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活動報告

住民投票条例案への討論原稿

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。定例会終了後、多数のお問合せをいただいている住民投票条例案への討論原稿をまず掲載いたします。 定例会の各議案への振り返りについては会派で行っているところのため、数日後に掲載予定です。 以下原稿です。読みながらアレンジしているところもありますため、正確な文言は市議会の議事録掲載をお待ちください。また作成については会派ワクワクはたらく2名(宮代一利・本多夏帆)で行いました。 当日の読み原稿 ワクワクはたらくを代表し、住民投票条例案に対し、右でも左でもない市民の声を代弁することを念頭に、反対します。今日までひたすらに市民の声に耳を傾けてきました。この15分はどうか私たちの話を聴いてください。 私たちが考える主な問題点は3つです。 第一に、住民投票制度そのものについての市民理解が得られていないことです。住民投票制度というものは、議会が機能不全に陥っている際により有効とされる、民主主義における手法のひとつです。この前提がある中で制度設計を行っていくことが求められますが、今巷で議論されていることは「外国人を含めるか否か」この点ばかり。この点については右左で考えがきっぱりと分かれている様相ですが、本来議論されなくてはならないのは制度全体の設計であり、また本来の目的を達成するためにより良い内容とすることが求められますが、現段階においてそこまでの議論を行うことはできていないに等しいと思います。また、市長は先日の答弁において「住民投票制度がここまで知られていないとは思わなかった、成立後に周知広報を徹底したい」という趣旨の発言をされていましたが、周知広報するのは制度成立後ではなく前と私たちは考えます。 第二に、この条例の制定過程において、リスクマネジメントが不足している点です。私たちの会派は第六期長期計画の流れから、今回外国人を含めることについて否定するものではないという考えをベースに、3月の骨子案から市民の動向を見てきました。3月・8月とどちらの市民意見交換会にも参加した唯一の議員が私ですが、この要件が設定された経緯は、これまでの武蔵野市が市民を広く取る定義づけを行ってきており、そのことから導き出した答えであると想像しています。その点については第六期長期計画や自治基本条例の議論からの経緯があり、その中での市民参加においても丁寧に議論してきた方々が存在することは事実です。そうした活動をされてきた市民の方々や向き合ってきた職員に対し、感謝と敬意を表します。 その一方で本来リスクマネジメントとして考えるべきは、市側の説明にあるように「特定の意図を持った集団」であり、それは日本人であっても外国人であっても変わりません。何か悪いことをする人は国籍など関係なくその個人が悪い、それだけです。民主主義において実際に不正の歴史はあり、それに対してどこまでリスクマネジメントを行うことができるか、それを踏まえた条例の中身と規則が求められます。このことは3月からの議員に対する意見募集時に何度も申し上げてきたことですが、今のところ私たちの意見による修正や対応はなく、細かいことは制定後にとされていると思います。しかしこれだけ思想により意見が真っ二つに分かれる提案をする中で、どちらかに寄せた内容を設定するのであれば、それこそバランスを取るあるいはリスクヘッジをし、完全なる納得は得られなくてもこれだけやりましたと説明する責任があるでしょう。ここが今回の案の実現可能性を最も損ねた部分と考えます。そもそも市民の定義を広く取ったのですから、その広い市民に対し複数のやり方の組み合わせであっても公平に意見を発する機会を作ることが本来の目的から求められることであり、この住民投票制度で国籍だけがクローズアップされてしまったのは、公平性を担保する全体的な提案がなくリスクへの対策不足が原因として大きいと思います。 第三に、政策目的と手段、プロセスの妥当性、そして優先順位です。この制度は何のために制定するのでしょうか。本来の目的は市民自治の推進ですよね。今武蔵野市が抱えている市民自治の課題については、第六期長期計画でこのように述べられています。引用します。 「本市の市民自治による市政運営や共助のまちづくりは、活発な市民参加と協働の取組みにより支えられてきたが、参加する市民の固定化に伴い、市民参加の裾野の拡大が課題となっている。高齢世代のほか、まちの将来の担い手として期待される若者、子育て世代、転入者等の市政や地域への参加を促し、その活動を支援して、地域への愛着を高め、市民自治によるまちづくりの発展を図る。より丁寧で効果的な市民参加手法を整え、市民・市民団体をはじめとする様々な主体との連携・協働の取組みを推進していく。」 引用終わり。この内容に沿い、1つひとつ計画的に施策を打ち出していくことは理解できます。しかしそもそも課題となっている「参加する市民の固定化」の部分、これを打開することなく施策を打っていったらどうなると思いますか。今がその答えではないでしょうか。計画などの策定委員会のメンバーは、有識者含め同じ方ばかりになっていませんか?市民意見交換会や意見募集は多様な方が参加できるようにしていますか?などと、私たちはこの2年半繰り返しお伝えしてきました。 そしてプロセスにおいて、計画に則り事業を行っていく中で、コロナ禍では事業の見直しなども多数行われてきました。そうした有事の際に見直しをすることは大変大切ですが、こうした制度を策定するにあたり、途中でさまざまな意見が出てきたときにどこかで立ち止まることはできないのでしょうか。私は2回とも意見交換会に参加したと言いましたが、立ち止まることができたならそれは8月の意見交換会だったかなと考えています。参加者は10名と少なかったものの、賛否両論そしてなぜ今なのかという優先順位を問う意見は出ていました。これはその後のパブリックコメントにおいても、言うならば当初3月の意見募集や無作為抽出アンケートで反対意見が出ていたのは事実です。