踏まえ、市の少子化に対する施策への提案を続けていきたいと思います。 また、今後さらに深刻化する担い手不足についても、シルバー人材センターしかないことへの疑問を伝え、働く世代や学生などがもっと仕事としてまちのことにかかわれるしくみづくりができないか提案しました。 そして子どもの権利条例が施行されて1年が経とうとするタイミングであることから、その実効性を高めるための質問、提案を多数させていただきました。 ・事務事業見直しのように全ての課で条例の理念実現に向けた検証をすること(施策や窓口業務など含めて取り組みを見直す) ・兵庫県川西市のサポートルームのように校内の居場所を充実させること(不登校に限らず体調不良など誰でも利用できる教室の設置と教室至上主義からの意識改革) ・校外でこどもが出入りするところと、官民問わずネットワークを構築すること(理念の浸透のみならず事故予防など情報共有にも) ・学びの場と居場所それぞれのニーズ配分はこどもにより異なるので横断的に細やかなサポートをすること(かかわる人が多いからこそたらい回しや対応漏れにも繋がる) ・未就学児の居場所を運営してきた団体と現状や今後の見通しなど情報共有をすること(こどもが来ないのでやめようかという悩みに対しての寄り添いや工夫) ・こどもの事故防止に全力を注ぐこと(時間なく再質問できませんでしたが事故情報の共有など都度やってほしいし親になる前の学びの部分でも積極的な情報提供が必要) こども関連は話したいことがあふれてしまい、時間が足りませんでしたが、条例ができたからこそやれることの徹底、拡充をお願いしたいと思います。 最後にこれまでも質疑してきたことから、産後ケア事業の利用実態把握と安全管理の徹底のために事業者と連携すること、12月の選挙についての振り返りについて質問をしました。過去の質疑についても定期的に振り返り、そのままにしないよう努めています。 小美濃市長になり初めての一般質問となり、細かい点は部長からの答弁というスタイルでしたが、市長には価値観や方針を問い、細かいことは部長からとなればやり取りとしては濃くスムーズな議論の展開になると感じました。今後も質疑の充実を図れるよう、こちらも準備の徹底をしていきたいと思います。 中継録画は速報版にアップされたのち、通常のアーカイブに入ります。ぜひそちらもご覧ください。 https://musashino-city.stream.jfit.co.jp