決算特別委員会2日目(総務費・民生費)|武蔵野市議会レポート
決算特別委員会2日目。9月17日は総務費、民生費を中心に質疑しました。
決算では「何件あった」「いくら使った」という実績だけでなく、その数字がなぜ変わったのか、制度が実際に機能しているのか、そして必要な人が本当に利用できているのかを見ることを意識しています。
■公益通報制度は機能している?
今回、公益通報が1件あり、調査の結果「口頭注意1件」となっていました。
具体的な内容を公表できないことは前提として、どのようなプロセスで処理されたのかを確認。
委員会を2回開催し、通報を受理するか判断したうえで事務局が調査。不法・不当な行為には該当しなかったものの、記録の書き方に曖昧な部分があり、改善の余地があるとして口頭注意を行ったとのことでした。
市としては公益通報制度は機能しているとの認識。
制度が「ある」だけでなく、実際に通報があったときに調査され、必要な改善につながる仕組みになっているかが重要です。
■行政不服審査に1年以上かかるケースも
行政の処分に納得できない場合、その処分について改めて審査を求める「行政不服審査」という制度があります。
今回、審議中となっている3件について、どのくらい時間がかかっているのか確認したところ、
454日、257日、259日。
長いものでは1年以上かかっています。
個々の事案について調査が必要なことに加え、反論や見解をまとめることなどにも時間を要しているとのこと。
慎重な審査はもちろん必要ですが、権利救済のための制度でもあります。適正な審査と必要な時間を確保しながら、長期化をどう防ぐのかは考えていく必要があります。
■公共施設に将来いくらかかるのか、もっと精度の高い分析へ
学校、市庁舎、コミュニティセンターなど、市が持つ公共施設を今後どう維持・更新していくかは、将来の財政を考えるうえで非常に大きなテーマです。
今回、中長期的な投資的経費を算出するプログラムを改善したとの記載があったため、その意味を確認しました。
これまでは、今後30年間の投資的経費や基金などについてExcelを使いながら手作業で算出していた部分もあったとのこと。
今回の改善によって、将来推計に使う情報の質を高めていくとのことでした。
公共施設は一度整備すると何十年と使うもの。将来どれだけのお金が必要になるのか、より精度高く見通せるようにすることは重要です。
■市役所のATM、もっと便利にできない?
市庁舎にあるATMについても資料を求めました。
現在は三菱UFJ銀行のATMがありますが、銀行側が管理しているため、利用件数について市では把握していないとのこと。
一方、今はさまざまな種類のATMがあります。
市役所の食堂も閉店した中、市役所を単に「手続きに行く場所」とするのではなく、立ち寄る理由や利便性を高める機能を考えてもいいのではないかと提案しました。
市からも、利便性が上がる可能性があるため研究したいとの答弁でした。
■子どもの見守りと市民安全パトロールをつなげられないか
市民安全パトロール隊の年間延べパトロール回数は3,113回。
どのような場所を巡回しているのか、また他の安全対策ともっと連携できないかを確認しました。
たとえば井之頭小学校は仮設校舎となり、登下校の見守りにもさまざまな工夫が必要になっています。
行政の中には、防犯、交通安全、学校、地域など、それぞれの立場から行われている「見守り」があります。
それぞれを別々に考えるのではなく、地域の安全という目的でつないでいくことができないか。市も連携しながら安全対策を進めたいとのことでした。
■選挙が続く中、選挙管理委員会の体制は?
この年度は、都議会議員選挙、参議院議員選挙、衆議院議員選挙と、大きな選挙が続きました。
事務事業評価には、職員が他業務と兼任していることによる非効率さも課題として記載されています。
今後の人員配置について確認したところ、専任を含めた体制強化を希望しているとのことでした。
また、以前から検討されている三鷹駅北口付近への期日前投票所についても確認。さまざまな可能性を検討しているものの、現時点ではまだ難しい状況とのことでした。
■数字の変化から、住民の変化を見る
住民異動のデータについても確認しました。
出生数が減少していることに加え、「その他」に分類される住民異動手続きが大きく減少していたため、その内容を質問。世帯合併などの細かな手続きが含まれているとのことでした。
一方、「住民異動届出期間経過通知」は増加。
こちらはコロナ禍に届出期間の取扱いが緩和されていた影響があり、その後通常の運用に戻ったことも背景にあるとのこと。
決算書や事務報告書には、こうした一見小さな数字の変化がたくさんあります。その理由を一つずつ確認すると、市民生活や行政の変化が見えてきます。
【ここから民生費】
■福祉の相談窓口、本当に利用しやすい?