多様な意見が出てきたときにそのまま突き進むことが本当に望ましいのか、今回のことで分かったと思います。というか分かって欲しいです。これは先日の吉祥寺東部まちづくりの件でも起きたことで、市民とのコミュニケーションが不足した結果生じるのはまちの中における「分断」です。こんなこと市民は望んでいません。 市民の方の中には、自分は反対だけれどもきちんと議論したうえで賛成に決まるならそれでいいという意見や、今回クローズアップされることになってしまった外国にルーツを持つ方々にもさまざまな考えがあること、また中学生からも自分たちは何も知らされていない、議論に加わりたいという声などをもらいました。 一方で、話を聴いて欲しい!という中で「対話」にならないケースも多数ありました。最も良くないのはずっと話題になっていますが、ヘイトスピーチですね。ヘイトスピーチ、許さない!のポスターが庁内にあるのでホームページを見てみると、民主主義社会とヘイトスピーチというわかりやすいコラムがありました。例えば生徒会で役員を選ぶといったとき、以下引用ですが、もし意見の対立する相手方やグループに対し,一方的にクラスから排除することを主張したり,危害を加えるようなことを言って脅したり,著しく見下すような悪口を言うなどして,その人格を攻撃するという人が出てきたとしたら,どのような事態が生じるでしょうか。個々の児童や生徒の人格や尊厳が深く傷つけられ,場合によっては,非難の応酬や,あるいは沈黙が生まれ,クラスの中に回復し難い分断が生じてしまい,正常な議論や討論はできなくなることでしょう。〜中略〜選挙運動の自由や,表現の自由という大切な権利も,その使い方を誤ると,その基となる民主主義それ自体を壊しかねず,そうなれば,表現の自由の行使それ自体が危ぶまれる事態につながりかねません。引用終わり。このことは、考えを伝え合う中で守らなくてはならない大切な一線です。この間議論する中で一人ひとりがこのことを全うできていたでしょうか。 さて、法的な解釈論において、時の判断を下すのは裁判所です。今回の説明の中で「合理性」という言葉が散見されましたが、こうした解釈を生む言葉は、結局のところ意見をひとつにまとめることはできません。法解釈は論が立てば成り立つのですから、ある意味自由、それぞれが考え、それぞれの結論を導き出すものです。市もそうしたわけですが、賛成派も反対派もそれぞれの論を立てた。このことについて互いに論戦をすることは素晴らしいことですが、相手に対して裁定を下すのは自分ではない。論が成り立っているならそれは互いに尊重すべきものです。時の判断と言いましたが、裁判も多数決、政治も多数決です。正解は分からない。絶対はない。だからこそ対話が必要で、どのような前提条件に立っているのか、どういう背景なのか、そんなに単純な話ではないのです。今回はあまりに論点が単純化され、自分とは異なる考えを否定することが目的化されてしまったように感じ、とても残念に思っています。 中立派の会派として、これまで市長の提案であるパートナーシップ制度や子どもの医療費助成の拡大など賛成をしてきました。それは、そのことがまちの中でポジティブな機運の醸成に繋がると考えたからです。しかし、今回の案と今の状況でこれを可決することで、武蔵野市が目指す多様性を認め合うまちづくりが推進されるとは思えません。また、自分が推進したい案なら手続き論は甘く、反対したい案なら厳しくという姿勢は一貫性がないことからも、この決断へと至りました。 この条例案が通らなかったら、どうなるんですか?と以前に職員の方に聞いたことがあります。私たちはこの制定過程を見守ってきた立場から、反対という意思を表明することは大変苦しいことでもあり、合意形成をしていくことについて、自分たちにも非がないとは言えないと思っています。それでも今回勇気をもって初めてブレーキを踏むことを決めました。そこには職員の方の「もしこれがダメになっても、またきちんとやり直すだけです」という強い、頼もしい言葉があったからです。私たちもまた一緒に頑張らせていただきたいと心から思っています。 最後にお願いがあります。市民を含む全国の皆さん、そしてメディアの皆さまへ、今回武蔵野市のこの条例の結論を見て、外国人の部分だけを取り上げて争点にしないでください。条例案を検討するということはその一点だけで結論づけられるものではなく、さまざまな視点によって結論が導かれます。各議員の出した結論には、このようにそれぞれ理由があります。そこをぜひ捉えて今後も議論をしていただきたいです。 そして市民の皆さまへ、これで終わりにしないでください。今回特にご意見をいただく中で気になっていたのは、これまでは市に全てお任せしてきたが今回は意見を言いたい、特に「ちょっと待って」という声が多かったことです。私たちは、今回市政に興味を持ったという方々と武蔵野市の繋がりを失いたくないと思ったことからも、この結論を選びました。信頼して任せる、確かにそれも大切なことです。しかし、この地域の投票率を見ても40%台、多くの方が市政に対してあまり関心を寄せられていないように見受けられます。そういった状況の中で、市役所の方々も、そしてこれまで地域で活動をされてきた方々も、一生懸命にやられていることは事実だと私たちは思っています。市政というのは、市民のためのものです。できる限り多くの市民が関わっていかなくては、議論は充実していきません。暮らしの中で余力があればぜひ関わっていただきたいですし、そうでなくてもまず情報を受け取ること、そして対話をするために、市民の声を聴きこのまちの未来を考えるために議員がまちの中に26人います。政治の話はタブーではありません。自分たちが暮らす目の前の、足元の話です。ぜひこれからも関わっていただきますようお願いして、本条例案に対し反対の討論といたします。 なお、関連する陳情につきましては、私たちは前述したように外国人を含む要件については否定するものではなくもっと議論しましょうと考えることから、前提となる部分で多少異なる考えを持っていますが、趣旨として本条例案を再検討するという部分には賛同するため、採択の立場を取りますことをあわせて申し上げておきます。以上

