決算特別委員会1日目|武蔵野市議会レポート
9月16日は決算特別委員会で質疑を行いました。
今回、決算審議の準備をしていて大きな変化を感じたのが「事務事業評価シート」です。
これまでは「この結果を市としてどう評価・分析しているのか」を質疑で確認する場面も多かったのですが、評価シートを見れば、担当課がどう捉え、今後どうしていこうとしているのかがある程度わかるようになりました。
私たち議員側も、まず資料をしっかり読み、その先を議論することが必要になります。職員の皆さんの考えが見える資料が増えたことは、とてもありがたい変化です。
さらに、この年度から始まった「内部統制制度」の評価報告書も今月発行されました。どのような事例が発生しているのかを庁内横断的に確認し、事故やミスを予防する取組につなげていく仕組みです。
今日は、こうした新しい仕組みが実際の行政運営や決算審査をどう変えているのか、というところから質疑をスタートしました。
そのほか、取り上げたのはこんなテーマです。
■職員の働き方と人手不足
監査委員の審査意見書にも「物価高騰や人手不足」という記載があります。
入札不調など、市役所の外側でも人手不足の影響が出ている一方、庁内では人数だけでなく人材育成も課題とのこと。
また、有給休暇の取得状況を見ると、全職員平均15.94日に対して、財政課9.44日、秘書広報課10.45日、図書館11.05日、人事課11.93日。
特定の部署や管理職に「休みにくい構造」がないかを確認しました。
産業医面談における健康管理措置の件数についても、単に「件数が増えた」で終わるのではなく、なぜ増えているのか、その原因に対して組織全体として何をするのかを見る必要があります。
事務事業評価はとても有用ですが、「一つの事業だけを評価すると、複数部署にまたがる課題への対応が見えにくい」という次の課題も感じました。
■市民の力をもっと地域につなげられないか
健康づくり人材バンク、健康づくりパートナー、2050ゼロパートナー、防災推進員、部活動指導員など、市には「地域に関わりたい人」と行政をつなぐ制度がいくつもあります。
一方で、それぞれの部署・制度に分かれていて、市民や事業者から見ると全体像がわかりにくい。
「地域のために何かしたい」という人が、分野を横断して参加先を探せる一覧やプラットフォームがあってもいいのではないか。
有償・無償、専門性が必要なもの、短時間だけ参加できるものなど、いわば地域活動の「人材バンク」を横断的につくれないか提案しました。
■所得制限は、人の行動をどう変えているのか
今回、障害児支援やひとり親支援について、所得制限に関する問い合わせや「利用控え」「働き控え」に関する意見等の資料を求めました。
私が知りたいのは、所得制限があるか・ないかだけではありません。
制度によって、
「働きたいのに働けない」
「収入を増やしたいのに増やせない」
「生活上の選択を変えざるを得ない」
といったことが、実際にどれくらい起きているのか。
9月の一般質問でも取り上げましたが、制度が人の選択や行動にどんな影響を与えているのかを調べ、それを次の制度設計につなげてほしいと考えています。
また今回、「所得制限を設けていない個人向け給付・助成制度一覧」も資料として出していただきました。市の制度を横断して見ることができ、とてもわかりやすい資料です。
こういう一覧こそ、市民の皆さんが見られる形にできたらいいのでは、とも提案しました。
■子どもの事故を「市全体」で把握する
保育園、幼稚園、学校、学童、子育て関連施設などで起きた事故についても資料を求めました。
内部統制の報告書などを見ると、園外活動中の園児の見失い、個人情報漏えい、学校施設のトラブル、給食への異物混入など、さまざまな事例が確認できます。
ただ、行政が把握しやすいのは、どうしても市が直接・間接的に関わる施設が中心です。
子どもの権利条例ができた今、市立施設だけではなく、都立、私立、民間サービスも含めて、「武蔵野市で過ごす子どもたち」という視点で、どこまで情報を把握し、事故予防や権利擁護につなげられるのか。
行政だけですべてを管理するという意味ではなく、地域全体をどう巻き込んでいくのかを考える必要があると思っています。
■そのほかにも
市税収入が伸びる一方で、各種資料を見ると子どもの数がかなり減っていることから、人口構成の変化を歳入や将来の財政見通しにどう織り込んでいるのか。
市役所職員の自転車ヘルメット着用と安全管理。
インターンシップや1day職場体験が採用にどうつながっているのか。
そして議会費では、議事録や議会中継システムを長期間同じ事業者・システムに依存する「ベンダーロックイン」の課題や、議事録の検索性向上についても質疑しました。
決算審議は、「去年いくら使ったか」を確認するだけの場ではありません。
実施した事業から何がわかったのか。
その結果をどう評価したのか。
そして、次の政策や予算をどう変えていくのか。
事務事業評価や内部統制など、新しい仕組みが整ってきたからこそ、決算審議も「確認」から一歩先へ進められるのではないか。
そんなことを感じた1日目でした。