福祉総合相談、高齢者、障害者福祉などの窓口について、混雑状況がわかる資料を求めました。
2月の一部の期間での平均来客数を見ると、生活福祉課41人、高齢者支援課43人に対し、障害者福祉課は80人。
窓口の数や相談にかかる時間も異なるため単純比較はできませんが、「どの窓口で、いつ、どのくらい待つのか」まで把握しなければ改善にはつながりません。
市でも現在、相談時間や件数などを含めて分析中とのこと。
市役所に相談に来る時点で、何らかの困りごとを抱えている方も多いはずです。できるだけ待たせない仕組みを考えてほしいと思います。
■利用実績が変わったら「なぜ?」を見る
決算では、前年との数字の違いから見えてくることもたくさんあります。
「保育所等訪問支援」は、以前確認した際には年間2件でしたが、今回は7件に増加。相談自体も増えているとのことでした。
移動支援・日中一時支援では、全体の利用が増える一方、児童の利用時間は減少。その背景を聞くと、以前は放課後等デイサービスに入れず、代わりに移動支援を利用していた実態もあったとのこと。
ショートステイも利用が大きく伸びていますが、「わくらす」が利用しやすくなったことや、人員確保などが影響しているとのことでした。
数字が変わったとき、その背景まで見ることで、「何を変えればサービスを使いやすくできるのか」も見えてきます。
■「登園許可証」は本当に必要?
今回かなり気になったのが、登園許可証などの証明発行です。
事務報告書では、認可外102件、認可保育所1,331件、市立保育園165件。
これだけの証明を医療機関に求めることが、小児科の予約の取りにくさなどにつながっていないのか。
そもそも何のために必要なのか、今のやり方が本当に必要なのかを問いかけました。
園長会でも話題になっているとのことで、市も検討していきたいとの答弁でした。
これまで当たり前にやってきた手続きも、「今も本当に必要なのか」という視点で見直すことが必要だと思います。
■産前産後ヘルパー、ベビーシッター。「制度はあるけれど予約できない」をなくしたい
産前・産後支援ヘルパーについて、過去5年間の改善要望や「予約が取れない」という問い合わせについて資料を求めました。
利用家庭数が増えている一方、「予約が取れない」という問い合わせは10件まで増加。利用期間や時間を延ばしてほしいという声もあります。
ベビーシッター利用支援についても同様です。
制度をつくって終わりではなく、
「申し込もうとした人が、本当に利用できたのか」
まで見ていく必要があります。
利用件数だけでは見えない「利用できなかった人」の存在を、もっと政策に反映したいと思っています。
■養育費を受け取れない人への支援
養育費確保支援事業は、年間10件前後の利用があります。
この制度を利用できる方への支援はもちろん重要ですが、それでも養育費を受け取れない人をどう支えるのか。
自治体によっては養育費の立替払いなどに取り組む例もあります。
「制度を利用できた人」だけではなく、その制度でも救えないケースまで見て、次の支援を考える必要があります。
■保育の「質」をどう確認する?
保育所への指導検査についても確認しました。
実地検査59件、業務管理体制指導検査18件。重複はなく、安全管理や会計などさまざまな観点から確認しているとのことです。
一方で、1日がかりになることもあり、検査する側・される側双方の負担も大きい。
検査を何件行ったかだけでなく、「検査によって何が改善され、保育の質や安全性がどう高まったのか」まで評価していくことが重要だと考えています。
■学童とあそべえ。「預かる」だけでなく、その先へ
学童クラブの保護者アンケートなどからも、いくつか質疑しました。
普段と違う部屋になっていたことで1年生が場所を把握できず、駅周辺にいたケースや、学童に行かず帰宅してしまったケース、子ども同士・支援員とのトラブルやけがなどもあります。
安全管理の観点から防犯カメラについて質問したところ、前向きに検討するとのことでした。
また、育休中の学童利用、学習支援、4年生以上の居場所についても議論。
特に気になるのが、学童を卒業した後の選択肢として「あそべえ」が十分にポジティブな選択肢になっているかということです。
市からも、現状では低学年向けの遊びが多くなっているとの認識が示されました。
高学年が行きたくなる居場所とは何か。学習支援なども含めて考えていきたいところです。
■病児保育と、多様な保育ニーズ
病児保育については、中央エリアの今後について確認。市も事業者と連絡を取り合っていますが、現時点ではまだ物件を探している状況とのことでした。
そして今回、特に調べたかったのが「多様な保育ニーズ」です。
日曜日に働く人。
平日の夜に働く人。
曜日が固定されていない人。
働き方が多様になっている一方で、行政の保育サービスは、こうした働き方への選択肢がまだ非常に限られています。
さらに、保育コンシェルジュは基本的に「今ある選択肢」の中から提案する仕組みです。
つまり、今あるサービスでは対応できないニーズは、相談の中でも見えにくくなってしまう可能性があります。
市からは、現在の保育コンシェルジュとしてできることはかなり充実しており、この枠組みだけでは限界もあるため、今後は他課とも連携して広げていきたいとの話がありました。
これはとても重要だと思っています。
「ある制度から選んでもらう」だけではなく、
「どんな選択肢が必要とされているのか」を知り、制度そのものを広げていく。
そして、決算の数字に表れる「使えた人」だけでなく、「使いたかったけれど使えなかった人」も見る。
総務費から民生費まで幅広い質疑となりましたが、制度や事業を「実施した」で終わらせず、実際に機能しているのか、その先にどんな改善が必要なのかを考える2日目となりました。