活動報告

11月末に行った一般質問の読み原稿と動画

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 11月末に行った一般質問の動画がアップされたのでお知らせします。 こちらの議会中継動画議員別ページに、私の過去の質問動画がまとまっていますので、ぜひご覧ください。 以下、当日の読み原稿です。話しながらアレンジしているところもありますが、あわせてお読みいただければと思います。 感染症の見通しや取り組みの検証、市政における合意形成のあり方等について 1.新型コロナウイルス感染症の見通しや取り組みの検証等について (1)現在における、新型コロナウイルス感染症の今後の見通しについて伺う。 前回の一般質問においても、今後の見通しを伺いました。この時は自分の子どもの病院で「悪化しても入院するところはないと思ってください」と実際に言われたり、夏休みが明ける学校についてさまざまな意見が交わされたりしていた頃です。2、3ヶ月で全く異なる状況になるということがこの感染症対応における大きな特徴でもあると思います。この数日でまた新たな展開も報道されており、第6波について焦りや不安も見られ始めています。 この次の展開を確実に捉えていくことは当然難しいことですが、市としてどのような見通しを持たれているか、教えていただければと思います。 なお、この間、ひたすらに対応に追われてきた方々が今少しでも休息を取れていることを願います。気を張った状態がずっと続いてきたと思いますし、これは市民の方々も同様です。まだ終わったとは言えない状況ではありますが、少しホッと気が抜ける時が持てるといいと思っています。 (2)コロナ禍における市政の各種取り組みについて、いつどのように検証を行うのか、具体的な取り組みについて伺う。 今回の令和2年度の決算審議も一つの機会と考えていますが、取り組みの振り返りを行うことは大切です。PDCAサイクルが行政の資料にもよく見られますが、私たちはそこにanalysis分析・観察といったことや、try・challengeといったスピーディーに挑戦していくという要素を入れていくことも重要であると考えています。 先日他の議員の一般質問でもこれまでの感染症対応についての質疑がありましたし、代表質問でも行政評価について会派から質疑させていただきましたが、今回のコロナ禍という事象における取り組みの効果検証をどのように行うことを想定されているか、すでに取り組んでいることもありましたらそれも伺えましたら幸いです。 以前市長がスペイン風邪の記録を読んだとおっしゃっていました。そうした記録に残していくことも将来の市政や全国自治体での取り組みにとってとても大切なことだと思います。 2.市政における合意形成のあり方について 令和3年度の予算審議において会派からの資料要求として、市民意見交換会の参加人数とパブリックコメントの意見提出数を聞かせていただきました。今回の質問はその続編です。 (1)令和3年度における、市民意見交換会の参加人数と、パブリックコメント意見提出数を伺う。 令和2年度までの5年間のデータは前回いただきましたのでそこから今までの半年くらいのことを追いかけたく、今回この質問をしました。私自身、行財政アクションプラン、住民投票と連続してこの春の市民意見交換会に参加しました。がしかしその参加者は2、3名。このことについてすでに予算審議の際に会派から質問をしています。 予算審議の時には、こういった数をそもそも増やしていこうと思っているのか、テーマによっては来ているからいいとするのかという質疑を宮代議員がしました。それに対する市のお答えは、いずれも緊急事態宣言下での開催であったと感染症の影響がある考えていらっしゃる中で、基本的には増やしたいと考えていて、さまざまなツールを使って努力していきたいと答弁されているのが議事録に残っています。 コロナ禍において、意見交換会の数字が落ちるのは仕方のないことだと思います。しかし、そうであればその分がパブリックコメントの数に乗ってこないといけない、このことはこの予算審議の時にも申し上げたことです。 そもそもの数を増やそうと考えるのであれば、それはこの機会を周知するということだけでいいのでしょうか。そもそもこのテーマに興味関心がないという状態であれば、まず興味関心を持つというところへのアプローチが必要と考えます。当然それは市だけでなく市議会にもある広報広聴の役目であると考えていますし、今のこの住民投票条例案における紛糾というのも、自身の行動を振り返り、反省しなくてはならないことが多々あると思っています。 市長は代表質問の際、この間十分にやってきたというお考えでしたが、そもそもの数を増やすという、興味関心を持ってもらえるような取り組みについてはどうだったのかなと感じています。この点についてもお答えいただければと思います。 (2)コロナ禍においては市民とのコミュニケーションが取りにくくなったと考えるが、市の見解と、この期間における市民とのコミュニケーション実績、工夫や成果につき伺う。 今度はコロナ禍における市民とのコミュニケーションの話です。代表質問の時にも触れましたが、市長の施政方針にある「意見が異なっていても対話を大切にする、できるだけ多くの方に賛成してもらえるようにする、最後は自分が判断を行う」ということ、これは非常に大切なことだと考えます。この市のリーダーとして求められることだと思います。 どんな施策でも賛否は分かれます。100パーセント賛成!ということはほとんどないに等しいのではないかとも思います。だから政治がある。裁判したって、裁判官の意見は分かれるわけなので、最後は多数決になる。法解釈というのはそれぞれに根拠があり、異なる結論を導き出すことができます。だから、私とあなたは絶対に分かり合うことができないということも当然あるわけです。それでも意見を聞く機会があったか、異なる意見であっても、納得してもらうことができなくても、誠実に向き合ってきたと言えるか。 ちょうど一昨日のことですが、ケアリンピック武蔵野に厚生委員として出席をさせていただきました。長くお勤めの方の表彰があったり、大学生の皆さんとのコラボレーション企画があったりととても素晴らしいプログラムでした。そしてさまざまな演題、事例が発表され、感染症下で介護や看護に携わる方々がどのような課題に直面していたのか、非常に生々しい実態を知ることができ、お招きいただいたことに感謝しています。 アーカイブも配信されるとのことなのでぜひたくさんの方に見ていただきたいと思っているのですが、ここでも大切とされていたのはコミュニティという概念であり、それを実現していくための対話ということでした。 演題発表で最優秀賞を取られた方の言葉では、対話とは新しいものを一緒に作り出すためのものであり、さらには相手の方の自己決定を支援するものということもおっしゃっていました。相手の話をよく聴き、その上で話し合うこと、それにより異なる考えであったとしても、ある程度のところまでは納得した上で自己決定ができる、この対話というスキルをより多くの方が身につけ磨いていけば、ともに暮らす社会での日々がもっとより良いものになるということでした。 私は吉祥寺東部まちづくりの住民説明会に参加して、本当にこれで良かったのだろうかという気持ちが拭えません。5月の建設委員会で特段反対はなかったと、市は説明されました。確かにそうです。 ただ議事録を読むと私のところだけでも、これは結構大きな話で、さらっと出てきているが吉祥寺はさまざまなところに関わっている、相手方だけではなくまちづくりに関わっている方々とコミュニケーションをとり、非常に丁寧に進めて欲しいと要望しています。これが「反対はなかった」の一言に込められてしまったことは非常に残念ですし、何より残念だったのはもう結果が決まっている中での説明会においてそのことを伝えず、事業の経緯の説明に終始したことです。 すでに決まっていることを変えることはできない、それは分かります。市と市民の行き違いについても、先日の代表質問で取り上げられていました。もう止められるようなタイミングではなかった。だとすればやるべきことをどこに見出すか、それは市民との対話だったのではないでしょうか。 意見は異なるけれども私たちはここで暮らしていくわけです。その説明会の後の市と市民との関係性について考えれば、そこで誠実に向き合うことが未来に繋がる、そう考えられなかったでしょうか。私はこの一件も今回の住民投票条例案の紛糾に繋がっていると考えています。改めて市が取られてきた市民とのコミュニケーションにおける工夫、実績などを教えてください。 3.投票率の向上と政治への関心を高めることについて 毎回選挙後にテーマとしております。(1)令和3年度に行われた武蔵野市長選挙・衆議院議員選挙につき、投票率向上に向け取り組んだことと、今回の結果を踏まえた今後の課題について伺う。 (2)政治への関心を高めるために、市(学校を含む)が取り組んでいること、今後取り組もうとすることについて伺う。 怒涛の選挙年が終わろうとしています。選挙がない、あるいは少ない時にこそ、ベースとなる活動が大切です。今日は興味関心を持ってもらうという取り組みについてお話させていただいてきましたが、特にこの政治への関心というのが市政への関心にも繋がるベースの部分です。 例えば、文部科学省の主権者教育推進会議では、品川区の小学校においてマニュフェストを作成したり、足立区の中学校では模擬区長選挙として生徒の中から候補者を立て政策の演説を行ったり、また足立区の選挙管理委員会は18歳からの投票立会人を募集、初めて投票した人に記念証書を渡したりする事例が報告されています。武蔵野市や学校の取り組みについてお聞かせください。 4.市民からの相談や過去の一般質問等よりピックアップした事項について 継続的に取り上げさせていただいていることについて伺います。(1)柔軟な子育てと働き方の実現に向け、多様な保育ニーズの調査検討の進捗について伺う。 待機児童ゼロは達成されましたが、実際まだまだ希望のところに入れないというのが事実であり、ゼロと書いてあったから油断した!という声も聞きます。私はそもそも100かゼロかという保育ではなく、30でも70でもいいではないか、そうすれば今ある枠をシェアできるのではないかということを価値観として訴えてきています。 これについて市長からはまず待機ゼロ、それから多様な保育ニーズへとの説明をいただいており、その方針で進んでいることは認識しております。子どもプランの策定時にも伺いましたが、多様な保育ニーズの調査検討についての進捗を教えてください。 (2)認可保育所の定員を増やしたことによる、認可外保育所や幼稚園等への影響について伺う。 三鷹エリアで長年活動されてきた幼稚園が閉園になるということで、驚きの声が聞かれました。当然さまざまな理由があると思いますが、市の考える、認可保育所定員増加による認可外保育所や幼稚園等への影響について教えてください。 (3)自転車での「ながらスマホ」や「子どものノーヘルメット」に対する施策と今後の検討について伺う。 これまでにも何度か取り上げてきていますが、依然として減らない、むしろ増えているとも感じる事象です。ただ周知広報をするのではおそらく変わらないのだろうとすら思います。市の施策と今後についてお聞かせください。 (4)この秋に実施された、男女平等推進センター主催の社会学関連講座が子育て中の女性を限定対象としている。また、女性弁護士による離婚についての講座も女性が対象となっている。子育ても離婚も性別を問わず直面するものと考えるが、これらの背景と意図を伺う。 毎度のことながらですが、こうしたチラシが手元に届く度になぜ?という思いが止まりません。事務報告書を見ていたら昨年度も同じ社会学講座が行われていたことも分かりました。転勤のご家族に向けたイベントも転妻として妻限定になっていますよね。三鷹市は転ファミとファミリーに変えています。男女平等と言いながらも男女平等になっていないと感じますが、市の考えを教えてください。 以上 議会中継動画議員別ページ

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活動報告

本会議で決算が認定されました

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。今日の本会議において、令和2年度の決算が認定されました。 この1年はとにかく毎日状況が変わり延期に中止の嵐で本当に難しい事業年度でした。 その討論(意見を述べる機会)において、以下を読み上げましたので掲載しておきます。 ワクワクはたらくの討論原稿 ワクワクはたらくを代表し、令和2年度の決算の認定につきまして賛成の立場で討論いたします。一つひとつの事業については委員会で述べましたので、全体に共通することを述べます。 今回は委員会審議の冒頭に触れましたが、この1年の経過を踏まえた第六次行財政改革の基本方針にある理念から、基礎自治体の根幹であるセーフティネット機能の重要性に立ち返るという部分の必要性をよくよく感じる、そんな事業年度であったと感じています。互いに心身の健康を守ることの重要性や、これまで見えていなかったものを見る・知ることの大切さを実感した1年でもありました。 社会が困難な状態にあるとき、市民と行政の繋がりはより広くより深くなります。これまで武蔵野市が築き上げてきた関係性により支援することができたもの、今回新たに築くことができた繋がり、これは今後の地域における協働にも発展していくものと考えます。 その一方で、混乱や不安、そして不満へと繋がってしまったことも多かれ少なかれあったということは認識し、次に繋げていかなくてはなりません。特に私は「情報共有」という部分において、その難しさを実感しています。 自治基本条例においてはこの情報共有から市民参加、そして協働へというサイクルが描かれていますが、このスタートとも言える情報共有が機能しないと、自治のサイクルは回っていかないのです。今回のような非常時においては特に、情報を発信するほうも、そして受け手にも、クリアしなくてはならない課題が多数あったと思います。 事業としましてはこの年にやろうとしていたことをだいぶ次年度に送りましたので、その意味ではこれからがまた大変ということもありますが、状況の変化をきちんと反映していくというメリットもあります。 加えて、この1年の中で失った機会をどうリカバリーさせていくのかという課題もあります。代替策もさまざま取り組んでいただいたと理解していますが、新たに見えた課題も踏まえ、新しい形で取り組み直すことも求められていると思います。 最後に、私は今回、これまで見えなかった「市民」が少しまた見えるようになったのではないかと感じています。日頃から行政と繋がっている市民はいったいどれくらいいるのでしょうか。行政からはどこまでの市民が見えていますか? 産業振興のところでは地域の実相という言葉を使っていただきましたが、繋がりたいけど繋がっていない市民、普段繋がろうとは思っていない市民、さまざま違いがありますが、すべてが武蔵野市民です。自治基本条例には市民の責務も定められています。このことが広く行き渡っていると言えるでしょうか。この感染症という有事を経験し、今一度これからの武蔵野市を考える、ポジティブな機会に繋げていきたいと考えています。 以上、変化に対応しつつ着実にかつ丁寧に事業を進めていく市政を今後も期待しております。とにもかくにも大変な1年でありました、ご尽力いただいた職員の皆さま、令和2年度もありがとうございました。 ※市民の責務としたところが正しくは市民の役割でした。お詫びして訂正いたします。

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令和2年度決算特別委員会が終了

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。今日まで4日間に渡り審議してきた決算特別委員会が終了しました。 今回の決算期はまるまる感染症下という異例の状況で、かなりの事業が中止や延期、代替策に変わったり、国や都のお金がどーんと入ってきての新規事業など、とにかくイレギュラーだらけの1年間で決算審議もいつもと違う様相でした。 本当に必要なもの、変えられるもの、新たに考えなくてはならないこと…この1年によりさまざまな変化が市政にも表れたと思います。 木曜日の本会議にて決算の認定が行われますが、ひとまず各テーマにおいて私がした質問項目と、最後に討論といって意見表明のようなものの原稿を掲載しておきます。 監査委員審査意見・人件費及び総括○経常収支比率の評価、他市との比較ではなく市の傾向としてどうか○第6期長期計画時の財政シミュレーションとのずれはどうか○休職や復職、退職といった職員の人事において感染症の影響はどうだったか 歳入○ふるさと応援寄附の仕組みの中で全市的に多様な事業者が関われるようにしていけるか 議会費○議会のインターネット中継拡大による反響や今後の課題は 総務費○子どもコミュニティ食堂事業の支援において市に求められていることは○職員のメンタルヘルス対策、安全衛生の取り組みや外郭団体への指導などは○市長への手紙の傾向、青少年からの手紙はあったか○市民と市長のふれあいトーク中止なかったが予算余っている原因は○自治基本条例シンポジウム中止残念、再チャレンジや他の手法は○アンケート作成時における専門家の存在の有無は○男女平等推進におけるイベントの作り方、排他的にならないために 民生費○多様な保育ニーズへの対応費用増の原因は○保育関連手続きでの電子化、ICT活用の見通しは○ひとり親家庭訪問型学習支援事業の動向や他の事業との関連○成年後見制度の実績、感染症の影響、周知広報への課題は 衛生費○感染症下での妊産婦ケア、中高生や若い世代に傾向見られたか○受動喫煙対策トレーラーハウスよかった、他の私有地特に外での喫煙状況まだまだあるがどうか○ごみ処理費用の資源ごみ高い理由、10年間ごみの量減らない理由○効率的なエネルギー活用推進助成金の利用状況と効果は○環境フェスタなど啓発されているが評価と今後の見通しは 労働費・農政費・商工費○産業振興から事業者を助ける福祉的役割が重要になったと考えるがどうか○支援から漏れてしまう働き方をしている方々に向けた今後の支援体制は 土木費○自転車事故も感染症下で一時減ったが今年は激増している、中町集会所の交差点止まれが横断歩道マークに変更されたが通学路でもあるが警察との連携は 消防費○多数訓練や防災イベントなども中止や縮小になり残念だが、訓練の評価や避難マニュアルなどの感染症対応の進捗はどうか 教育費○休校の時期の抑圧された生活、子どもたちの精神面での変化などは○感染症下での価値観の違いによる難しさ、求められるリーダーシップと対話や情報共有体制については○点検及び評価報告書の有識者コメントをどう受け止めているか○教職員の働き方改革、専門的なことに集中できる体制を作るためには○不登校ゼロを目標にしていないか、地域にさまざまな居場所を 公債費・諸支出金・予備費○なし 3特別会計○国保においての計画中間評価、女性の自殺多い傾向?○国保の計画評価のやり方工夫が必要、今後の方針は 締めくくり総括○なし ▼委員会討論ワクワクはたらくを代表し、令和2年度決算を全て賛成の立場で討論します。今回は冒頭触れましたが、この1年の経過を踏まえた第六次行財政改革の基本方針にある理念から、基礎自治体の根幹であるセーフティネット機能の重要性に立ち返るという部分の必要性をよくよく感じる、そんな決算期であったと感じています。 互いに心身の健康を守ることの重要性やこれまで見えていなかったものを見る・知ることの大切さを実感した1年でもありました。 この年にやろうとしていたことをだいぶ次年度に送りましたので、その意味ではこれからがまた大変ということもありますが、状況の変化をきちんと反映していくというメリットもあります。 一方で、この1年の中で失った機会をどうリカバリーさせていくのかという課題もあります。代替策もさまざま取り組んでいただいたと理解していますが、新たに見えた課題も踏まえ、新しい形で取り組み直すことも求められていると思います。 変化に対応しつつ着実にかつ丁寧に事業を進めていく市政を今後も期待しております。とにかく大変な1年でありました、令和2年度もありがとうございました。

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2021年11・12月議会での一般質問と今後の予定

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。 現在、武蔵野市は住民投票条例の件で大きな注目を集めています。11月19日から本会議がスタートするため、議員はそれぞれ議会に向けて準備中です。 今回は市長選後はじめての議会となるため、市長による「施政方針演説」があり、議員からはそれに対する代表質問と、いつも通り自由テーマの一般質問とが行われます。 代表質問をする議員は一般質問できないので、いつもより一般質問を行う議員は少なくなります。今回私はギリギリの提出となり、10番目の質問者となりました。おそらく29日の登壇です。 これから読み原稿と再質問の準備をしますので、まずは通告書通りの質問項目のみを記載します。 なお、議案で出るものについては一般質問で取り上げられないルールとなっているため、住民投票条例の件を直接的に質疑することはできません。   感染症の見通しや取り組みの検証、市政における合意形成の存り方等について (要 旨) 新型コロナウイルス感染症の見通しや取り組みの検証等について (1)現在における、新型コロナウイルス感染症の今後の見通しについて伺う。 (2)コロナ禍における市政の各種取り組みについて、いつどのように検証を行うのか、具体的な取り組みについて伺う。 市政における合意形成の存り方について (1)令和3年度における、市民意見交換会の参加人数と、パブリックコメント意見提出数を伺う。 (2)コロナ禍においては市民とのコミュニケーションが取りにくくなったと考えるが、市の見解と、この期間における市民とのコミュニケーション実績、工夫や成果につき伺う。 投票率の向上と政治への関心を高めることについて (1)令和3年度に行われた武蔵野市長選挙・衆議院議員選挙につき、投票率向上に向け取り組んだことと、今回の結果を踏まえた今後の課題について伺う。 (2)政治への関心を高めるために、市(学校を含む)が取り組んでいること、今後取り組もうとすることについて伺う。 市民からの相談や過去の一般質問等よりピックアップした事項について (1)柔軟な子育てと働き方の実現に向け、多様な保育ニーズの調査検討の進捗について伺う。 (2)認可保育所の定員を増やしたことによる、認可外保育所や幼稚園等への影響について伺う。 (3)自転車での「ながらスマホ」や「子どものノーヘルメット」に対する施策と今後の検討について伺う。 (4)この秋に実施された、男女平等推進センター主催の社会学関連講座が子育て中の女性を限定対象としている。また、女性弁護士による離婚についての講座も女性が対象となっている。子育ても離婚も性別を問わず直面するものと考えるが、これらの背景と意図を伺う。   今後のスケジュール 予定として書いておきます。都度変更などもあるので、武蔵野市議会ホームページも合わせてご確認ください。 11月19日(金)/本会議:市長による施政方針演説 11月24日(水)/本会議:施政方針に対する議員からの代表質問 11月26日(金)・29日(月)/本会議:議員からの一般質問・議案上程・委員会付託(終わらなければ30日も) 12月1日(水)~3日(金)・6日(月)/決算特別委員会:令和2年度決算の審議 12月9日(木)/本会議:決算特別委員会の多数決 12月13日(月)~17日(金)/各委員会:付託された議案を審議 12月21日(火)/本会議:各議案の多数決、終了後に議会広報委員会 公開されている会議はこのように飛び飛びの日程ですが、合間に委員会の委員長報告原稿が作成されるなど、さまざまな日程が設定されています。 怒涛の約1か月間となりますが、ぜひご注目いただけますと幸いです。Twitterでも日々発信を続けています。よろしくお願いいたします。

活動報告

吉祥寺東部地区のまちづくりについての説明会に参加して

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。一気に寒くなりましたのでどうぞご自愛ください。 さて、吉祥寺東部のまちづくりについて、先週市が説明会を開きました。具体的に土地の売買や駐輪場の再編成などを行うにあたっての説明会です。 当初、このような会の予定はありませんでしたが、5月の議会への説明以降、SNSなどでも話題にのぼり、市も説明の必要性が生じたとし、急遽行われたものです。 私はこの2年半議員をしていますが、こうした説明会が事業途中で急に設定され、また当日市長・副市長が参加となったことも、初めてのことでした。想定を超えておおごとになったという印象を受けます。 会から数日が経ち、おおよその経緯についてはさまざまなところに出ているので、今回は皆さまに一緒に考えていただくべく、主にプロセスにおいての私の考えを記します。 これまでの流れ 簡単に流れを説明しておきます。前提として今回の市の事業は、吉祥寺ヨドバシ裏のエリアにおけるまちづくりの一環として、土地を売買したり、駐輪場を再編成したりするというものです。 こうしたまちづくりの方向性については、これまでに市の長期計画や都市計画マスタープラン、吉祥寺グランドデザイン、NEXT吉祥寺といった各種計画において議論され、大きな方向が示されてきました。 それを具体的に進めようと出てきたのが、今年5月の建設委員会で示された「対応方針」。この方針に基づいて関係者と協議を行っていくという内容で、行政報告という形で議員へ共有がされました。 計画においてまちづくりの大きな方向性がすでにあったことから、特にこの委員会において紛糾するようなことはなく、いろいろな意見は出ましたがまだこれから協議が行われていくものとしてその時は終わりました。 その後、あれよあれよと言う間に土地の売買の話が実行段階に移り、また駐輪場が廃止されたことで、地域の方々より要望書、そして陳情が出されました。それを受けて今回の説明会に至っています。 何が問題だったか 私が考える問題点はいくつかあります。 ①議会での意見がないがしろにされていること 上述したように議会への最初のアプローチは建設委員会での行政報告でした。今回の事案は予算や条例制定といった議会での議決を要する事項にあてはまらないため、行政からの報告として情報共有されました。つまり、議員が多数決で決定するものではなく、議員に知らせるといったものになります。 そもそも議決事項になぜあてはまらないのかという考えもあると思いますが、この部分を変える、すなわち「議会で決めることを増やす」というのは二元代表制においておおごとです。また、法的な縛りある論点でもあるので、ここは学びを継続するとし、今回は割愛します。 そのうえで、私は先日の説明会において聞き捨てならない言葉がありました。議会への説明はどうなっているんだという質問に対し、行政側は「議会での反対はなかった」と一言答えたのです。 私は当時建設委員会の委員だったので、自分自身がこの報告を受け、質疑をした人間です。6月からは新しい任期になるため今は厚生委員会所属ですが、以降この件がテーマになる度にやり取りをチェックしてきました。 5月の委員会においては、この事業の話が出てきた際に私自身は内容を確認し、これからの協議と市民への説明を丁寧に行うことを市に要望しています。 私の質疑を議事録からまとめたものは参考として記事の一番下に掲載しておきますが、そもそも行政報告は賛否を問うものではないこと、それに対し「反対はなかった」というのは前提がずれています。 また、事業を進めるうえで議員から多数の意見が出されているにもかかわらず、そのことを伝えず一言で回答したことに私はショックを覚えました。 議員ももっと市民へ説明責任を果たしていかなければ、このような一言の説明でまとめられてしまうこともあるのだと強く実感しました。 行政報告というのものの位置づけや役割について、私たち議員がもっと踏み込んでいくことも今後大切なことです。しかし、そこで出た意見をないがしろにすることは許されません。 ②地元だけでなく市民全体への説明が重視されなかったこと 次に市民への説明です。 市内にはそれぞれそのエリアで活動している団体や協議会などが存在します。定期的に行政と意見交換をしていたり、行政側が説明したりといった、調整が行われています。 今回も地域で活動する方々を中心に陳情が出ていますが、団体とのやり取りは以前からあり、今回の件も事前に説明してきたということは行政側も言っています。 とはいえそのタイミングが適していたか、内容が充足しているかといったこと、さらには言った言わないなどの事実関係の精査についてはここではできませんので、そこは陳情審査にお願いするとします。 そこで私は、市民全体への説明、ここがすっぽりと視点として抜けていたことにより、今回の混乱が広がったと考えています。 まず当該エリアの関係者とも言える方々とはコンタクトを取っていた、がしかしその団体に属していない方は?住民とはいえすべての方が団体に属しているわけではありません。さらには吉祥寺という、市民の多くが関心あるエリアです。 SNS上での議論が巻き起こったのも、この件が選挙で争点として扱われたり、週刊誌に取り上げられたりしたことが大きいと感じます。突然出てきた話題のようになってしまい、説明責任を果たしていないと言われてしまうでしょう。 説明を求められて説明会を開いたのは良かったと思うのですが、そうした説明の機会を広く市民向けに事前に設けていたらどうだったのか、ここまで大きなことにならなかったのではないかと感じています。 また特に今回、多くの市民が利用する駐輪場が急に廃止されたという印象となってしまったことも、不信感に繋がったと感じています。 こうした駐輪場の再編については以前から「駐輪場は外周部へ」という考え方がベースとしてあり、そのことを知っていれば根拠の存在がある程度は理解できます(廃止のタイミングについては利用者からすれば当然意見があると思います)。 ベースはどこにあったのかというと、上述した長期計画や吉祥寺グランドデザインといった各種計画です。そもそもこうした計画の示す方向性に対しNO!と考えるのであれば方針の大転換が必要で、それこそ民意で首長を変えるといった事象が起きないと変えることは難しいと思います。 途中から議論に参加することが難しいというのがこうした計画的な行政のデメリットですが、思い付きで事業を行うわけではないというメリットもあります。要はバランスですが、こうした方向性を市民に周知していくことで、不信を防ぐことにも繋がります。 私含め議会もともにですが、まちづくりについて広報していく取り組みがもっと拡充されていかなくてはなりません。 選挙戦では相手を陥れるような発言をする時間があるなら、こうした政策、方向性をしっかりと周知するチャンスと捉えていかないとと強く思いました。怒涛の選挙年だったので、これがひとつの感想でもあります。 ③この対応を次に繋げるという意識が薄いこと 最後に、今回の説明会を次に繋げようという考えが感じられなかったことをとても残念に思っています。 この夏からの議論の紛糾を見て、職員の方々とは何度もやり取りをしてきました。例えばオープンハウス型のイベント(展示会場のような形でいつ来ても説明を受け職員とコミュニケーションが取れる手法)をしたらどうか、まちづくりの経緯が分かるような広報をしたらどうかなど何度も提案しました。しかしそれは叶いませんでした。 何かしらの会を開くということ自体にもし私の要望が影響しているなら、ひとつは叶ったのかもしれませんが。開くにしても対立構造にならないやり方を模索し伝えてきました。 私は今回のような市政への不信を増幅させるような事案を、できるだけ防ぎたいと考えています。それが「分断」になるからです。議論するのはいいのですが、議論すらしなくなってしまう、市政から離れてしまう。それは将来のまちのためにはまったくならないと思います。 だからこそ今回、多くの要望をしたのです。事業は交渉事として進む、それはとめられないかもしれない。それでも市政は続く、市民はそこに住み続けるのだから、なんとか関係性を修復したい。次に繋げたい。 そう思っていれば対立的な会の構造、そして最後まで話を聞かないで打ち切るといったやり方にはならないと思うのです(実際そうなってしまいました)。 事業には賛成も反対もさまざまな意見が出るのは当然です。それでも皆そこで生きていくのだから、意見をきちんと聞くということはやって欲しかった。 政争だから仕方ないという見方もあるでしょう。それでも、そうしたこととは関係なく今回の事業に関心を持ち、実際に自分の生活に影響が出るという方もいるはずです。事業を行う側が、政争の具にされたとしてスルーしてはいけないと思います。 今後について この件については、次の動きとして11月8日の建設委員会で何かしら情報が出てくると思います。陳情審査も継続となっており、行政に対し質疑が行われるでしょう。 今回のことを踏まえて私のやることは、市政についての周知広報の強化、職員とのコミュニケーション強化です。 説明会以降、思案に暮れましたが、箸にも棒にも掛からぬと思ってそのままにしてはいけない、私が諦めてはいけないと再確認しました。また、もっと早くから自分自身が周知広報をできていたらという反省の念もあります。 この事業についてももちろん追いかけていきますが、この一連の流れを振り返り、同じようなことが起きないようにしていく必要があります。実際、同じようなことになっていると時折感じることがあり、根本的な部分に課題を感じています。 今回も整理と発信に時間がかかり申し訳ないですが、改めて伝えることの難しさと重要性を実感しました。引き続き市政に関心を持っていただけたら幸いです。 参考 議事録より、実際の質疑を紹介します。 前提としてこの委員会というものは、だいたい新人から質問をし、ある程度聞いたら長くなるので次の人へというなんとなく暗黙の了解のもと進んでいくと私は理解しています(武蔵野市議会の全体ではないかもしれないが慣習だと思います)。 そのためまず私から細かいことというよりは大きな視点で質問を始めました。 ここでは他の委員の質疑については触れませんが、私が質問したのは以下の点です。→で市からもらった答えもポイントを書いておきます。 ▼今回の対応方針とはどのような位置づけなのか →この方針に基づいて関係者と協議していくというもの ▼すでに協議をしているのか、実現可能性はどうなのか →実際に下話はしているが、まだ価格も決まっておらず今後交渉する中で決まっていくものと考えている ▼(ひとつ前の報告事項が吉祥寺のまちづくりがテーマであったことを受けて)この方針は先ほどの件とも関連性があり重要なものという認識、方針に記載がある「売却にあたってまちづくりに資するような活用を求めるといった条件を付す」ということは協議としては大変だと思うが具体的にどのようなものか →要綱に基づき公益上必要な場合はそうした条件を付すことができ、この地域は環境浄化など抱える課題があるので、テナントの種類や用途に条件を付けるとか、滞留空間を創出して欲しいなど協議していく ▼非常にいい位置かつ種地として取得したことも踏まえると大きな可能性ある場所、いろいろな方々と話し合いをしていかなくてはならない、交渉事なのでいろいろ言い過ぎるとダメになるなどもあると思うが、誰とこれは決めていくことなのか →窓口はこの担当部署だが、市役所内部でも多岐に渡り関係課があり、また相手方とのバランスもあるのでそれも踏まえて交渉していきたい ▼かなり大きな話だと思う、さらっと出てきたが相手方だけでなくこれらのまちづくりに関わっている方々全般的にいろいろなところでコミュニケーションを取りながら、難しい交渉もする中で丁寧に進めて欲しい(要望として終了) 以上が私の質疑です。言葉は省略しながらまとめましたが、質疑はすべて取り上げました。 そしてこのあと他の4名の議員もさらに質問を行っています。 議事録はこちらにあるので、お時間のある方はぜひ読んでいただければと思います(発言78番からが今回の件です)。

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ともに考えたい「保育の質と量」

保育の「質」についてのご相談はよくあり、議会で議員がテーマとして取り上げることも多いです。 最近では、武蔵野市は待機児童がゼロとなった(実際はここ数年でカウントの基準が変わったこともあるため、以前の基準だとゼロにはならないが…)ことからも量から質へ議論が移行してきています。 がしかし、保育の質というのは定義として非常に広いもので、議論していても話がどんどんずれていく印象を持っています。議会で質について定義を聞くも、さまざまな計画に掲載されている定義自体はあるものの…それで?という話になってしまいがち。それぞれが考えるものが異なるため、議論がとまってしまうのです。 また、武蔵野市は子ども協会に運営を委託している園が多数あり、その他にも多くの保育事業者がいることからも、運営主体が多様化することで課題も多様化、質の価値観もさまざまです。 一方で、収束するかと思われた保育の「量」についての議論も、次の段階を迎えています。というのも、認可が増えたことによるしわ寄せとも言える状態、すなわち認可外やさらに広げれば幼稚園の経営について課題と思われる事態が出てきているのです。空きが多くなれば経営側としては難しい状態になるのは当然のこと。 これについてはさまざまな相談が寄せられており、新しい保育園を作るより既存の園から幼保一元化を考えたほうがいいのではといった案や、さらに認証の認可化を進めるべきといったご意見もあります。 私自身は立候補した当初より、柔軟な保育と働き方という観点で意見をしているため、多様な保育スタイルがあることを望んでいますが(例えば週の半分預けてこれまでの1枠を2名で分け合うといったやり方など)、そのためにはまず待機児童ゼロ、さらに余裕がある状態で運営をというのが市の回答です。 確かに一定の量は必要で、待機児童ゼロと言っても例えば障害を持つお子さんを余裕を持って受け入れられるようにするといった施策のためには、今の市の「市立を残す」という考えを支持します。 そのうえで柔軟な保育制度が確立されることで多様な働き方、多様なライフスタイルが実現していくことを切に願っています。 この保育分野においては多数のご相談をいただくものの、なかなか変わらないのはなぜかという点で、「当事者でいる時間が短いからではないか」というコメントをもらったことがあります。 確かに、制度の変化を待っているうちにどんどん子どもは大きくなり、保育のフェーズから離れてしまう。そのため、変化によるメリットを享受することなく、次の世代の抱える課題へとシフト。国政にも言えることですが、スピーディーに対応するということの重要性と難しさを感じるのが子ども分野です。 ▼武蔵野市の関連ページはこちら

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ともに考えたい「少子化に対するビジョン」

武蔵野市は26市で出生率が一番低い!ということが話題になっていますね。私も以前そのことを議会で質問したことがあります。 なぜ比較して低いのかということについては、若い単身女性の住民が多いからどうしても比率が下がる傾向にあるとの答えでした。 なるほどと思うとともに、それではこの出生率をどうするか(と書きましたが本質的には出生数ですね、ご指摘いただきましたので追記します)という、少子化に対するビジョンはどうなっているのだろうかと考えるようになりました。 市内の出生率(本質的には出生数)を上げるつもりがあるのか、ないのか。これについて言えば、今直接的な取り組みは特にされていないと考えます。 例えば保育園を増やすとか、相談場所を増やすとか、産み育てやすい環境を作るという、間接的な意味での取り組みはされているわけですが、直接的に出生率(数)向上のための取り組みとはなっていないわけです。 これを皆さんはどう考えるでしょうか? この国の人口減少に歯止めがかからない今、自治体ごとに住民を増やすための取り組みがどんどんと始まってきています。ただ割と多く見るのは、移住してきてね!という人口増の取り組みではないでしょうか。となるとこれはまた出生率(数)を上げる取り組みではないわけで。 このように、人口を増やすということと出生率(数)を上げるということは分けて考える必要があると思います。別々のビジョンに基づくもので、手法が重なるところもありますが、実は別のものなのだと思うわけです。 そう考えた時、武蔵野市は、そしてこの日本という国は、人口減少と少子化という事象に対して、どのようなビジョンを持っているのでしょうか。 私自身常に意識しているテーマで、国を超えてこのビジョンを考察することで、各種先進的と言える取り組みが見えてきます。 ぜひ皆さんと議論していきたいテーマのひとつです。

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ともに考えたい「子どもたちの居場所」

先日、子どもの権利に関する条例の検討委員会を傍聴し、改めて子どもの居場所について考える機会となりました。 皆さんは子どもの居場所と言うとどんなところを思い浮かべますか?きっとそれぞれに、自分も含めて過ごしたことのある場所をいろいろと思い出すと思います。 今でこそさまざまな場所が作られていますが、以前から変わらないのは家庭・学校・地域というカテゴリかもしれません。 それこそ今は子どもの権利という視点、人権についての意識も変わってきたことから、学校に行かなくてもいい、家庭から距離を取ってもいいといった、柔軟な考え方も少しずつ広がってきました。とはいえまだまだではありますが… こうした中で、子どもの居場所という考え方も多様化しています。 武蔵野市において子どもたちがいられる場所はどれくらいあるでしょうか?また、その情報は子どもたちに伝わっているでしょうか? 行政の議論の中ではどうしても行政の関わる環境しか議論の中に出てこない印象が強く、もっと多彩に、それこそ私自身会社で居場所づくりに取り組んでいますし、民間事業者やまだまだ把握されていない地域での取り組みなども、しっかり情報として集まっていくといいと思います。 地域には行政も民間もその間のような活動も、たくさん存在しています。 暮らしの中で1つでも気に入った居場所があれば、そこで過ごすことの意味はとても大きくなるでしょう。0か1かでは大違い。 皆さんの周りにはどんな居場所がありますか?ぜひまちの中で目にとめて、シェアしていただけたら嬉しいです。そして子どもの権利条例の策定も注視していただき、ぜひアンケートやパブリックコメントへのご協力をお願いいたします。 ▼武蔵野市の関連ページはこちら

cloudless sky over meadow and trees
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定例会終了|パートナーシップ制度導入について

こんにちは、武蔵野市議会議員の本多夏帆です。9月議会が終了しました。今回は選挙を控えていることから、少し静かな、と言いつつ激しい場面もある、そんなひと月でした。いつもは9月に行う決算委員会が12月に移動するため、少し短い会期となりました。 今回の選挙は市議の補欠選挙もあり、しかも2名となったので、その後の議会の中のバランスはどうなるのか、気になっています。また、新たなメンバーが入ることで新しい視点や知見も得られるといいなと思っているところです。 26人議員がいますが、それこそ議会に多様性があると、お互いに刺激を受けられます。そう思っている議員ばかりではないかもしれませんが、少なくとも私は議員間のコミュニケーションについて面白味を感じています。まぁ、もやっとすることもないわけではないですけどね。笑 今回の目玉議案でもあったパートナーシップ制度を導入するための条例改正については、考えを述べる討論をしましたので、その原稿を以下そのまま掲載します。他の会派の討論を聞いていても、やはり今後の取り組みが重要であり、また視野を広げていくことが大切であると感じました。 会派ワクワクはたらくの討論原稿 武蔵野市男女平等の推進に関する条例の一部を改正する条例に賛成の立場で討論します。 第六期長期計画にも多様性を認め合う社会を構築するとあり、今回のパートナーシップ制度の導入はそのひとつの表れとなりました。こうしてさまざまな課題を乗り越え制度が作られる、それは決してゴールではなく、これからの取り組みが大切と考えます。 この夏、中学生と「SDGs」について考えました。SDGsの各論ではなく、そもそもなぜ、SDGsを作る必要性があったのか、そこに着目をしました。キャッチーなデザインもあり、SDGsの取り組みに注目が集まりますが、なぜこれがあるのか、こうしたものがなくてもいい世界だったら…ということに思いを馳せました。 もとをたどれば、多様性を認め合う社会に必要なのは人権への理解です。誰もが基本的人権を持つ存在である、このことが社会において浸透していない、だからこそ今、子どもの権利についての議論などが活発に行われているのだと思います。本当は子どもも大人も関係ない、性についてもその人それぞれ、一人ひとりの人権が尊重される社会となるべきなのです。武蔵野市においては、このことについて率先して取り組んでいくべきと考えます。 以前より、相談事業においては相談者の属性ではなく困っている内容でカテゴライズすることを提案してきました。パートナーシップ制度については多様性を認め合うということに加えて、例えば不動産や病院での手続きなどでの利便性の向上にも寄与するとされています。一方でそうした手続きにおいて困っている方は、他にもたくさんいるはずです。ぜひ支援の幅が、層がこれからも広がるように、お願いをしたいと思います。 最後に、この制度が男女平等条例の改正によって形になると聞いたとき、性の多様性でなぜ男女平等…?とはてなが浮かびました。しかし今回の改正により中身の表現も広がって、いわばこれは人権条例と呼べるのではとも思った次第です。今はまだ、男女平等というワードがタイトルになること、その歴史を背負っていることをしっかりと受け止めて、武蔵野市における人権への取り組みに繋げていきたいと思っています。 以上、今後の取り組みへの期待を込め、賛成の討論といたします。